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2013年の日本のテレビドラマ ウィキペディアから
『ビブリア古書堂の事件手帖』(ビブリアこしょどうのじけんてちょう)は、2013年1月14日から3月25日まで毎週月曜日21:00 - 21:54にフジテレビ系の「月9」枠で放送されたテレビドラマ。主演は剛力彩芽。初回は15分拡大放送(21:00 - 22:09)。フジテレビ On Demandでも放送後の毎週水曜日に有料で見逃し配信された。
ビブリア古書堂の事件手帖 | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
原作 |
三上延 『ビブリア古書堂の事件手帖』 |
脚本 |
相沢友子 岡田道尚 早船歌江子 |
演出 |
松山博昭 宮木正悟 長瀬国博 |
出演者 |
剛力彩芽 AKIRA 田中圭 鈴木浩介 安田成美 高橋克実 松坂慶子 |
オープニング |
☆Taku Takahashi「Biblorelo」(第1 - 10話) E-girls 「THE NEVER ENDING STORY 〜君に秘密を教えよう〜」(最終話) |
エンディング |
E-girls 「THE NEVER ENDING STORY」(第1 - 8・10話) 「THE NEVER ENDING STORY 〜君に秘密を教えよう〜」(第9話) |
製作 | |
プロデューサー |
小原一隆 藤野良太 |
制作 | フジテレビ |
放送 | |
音声形式 | ステレオ放送 |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2013年1月14日 - 3月25日 |
放送時間 | 月曜日 21:00 - 21:54 |
放送枠 | フジテレビ月曜9時枠の連続ドラマ |
放送分 | 54分 |
回数 | 11 |
公式サイト | |
特記事項: 初回15分拡大(21:00 - 22:09)。 |
三上延の日常の謎系推理小説シリーズ『ビブリア古書堂の事件手帖』第1巻から第4巻までを原作としている。神奈川県鎌倉市の古書店を舞台に、本にまつわる謎を解き明かし人と人の絆を紡ぐ[1]女店主を主人公とした推理ドラマ。主演は本作がゴールデン連続ドラマ初主演の剛力彩芽が務めた[2]。
キャッチコピーは「事件を解く鍵は、名作の中に――」。
体質的に本が読めない五浦大輔は、亡くなった祖母の遺品である本を売るように頼まれる。当初、売ろうとしていた店を探すも見つからず、五浦は通りがかりの「ビブリア古書堂」で本を売ろうとする。店主の査定が長くなかなか終わらないので、五浦は『漱石全集』の『第八巻 それから』にある夏目漱石の筆跡がニセモノかどうかを査定しているのかと思った。しかし、店主の栞子は署名が贋物なことはすぐに見破ったが、それよりもこの署名があることの意味を考えていたという。はたして、その贋の署名の意味とは。このドラマは、本の内容と、それにかかわった人々の心情が織りなす物語である。
( ) 内は設定年齢
CAFE廿庵(カフェにじゅうあん)は、ドラマオリジナル設定の甘味処。ビブリア古書堂近所にあり、しばしば栞子周辺の事件関係者の対話や、人間関係に関する噂話の舞台となる。
脚本メイン担当の相沢友子は、「ささやかで繊細なエピソードが持ち味」である原作小説の脚本化に際して、丁寧に話を積み上げ、ファンタジックに作り上げるというビジョンの上で制作した。そして、語り手役の大輔のキャラクターを分かりやすく描き、脇役のせどり屋との絡みを増やすことで視聴者の興味を引き、派手なアクションなどのない物語が映像化された際のインパクトの弱さをカバーしている。結末については、新作の出版(放送中に出版された第4巻)を待って、シナリオを書くことになると話していて[10]、実際の放送では第4巻の内容は最終2話の原作となった。
また、キャスティングについて賛否両論ある栞子役の剛力については、元気なイメージのある彼女であるが、「黙ってじっとしているとミステリアスなムードを持っている」ため、「彼女の“静”の部分を出すと新鮮なものになる」と確信し、「栞子を剛力さんのイメージに近づけるのではなく、剛力さんが物語に寄り添っていけるような」脚本を心がけた[10]。
実際の収録においても、剛力は原作ではロングヘアでメガネをかけた栞子のルックスに対し、撮影時点でほぼトレードマークのようになっていたショートカットのままで収録にのぞみ、メガネを着用することもない。放映前の剛力は栞子のイメージを全部覆すと発言していたが[11]、ドラマ上の演出としては、感情を表に出さずに「笑わない」演技を指示されている[12][13]。
また、剛力は本作での演技について、著者名や専門用語などを滑舌よく発声することや、題材となった『それから』などの本を実際に読み、その歴史を調べるなどの役作りを行った。細かい演技については、目線や本を扱う手つきなどに、栞子の「静かな情熱」を表現するよう心がけたという[14]。
ドラマの配役、とくに栞子役について、声優の池澤春菜が自身のTwitter上で困惑を示すなど(のちに当該のツイートは削除された)、原作の愛読者などからは困惑と驚きの声が上がった[11]。『週刊文春』は、原作小説ファンが反発し、Twitterで「炎上」が起きたと報じている[15]。
ノンフィクション作家の山下柚実によると、放送前の印象として「ご本人の能力より、売り出そうとする周囲の力というか、話題を仕込む背後の力の方がちらちらと目立ってしまう」としながらも、放送後の感想として、剛力の演技は古書店の空気に馴染んでおり、新人にありがちな沈黙に耐えられない余計な動作がなく、うんちくのセリフも説明的に聞こえず、顔が小さく首が長いスタイルに肩にかけたショールが生きて知的な落ち着きを表現できていると評した[16]。
初回視聴率は及第ラインには達しなかったが、同期開始連続ドラマの中では第2位で[17]、メディアプロデューサーの酒井政利によれば、このことからも放送前からの期待度は高く、ネット上での評判は「原作ファンにはあまりよろしくないが、原作を知らない人たちには面白いと評判」であり、今後の剛力の活躍を占う指標になるとみていた[18]。しかし最終話の視聴率8.1%は月9枠の最低視聴率を更新し、平均視聴率も終了時点で『婚カツ!』の10.5%に次ぐワースト2位の11.3%という結果に終わった[19](視聴率順位は放送当時)。
ジャーナリストの田部康喜は、ドラマと原作の間にある「溝」として、原作にない脇役が多く、そこに人気俳優やタレントを配して視聴率を上げることを狙っているが、それが主役たちの心理の綾を描いていた原作の魅力を損なっているのではないかと分析し、物語の続きを予感させるラストも、どちらも捨てがたいとしつつ恋愛要素のある原作の方に軍配を上げている。しかし、月9で初の「ラノベ」を原作にするという、ジャンルにこだわらず良い物を選ぶ制作陣の姿勢にはチャレンジ精神があると好評価し、原作が今後も続くことからドラマでの第2シリーズに期待を寄せている[20]。
なお、『それから』『せどり男爵数奇譚』など、物語中でモチーフとなった書籍の売上が増加し、絶版となっていた書籍の復刊が決まるなどしたが、これはテレビドラマ化以前にはなかった現象であるとされる。これは映像として実際に「モノ」としての本が視聴者の前に登場し、実際に触れ、読みたいという欲求を喚起したためであり、新たな読者獲得の機会を出版業界に与えたとライターの川俣綾加は分析している[21]。
各話 | 放送日 | サブタイトル | ラテ欄 | 脚本 | 演出 | 視聴率[23] |
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第1話 | 1月14日 | 夏目漱石 「それから」 | 偽のサインと古書に秘められた謎 | 相沢友子 | 松山博昭 | 14.3% |
第2話 | 1月21日 | 小山清 「落穂拾ひ・聖アンデルセン」 | なぜ犯人は一冊だけ本を盗んだのか | 12.2% | ||
第3話 | 1月28日 | ヴィノグラードフ・クジミン 「論理学入門」 | 本日のお客様は脱走犯!? | 宮木正悟 | 12.0% | |
第4話 | 2月 | 4日宮沢賢治 「春と修羅」 | 鍵のかかった部屋から盗まれた本 | 岡田道尚 | 11.6% | |
第5話 | 2月11日 | アントニイ・バージェス 「時計じかけのオレンジ」 | 今回は2つの結末!?名門女学館で怪事件 | 相沢友子 | 松山博昭 | 11.5% |
第6話 | 2月18日 | 太宰治 「晩年」 | 脅されているんです、異常な男から | 長瀬国博 | 11.7% | |
第7話 | 2月25日 | 足塚不二雄 「UTOPIA 最後の世界大戦」 | 複数の真実 | 松山博昭 | 10.2% | |
第8話 | 3月 | 4日ロバート・F・ヤング 「たんぽぽ娘」 | 真犯人はビブリアにいる | 岡田道尚 | 宮木正悟 | 10.4% |
第9話 | 3月11日 | タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの | タヌキとワニとイヌが出てくる、絵本みたいな本 | 早船歌江子 | 長瀬国博 | 11.5% |
第10話 | 3月18日 | 江戸川乱歩 「少年探偵團」 | 江戸川乱歩・少年探偵団 | 相沢友子 | 宮木正悟 | 11.1% |
最終話 | 3月25日 | 江戸川乱歩 「押繪と旅する男」 | 乱歩が残した、間違った暗号文!? | 松山博昭 | 8.1% | |
平均視聴率 11.3%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
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