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アメリカの映画作品、『ターミネーターシリーズ』第4作目 ウィキペディアから
『ターミネーター4』(原題: Terminator Salvation)は、2009年のアメリカのミリタリーSFアクション映画。監督はマックG、脚本はジョン・ブランケートとマイケル・フェリスが務めた。「ターミネーター」シリーズの第4作目であり、『ターミネーター3』(2003年)の続編であると同時に『ターミネーター』(1984年)の前日譚でもある。主演はクリスチャン・ベールとサム・ワーシントンで、アントン・イェルチン、ムーン・ブラッドグッド、ブライス・ダラス・ハワード、コモン、マイケル・アイアンサイド、ヘレナ・ボナム=カーターらが出演している。これまでの作品とは異なり、本作は2018年を舞台にした終末論的映画である。ベールはレジスタンスの戦士にして中心人物でもあるジョン・コナーを、ワーシントンはサイボーグのマーカス・ライトを演じる。イェルチンは『ターミネーター』で初登場した若き日のカイル・リースを演じ、T-800ターミネーターの起源を描いている。
ターミネーター4 | |
---|---|
Terminator Salvation | |
監督 | マックG |
脚本 |
ジョン・ブランケート マイケル・フェリス |
原作 |
キャラクター創造 ジェームズ・キャメロン ゲイル・アン・ハード |
製作 |
デレク・アンダーソン ヴィクター・キュビチェク ジェフリー・シルヴァー モリッツ・ボーマン |
製作総指揮 | アンドリュー・G・ヴァイナ |
出演者 |
クリスチャン・ベール サム・ワーシントン アントン・イェルチン ムーン・ブラッドグッド ジェイダグレイス・ベリー ブライス・ダラス・ハワード コモン ジェーン・アレクサンダー ヘレナ・ボナム=カーター |
音楽 | ダニー・エルフマン |
撮影 | シェーン・ハールバット |
編集 | コンラッド・バフ |
製作会社 |
ハルシオン・カンパニー ワンダーランド・サウンド・アンド・ヴィジョン |
配給 |
ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ コロンビア ピクチャーズ ソニー・ピクチャーズ |
公開 |
2009年5月21日 2009年6月13日 |
上映時間 | 114分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $200,000,000[1] |
興行収入 |
$371,353,001[1] $125,322,469[1] 33.2億円[2] |
前作 | ターミネーター3 |
次作 | ターミネーター:新起動/ジェニシス |
ハルシオン・カンパニーがアンドリュー・G・ヴァイナとマリオ・カサールから権利を獲得し製作され、2009年5月21日、北米ではワーナー・ブラザース・ピクチャーズから公開された。本作は全世界で3億7,100万ドル以上の興行収入を記録したものの、作品自体は賛否両論の評価を受けた。『ターミネーター4』は「ターミネーター」2度目の3部作の第1作目となる予定だったが、ハルシオン・カンパニーが破産を申請したため、続編の製作は中止となった。2012年にフランチャイズ権が売却された結果、予定されていた新たな3部作の第1弾としてリブート作品である『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(2015年)が製作された。
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
※括弧内は日本語吹替。
本作に関して、ジェームズ・キャメロンがアドバイスを与えたという報道が一部にあったが、キャメロン本人はこの報道を否定している[3]。ただし、McGは完全に非公式な物と断った上で、キャメロンに個人的に相談をしてアドバイスを貰ったことと、サム・ワーシントンの起用は既に『アバター』の主演に抜擢していたキャメロンの推薦による物だったことを明かしている。
第1作からシリーズ全作で特殊メイクを担当したスタン・ウィンストンは撮影中の2008年6月15日に他界したため、ウィンストンの遺作となった。マックG監督はエンドクレジットで本作品をスタン・ウィンストンに捧げている。
シュワルツェネッガーとキッキンガーが今回、CGにて演じたT-800は試作品であり、T1、T2で登場するT-800とは異なる。試作品といってもT-600などの旧式のターミネーターとは違って動きが非常に人間的であり、暴走するT-600を素手で破壊するほどの攻撃力を保有している、変声装置を使って標的をおびき寄せる等の知能を持ち、作品の舞台となる2018年では最新鋭の高性能ターミネーターである。
このT-800は2018年にはこのたった一体のプロトタイプしか製造されておらず、劇中で見られた生産ラインで製造されていたのはその前身であるT-700である。本作でジョン・コナーの手によってターミネーターの生産工場が爆破されたため、T-800量産計画が8年も遅延することになった。これに関連して、劇中でジョンがT-800の開発時期について「予想以上(サラから聞いていたよりも早い)」と呟くシーンがあるが、これは歴史が変わったわけではない。前述の生産工場爆破によってT-800量産化が遅れたという歴史を、カイルが「2026年に量産化された」とだけサラに伝えたことによって生じた誤解であった。
なお、「T3」にてジョンはT-800の顔に愛着があるということが判明しているが、今作ではT-800には躊躇なく銃撃をしている。これは、「T3」でT-850から「ジョンはT-800の顔に愛着があり、彼の暗殺には(T-800の顔と酷似した顔をした)私が選ばれた」と聞かされていたため、ジョンがT-800に動揺しなくなったためとされる。なお、シュワルツェネッガーが演じたT-800が、敵として登場するのはT1以来となる。
本作は公開までT3とは無関係であると一部メディアで報じられてきたが[注釈 2]、ジョンの妻が前作に登場したケイトである点、ケイトが前作で獣医だった経験を活かして本作でも医療関係の仕事で抵抗軍をサポートしていること、最後にまたケイトがジョンとの子供を産むことになると前作でターミネーターが語っていたが、本作でのケイトは妊娠していること等から、本作は事実上『T3』の続編といえる。 ジョンが『ターミネーターの動力源に誘爆性があること』を知っている点、前作に登場したT-1の登場、また本作品のプロローグが2003年(T3における「審判の日」の前年)から始まることも共通している。また、公式サイト(日本)においては本作の舞台は"「審判の日」から10年後"の2018年であるとされていて『T3』の設定(「審判の日」は2004年)とは矛盾が存在するが、公式サイト(米国)においては10年後という記述は無く、更に"Skynetは14年前に自我に目覚めた"との明示的な記載もあることから、「審判の日」に関するT3との整合性はとれている。ただし映画本編においては、「審判の日が何年に起きたか」という具体的な説明は無い。
スカイネットセントラルにおけるT-800との交戦で、ジョン・コナーが溶けた鉄を浴びて灼熱化したT-800に頬を引っかかれて火傷を負うシーンがある。この負傷による傷跡はT2、T3においてわずかに描写された、未来のジョン・コナーの容姿へリンクしている。
本作撮影前にターミネーター2の後日譚という設定でTVシリーズのターミネーターサラ・コナークロニクルズの製作が発表されたが、McG監督が示唆するに、このTVシリーズと『T4』とは無関係である[4]。
予告編で使用された曲はナイン・インチ・ネイルズのアルバム『ザ・フラジャイル』収録の「ザ・デイ・ザ・ワールド・ウェント・アウェイ」のリミックス・ヴァージョンである。
シリーズを通じてターミネーター(T-800・T-850)役を演じてきたシュワルツェネッガーは、2003年のT3公開直後、カリフォルニア州知事に就任して俳優業を休業した。タイトルロールを失ったシリーズは続行不可能とされていたが、T3製作総指揮のモリッツ・ボーマンがハルシオン・カンパニーと提携し、2007年にシリーズの権利を獲得した。
2007年当時はT3のジョナサン・モストウ監督、および知事職が2期目に入ったシュワルツェネッガーも作品への関与に肯定的だったが、ロケ地をめぐる意見の相違により両方が降板。『チャーリーズ・エンジェル』シリーズのマックGがモストウの後を継いで監督に抜擢された[注釈 3]。
制作中のインタビューでマックG監督がシュワルツェネッガー出演の可能性をほのめかした[5]。その後、正式にシュワルツェネッガーの出演が発表され、サンフランシスコのILMで若いシュワルツェネッガーの映像を再構築していることが明かされた[6]。劇場公開直前には、シュワルツェネッガーの登場場面の詳細が明かされた[7]。
ジョン・コナー役は前作のニック・スタールからクリスチャン・ベールに変更された。本作のキーパーソンとなるマーカス・ライト役にサム・ワーシントン、カイル・リース役にアントン・イェルチンが決定。2008年5月にクランクインし、本格的に製作が開始された。
ジョンと共に「審判の日」を生き残ったケイト・コナー(T3ではケイト・ブリュースター)役は、前作のクレア・デインズから交代し、シャルロット・ゲンズブールが演じる予定だったが間もなく降板[8]。代役としてブライス・ダラス・ハワードがキャスティングされた。
シュワルツェネッガーに続く注目のターミネーター(T-800)役は、奇しくもシュワルツェネッガーと同じオーストリア生まれで同じくボディビルダー出身のローランド・キッキンガーに決定した。しかし最終的には顔がデジタル合成で若い頃のシュワルツェネッガーに差し替えられている。
本作の制作費はシリーズ最高の製作費約2億ドル(280億円)と推定されており、これは前作『ターミネーター3』の製作費とほぼ同等である。しかし、全米では『ナイト ミュージアム2』に1位を奪われ、初登場2位に留まった。北米での興行収入はおよそ1億2500万ドル[1]で、国内で製作費を回収することができず、前作『ターミネーター3』の1億5000万ドルを下回る結果となってしまった。全世界興行成績はおよそ3億7000万ドル[1]とあまり振るわぬ結果となった。後に制作会社は破産し、ターミネーターの制作権は宙に浮いたが後に競売にかけられヘッジファンドが落札した。
日本では興行チェーンが前3作の東宝洋画系から丸の内ピカデリーを筆頭とした松竹・東急系へと変更され、2009年6月5日から3日間先行上映を行った後、6月13日から公開が始まり、オープニング5日間で興行収入10億2000万円[9]を稼ぎ、初登場1位を飾った。しかし日本での総興行収入は33億2000万円に留まり、これは『ターミネーター3』の82億円の半分にも及ばず、大幅に下回る結果となっている[10]。
レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは280件のレビューで支持率は33%、平均点は5.10/10となった[11]。Metacriticでは46件のレビューを基に加重平均値が49/100となった[12]。
シュワルツェネッガーは、一家で鑑賞後、自身の子供達から「シリーズ最高の出来」と言われ、同作に出演していないことから深く傷付き[13]、後にインタビューで本作品を批判している[14]。
2009年6月13日に劇場公開された[15]。
2009年6月7日テレビ朝日で『ターミネーター4メイキング特番×ターミネーター3今夜9時放送をさらに楽しむ!』という特番が放送された。ちなみにナレーション役はT-800(声: 玄田哲章)という設定であった。
また『ドラえもん』とのコラボレーション企画として、2009年6月26日放映の『ドラえもん1時間お26(ふろ)スペシャル!』でのエピソード「のび太を愛した美少女」で共演が実現した。ただしアニメで登場するロボットは姿こそ似ているものの「ターリネーナー」というターミネーターとは無関係の変形ロボットで、内容的にもほんのわずかな登場シーンしかなかった。
ソニー・ピクチャーズエンタテインメントよりBlu-ray Disc、DVD、4K ULTRA HD、UMDが発売。
ターミネーター4の2年前の世界観を描いた作品で、ゲームの他、映像作品「ターミネーター4:マシニマ(英題: Terminator Salvation Machinima Series)」もリリースされた。
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