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日本の小説 ウィキペディアから
『空の境界 未来福音』(からのきょうかい みらいふくいん)は、奈須きのこ及び武内崇による日本の伝奇小説・漫画。『空の境界』のサイドストーリーや後日談が収録されている。サブタイトルは「the Garden of sinners/recalled out summer」。
2008年8月16日、奈須と武内が数年振りに同人サークル「竹箒」としてコミックマーケット74に参加した際に発売された[2]。奈須の小説『未来福音』2本と武内の漫画『1998年』3本の、計5つの物語から構成される。また、「空の境界 ギャラリー」として、『空の境界』の講談社ノベルス版及び講談社文庫版の表紙5枚と『劇場版 空の境界』のポスター3枚の、計8枚のイラストが収録されている。装幀はハードカバーを採用し[1]、コミックマーケット74で販売されたものには「空の境界ロゴしおり」が付属[3]。なお、同シリーズの公式漫画化は本作が初めて[注 1]。
本作収録の『未来福音・序 Möbius link』は『空の境界』シリーズの中で最も未来を描いた作品である。また、『未来福音 Möbius ring』は『空の境界』のプロット構想段階では存在したが、実際には収録されなかったエピソードが原案とのこと[3][4]。
『空の境界』では両儀式、黒桐幹也、蒼崎橙子の3人を中心に[注 2]、荒耶宗蓮及びその駒[注 3]と協力者[注 4]との闘いが描かれた。一方本作では、本作新登場のキャラクターや『空の境界』の脇役にもスポットが当てられ、群像劇の様相を呈している[注 5]。さらに、物語の黒幕であると同時に影の主人公(アンチヒーロー)[5]である宗蓮自体が登場しない。
本作は第四章公開時に武内崇から同人で『空の境界』の続編を出す提案が出されたことから制作が始まった。原作者の奈須きのこは続編を執筆することに消極的だったが、ufotable制作の『劇場版 空の境界 第四章』の試写会で映像を見た際に執筆を決意。劇場版関係者やファンに対する感謝の気持ちを込めて執筆された[6]。『未来福音・序 』は劇場作品を見た奈須自身の客観的な感想が込められている[7]。
同人誌版の店頭発売日は2008年9月15日[8]で、取扱店舗はアニメイト、ゲーマーズ、とらのあな、ホワイトキャンバス、まんだらけ、メッセサンオー、メロンブックス[1]。また、2011年11月11日に星海社文庫より一般書籍として発売された。
発表当初のタイトルは『空の境界 the Garden of sinners/recalled out summer』であり、「未来福音」という単語は含まれていなかった[2][9]。この時点のキャッチコピーは「ひと夏の幻視。原点となる場所への回帰。未来と過去を繋ぐ空白(ボーナストラック)」[2][9]。
また、コミックマーケット74で関係者に配布されたコピー本の『空の境界 未来雑音 the Garden of sinners/mobius noise』が、「竹箒」の公式サイトにおいてPDFデータ形式で配布された[注 6][10]。この『未来雑音』には、本作の後書き的な記述が含まれている[10]。また、表紙には式、鮮花、藤乃の立姿が描かれている[11]。
2012年7月7日、アニメ映画『劇場版 空の境界』シリーズの続編として『未来福音』のアニメ化が告知された[12]。公開日は2013年9月28日。同時上映として、武内崇による漫画版の映像化作品となる『未来福音 extra chorus』も公開された。興行収入は、1.7億円を記録した。
本作では、未来と過去を視ることのできる能力がクローズアップされており、本編である『空の境界』で大きなウェイトを占めていた根源、起源、抑止力といったファクターは登場しない。
※以下、本作収録作品の名称を略称で記述する。
奈須と武内を除く制作スタッフは以下の通り。
星海社文庫より、2011年11月11日に発売。奈須による小説のみの再掲載であり、武内の漫画は掲載されない。多少の加筆修正はあるが、基本的には同人誌版と同じ内容。
劇場版プロジェクト再起動として2013年9月28日から公開された劇場作品。同時上映は『1998年』をアニメ化した『劇場版 空の境界 未来福音 extra chorus』。
未来福音のキャッチコピーは「彼女の断章、過去と未来にわたしは駆ける。彼の結末」、extra chorusキャッチコピーは「キミに、幸あれ―」。
テアトル新宿ほか全国32スクリーンという小規模公開ながら、2013年9月28日、29日の初日2日間の映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第7位となった[37]。また、ぴあ調査による9月27日、28日に公開された映画の満足度ランキングではトップに輝いた[38]。興行収入は1.7億円を記録した。
2009年4月1日、『劇場版 空の境界』公式サイトのトップページにて、本作の「映画化」が発表された[39]。ただし、製作スタッフは全て「奈須きのこ」で、上映は架空の映画館「moonシネマズ浅草橋」にて、2000年12月29日に単館ロードショーというものであり、「過去視のないお客様は視聴できません」との注意書きも添えられるなど、エイプリルフールのネタであった。それに合わせ、東京のufotable cafe[注 20]にて、同日限定で「未来福音仕様」の公式サイト(瀬尾静音がメイン)を模した「未来福音映画化記念コースター」が配布された[40]。しかし2012年7月7日、「TYPE-MOON Fes. -10th ANNIVERSARY EVENT」にて正式に本作の「映画化」が発表され、現実のものとなった。
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