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日本の物理学者 ウィキペディアから
荒木 不二洋(あらき ふじひろ、1932年7月28日 - 2022年12月16日[2])は、日本の数学者・数理物理学者。京都大学名誉教授。京都大学数理解析研究所元所長。専門は場の量子論・量子統計力学の代数的構造論、作用素環論。父は京都大学名誉教授荒木源太郎。
湯川秀樹の研究室で場の量子論を学ぶ。その後、京都大学工学部助手・講師、京都大学数理解析研究所助教授・教授を歴任し、場の量子論・量子統計力学の代数的構造論、ならびに作用素環論などにおいて研究を行っている。
作用素環の構造とその数理物理学への応用において顕著な業績がある。特に[3][4][5]、作用素環論を用いた代数的場の量子論の定式化 (Araki-Haag-Kastler formulation) やIII型フォン・ノイマン環と場の量子論の関係、荒木-Woods不変量の導入など、数理物理学とフォン・ノイマン環の深い結び付きを解明した。
こうしたIII型フォン・ノイマン環の構造に関する研究は、後の富田-竹崎理論やコンヌの仕事に影響を与えた。また、Kubo- Martin-Schwinger の平衡条件と変分原理の等価性や種々のエントロピーの記述、化学ポテンシャルの記述など、作用素環論的手法を用いて格子系の量子統計力学の研究に貢献した。
数理物理学分野においてポアンカレ賞を受賞している。コンヌがフィールズ賞を受賞したときに業績紹介を行った。国際数理物理学会会長を歴任し、“Communications in Mathematical Physics”誌の編集委員、“Reviews in Mathematical Physics”誌の創刊に携わるなど、数理物理学の発展に尽力している。
なお、京都大学名誉教授の中西襄は、同期である。長らく数研出版の「チャート式 解法と演習」(黄チャート)の編纂者の常連であった。
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