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かつて運行されていた埼玉県新座市のコミュニティバス ウィキペディアから
新座市シャトルバス(にいざしシャトルバス)は、埼玉県新座市で運行されていたコミュニティバスである。
新座市の市制施行25周年を機に1995年(平成7年)10月1日に運行が開始されたが、2007年(平成19年)6月29日をもって運行を終え、翌日に全線廃止となった。運行を受託していたのは西武バス新座営業所だった[1]。
「新座市シャトルバス」開業時の主な目的は、1992年(平成4年)12月に実施された西武バス清瀬営業所の廃止および新座への移転による新座市役所へのアクセス網改善と、従来から市役所方面へ向かう路線バスが運行されていなかった交通空白地域の解消だった。しかし「どうしても市役所でなければ用件が済ませられない」内容が次第に減る一方で、設定された運行経路も市役所まで最短距離ではなく、周辺を迂回するために遠回りの経路となって時間を要することになった。その後、一部の経路変更や本数の増回、武蔵野線新座駅への乗り入れを行うなど様々なテコ入れは実施したものの利用率は伸び悩み、本来の目的である「市役所へのアクセス路線」を充分に果たすことは無いまま、2007年(平成19年)6月29日の運行をもって終了、翌日付けで全線廃止となった。専用車の自動車排出ガス規制による更新時期も重なり、今後の路線の在り方について検討した結果、短縮や運行会社の移管などではなく「路線廃止」という結論に至ったのである。
新座市シャトルバスの廃止後、沿線の高齢者などからコミュニティバス復活の要望を受け、廃止から約2年3ヶ月後の2009年(平成21年)10月1日、東武バスウエスト新座営業事務所による「にいバス」が開業した。
西武バスによるコミュニティバス運行受託としては練馬区、朝霞市、保谷市に続く4番目で[2]、その後は川越市、日高市と続いた[2]。
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路線開業時は新座高校・蓮光寺経由での運行で、2003年のダイヤ改正時に新座高校経由と新座馬場団地経由の2経路へ変更された。同時に両路線が新座栄を経由するようになり、西武バスの一般路線に乗り換えれば西武池袋線大泉学園駅方面へのアクセスも可能だった。2007年の廃止時点では武蔵野線新座駅南口へ乗り入れており、同時に新座高校経由便が再び蓮光寺経由へ戻された。新座駅発着の区間便が新設され、早朝の清瀬駅方面の始発と夜間の新座駅方面の終車前および終車が新座駅発着だった。西武バス新座営業所が運行を受託しており、運行日は路線開業時から廃止時まで一貫して平日のみ運行し、土曜・休日は運休していた。
運賃は新座市内の一般路線と同じ運賃体系で、整理券方式による後乗り後払いの対キロ多区間運賃だった。バス共通カードも利用可能だったが、新座市シャトルバス専用の回数券・定期券の発売は無かった。
1995年(平成7年)の運行開始にあたり、専用車両として日野・リエッセ(KC-RX4JFAA)を3両(A5-309、A5-310、A5-311)導入した[3]。日野・リエッセの路線仕様車のラインナップに車椅子用ステップ付きリフト車が追加されるのは1997年(平成9年)12月のため、導入された3両はいずれも車椅子リフトが無い中扉2枚折戸のツーステップ車だった。
車体のカラーリングは、上下にグラデーションのかかった淡いピンク色を基調に、車両側面には濃淡の緑色の2本の帯が曲線を描いて流れ、水色の新座市の花「コブシ」が散らされた上品なデザインだった[4]。前面の車両下部には黒色で「新座市シャトルバス」の文字が入り、側面には前扉横に同じく黒色で「NIIZA CITY」の文字が書かれていた[4]。この図柄は地元の埼玉県立新座総合技術高等学校の生徒の案が採用されたが、路線廃止後に開業する「にいバス」でも同校の生徒が車両の図柄のデザインを担当することになる。新座市の特別名誉住民に登録されている漫画・アニメーションの主人公である手塚治虫作の「鉄腕アトム」のデザインが車両の側面にマグネットで貼付されたことがある。
なお、専用車の車検などの際には一般路線用(笹カラー)のワンステップ中型短尺車の日産ディーゼル・RN(富士重工架装)が代走することとなり、新座市シャトルバス用の方向幕もあらかじめ用意されていた。
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