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『空中都市008』(くうちゅうとしゼロゼロエイト)は、小松左京のSF児童文学。副題は『アオゾラ市のものがたり』。また、それを原作とするNHKの人形劇番組。
科学技術の発達した21世紀における星夫くん、月子ちゃん達の登場人物の「アオゾラ市」での生活を舞台に、都市生活基盤や、交通手段、宇宙旅行など知恵と希望にあふれた未来像を描いている(管理コンピュータのダウンによる都市機能の混乱など、そうでないエピソードもある)。いくつかのエピソードに章立てされた短編形式のストーリーで、各話の章末には科学考証の元となった(当時の)最先端の科学・技術についての解説が付録として付いている。登場する科学技術の中には、現代の目で見ても実現が程遠いものや非現実的といえるもの(エアカー及び全自動運転、宇宙旅行)も含まれるが、中には驚くほど現代の技術を言い当てているものもあり興味深い。例えばテレビ受像回路付き携帯電話、ニュース配信、環境技術の進歩、自動通訳機などである。
一時期、ノーベル賞受賞者の田中耕一の愛読書として話題となった。
2010年10月に、iPad用マルチメディア電子書籍としても発売。声優や音楽を多用した「オーディオビジュアルノベル」形式で(株)オフィスエランにより企画開発される。原作者である小松左京の新録オリジナルボイスメッセージも作中に収録している。テーマ曲歌唱は、後述の人形劇版と同じ中山千夏による歌唱(新曲)。
題名の「008」は、国際ダイヤル通話における日本の識別番号を頂いたもの(実際には0081となった)。
NHKで連続人形劇としてテレビドラマ化された。一つの話は原則として一週間単位で、原作のエピソード以外に、多数の書き下ろしがある。
前作『ひょっこりひょうたん島』が突然打ち切りになったため制作が早まった。制作の背景には同じくNHKで放送されていた『サンダーバード』の影響があったとされる[1]。
物語の時代は放送時から約30年後の21世紀初頭に設定されていた。視聴者からのアイデア(未来で実現する機械を公募して)を元に話を作ったこともあった。視聴者から寄せられた未来のアイデアは、物語の中に星夫たちの発明などとして登場したが、所長らが「この発明は、30年前に○○さんがすでに考えていたんだよ」といって、視聴者からのアイデア画を見せたりするといった趣向で、番組をより身近にすると言う工夫がなされた。
舞台は空中都市008だけではなく、海底都市や火星探検、月基地の話などもあった。時あたかもアポロ11号月面着陸の年であり、そのことがストーリーに反映されている。たとえば、静かの海に残された月着陸船イーグルの基部を見に行くくだりなどである。
1970年1月1日、正月特番として「北極圏SOS」が放映された。
大野ゆたかによって、月刊誌『ぼくら』にコミカライズ版が連載された[2]。
前作『ひょっこりひょうたん島』と比べ子供には理解しづらい話になったこともあり、わずか1年間で終了となった。
本編は一切現存せず、フィルム制作の「北極圏SOS」が唯一現存する映像である(「北極圏SOS」は、日本全国各地のNHKアーカイブス施設にて視聴可能)。ビデオテープ(2インチVTR)は非常に高価で大型であり、収録された映像は放送終了後に消去されて他の番組に使い回されていたため、映像が見つかる可能性は低い。
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