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油圧ショベル(ゆあつショベル、英: hydraulic excavator あるいは digger)とは、掘削・整地等のための腕状の構造およびバケット等が油圧により作動し、自走する機械のことである。いわゆる掘削機の一種で、建設機械の一種。
土砂地山などの掘削・整地などに用いる。一般に、腕状の構造は、左右に旋回するプラットフォームの上に据えられており、その下には走行装置を備え、自走することができる。腕状の(もう少し詳細に喩えると、腕状と言うより、人間の肩から腕あたりのような)構造は、一般に複数の部分からなり、機体の基部から順に「ブーム」「アーム」と呼び分けられる。
アーム先端に取り付ける作業装置は土砂等の掘削に適したバケットが標準であるが、バケット以外の各種アタッチメントに付け替えて様々な用途に使用でき、下部走行フレームにブレード(排土板)を装備して、ブルドーザーのような押土整地作業も行える機種もある。
いくつか分類法があり、大きく「バックホー(ドラグショベル)」「ローディングショベル」「解体機」に分類することができる。また重量で分類する方法もある。→#分類・種類
油圧式ショベルが登場する以前に鉱山や河川工事で用いられていた、ウインチでケーブル(ワイヤーロープ)を巻き上げ、巻き下げてブームとアームを動かしてバケットを前方に押し出して掘削するケーブル式ローディングショベルや、幅広バケットをウインチで引き寄せながら掘削するケーブル式ドラグショベルが原型である。ケーブル式ショベルは構造上、ケーブルを引く方向にしか掘削力をかけられないので、狭い範囲を深く掘削したり、掘削面を平らに切り取るような作業は困難であったが、1947年イタリアで世界初の複動式油圧シリンダーでブーム、アーム、バケットを動かす小型油圧式ローディングショベルが開発されて、従前のケーブル式では構造上困難だった精密掘削や整地作業も容易になり、かつ、1970年頃以降 油圧ポンプやバルブシステムが改良されて運転操縦法も極めて簡単になり、小型軽量な機種も製造可能になったため土木建設などの中-小規模な用途では急速に油圧式ショベルが普及した。
しかし、複動式油圧シリンダーはあまり長い物は製造が難しく、リンク倍率を高くするとブームやアームの太さや重量が大きくなり過ぎてしまうため油圧式ショベルの大型化には限界がある。2016年時点で、重掘削・積込用としては作業半径20メートル程度、バケット容量40立方メートル程度が世界最大級であり、これよりも大規模な掘削機械では、ケーブル式ショベルやバケットホイールエクスカベーター等が多用されている。
下(後ろ)向きにバケットを取り付けてバックホーとして使うのがもっとも一般的だが、その他に、機体より上方の土砂を掘削して運搬車に積み込む作業に適した前向きローディングバケットや、圧砕機、鉄骨切断機を取り付けてビルの解体、コンクリートや道路のアスファルト、自然石を打撃により破砕するブレーカー等の多種多様なアタッチメントに交換でき非常に幅広い用途に使われる。
こうした動力シャベルはケーブル式時代のころは巻きあげロープが元々あったので、アタッチメント交換でここの先端にフックを付ければクレーンとしてそのまま使用できた[1]ため、日本でも過去の労働安全衛生法および関連省令規則では、「(油圧を含め)動力ショベルで貨物を吊上げ運搬する行為に関する規定」が設けられてなく、クレーン設置が困難な狭隘な作業場所において地中埋設物の引き抜きや土留め支保工材を扱う場合に限り油圧ショベルを吊上げ作業に用いてもよいと指導されていたが、油圧ショベルにはウィンチがないためバケット等のアタッチメントに直接ワイヤーを掛け付けた吊り上げ作業を行った結果、ワイヤーが切断したり外れて吊り上げた貨物が落下して死亡事故が多発した為、現在は関連省令規則が改定されて、省令規則の規定に合致する構造と安全装置を具備した「クレーン機能付油圧ショベル」でしか吊り上げ作業を認められていない。吊り上げられる重量は油圧ショベルの大きさで異なる[2]。
英語では「hydraulic excavator ハイドローリックエキスカベーター、油圧式発掘機」がかしこまった呼び方で、少しくだけた呼び方では単に「excavator エキスカベーター、発掘機」と呼び、現場の人は日常的にはしばしば短く「digger ディガー、掘るヤツ」と呼ぶ。 日本では油圧ショベルには、製造メーカーにより油圧式ショベル、ユンボ、バックホー、パワーショベル、ドラグショベル等の商品名がつけられている。
日本で広く使われている同義語・類義語には次のようなものがある。
分類法はいくつかある。基本的に、ざっくりと「バックホー(ドラグショベル)」「ローディングショベル」「解体機」に分類することができる[注釈 1]。 また、質量(重さ)で分類する方法もあり、作業装置を除く機体質量が3トン未満のものをミニショベル、機体質量が1トン未満のものはマイクロショベルと分類する方法もある。
クローラを含む下部フレームに対し操縦席を含む上部フレームが旋回する。旋回は油圧モーターで駆動し下部フレームの油圧機器には上部フレーム旋回中心部のスイベルジョイントにより油圧を伝える[8]。林業あるいは野戦(工兵)など不整地使用を想定したものでは、走行装置と車体の間に旋回軸に加えて前後や左右に傾斜する可動軸を有するものもあり、走行装置が斜めに乗り上げた状態でも車体の水平をとることができる(陸上自衛隊の油圧ショベル、掩体掘削機など)。
近年では街中の騒音を配慮し、騒音および振動に対する防止策などが講じられている。日本においては、国土交通省が低騒音型建設機械、超低騒音型建設機械の指定制度がある。
ほとんどの機械がディーゼルエンジンを動力源としている。エンジンから得た動力を油圧ポンプで油圧力に変換し、油圧力を用いて走行・旋回およびブーム、アーム、バケット(アタッチメント)の操作を行う。
鉱山などで使われる機体質量100トン以上の大型機の中には、ディーゼルエンジンに直結した発電機で発電し、発電機から得る電力で油圧ポンプやギヤードモーターを駆動させて本体を動かす、ディーゼルエレクトリック駆動の油圧ショベルもある。
電気モーターを搭載し、外部電力を取り込んで油圧ポンプを駆動するタイプの油圧ショベル(通称:電機ショベル)もあり排気ガスを全く出さない。坑道や地下工事で多用されている。
エンジンにモーターとバッテリーまたはキャパシタを組み合わせた、ハイブリッド機の開発も盛んである。旋回を止める電力回生ブレーキの電力をキャパシタに蓄える事により、燃費を2割程度向上するという[8]。
多くはクローラ式で本体の油圧ポンプで走行装置の油圧モーターを動かし、金属製もしくはゴム製のクローラによって走行するが、自動車のようなゴムタイヤを装備したホイール式もある。通常はラフタークレーンのようにショベル作業運転と路上走行運転を一つの運転席上で行うが、極少数ながらトラッククレーンのように通常のトラックシャーシー上に旋回台(ターレット)を設け、油圧ショベルの旋回台から上を架装した特装車も存在する。日本の建設土木現場では大半がクローラ式である。道路工事ではゴムベルト式クローラが多用されている。海外では日本よりもホイール式の機種が多い。なお、俗に言われるキャタピラーとは、後述する米国キャタピラー社の社名から来たものであり。本来は履帯もしくはクローラーと呼ばれる。走行装置の油圧モーターメーカーは、ナブテスコ、KYB、不二越などがあり、油圧モーターと減速機を組み合わせたユニットでクローラーを回転させる。油圧モーターは左右で2個使用され、それぞれが独立して制御でき、前後進だけでなく左前進、右は後進することによりその場で超信地旋回(スピンターン)を行うこともできる。
一般的にゴムタイヤ式はクローラ式より不整地での走行性や作業中の安定性に劣るが、アウトリガーや昇降排土板を備えた機種ではクローラ式よりも高い安定性と掘削力を有する機種もある。(ただし、油圧ショベルは現場に到着すると作業中は移動しないのが普通[9]である。)。
また日本では大型特殊自動車として登録可能な機種が多く製造発売されており、登録すれば公道を自走して作業現場へ移動できるという利点がある。クローラ式のものは走行速度が極めて低い上に、路面を損傷する可能性が大きいので自動車登録は不可能であり、セルフローダーやトレーラー等の貨物自動車に積載して現場へ運ばなくてはならない。
露天掘炭鉱で使用される超大型のドラグラインにはクローラの代わりに足のような機構を使って移動する「ウォーキングドラグライン」もある[10]。
油圧を利用できるため、各作業に特化した機構を備えたアタッチメントが登場している。
バケットの種類としては幅が狭い溝掘り用や広い軽作業用の他に以下の種類がある。
アタッチメント専用の油圧配管、ホースを装備し油圧を確保した機種でないと操作する事ができない。打撃系アタッチメント(ブレーカー)の操作には車両系建設機械運転者資格の 解体が必要。
地域によって解体に用いられるアタッチメントが異なり、東北以北だと作りが頑丈であるため、ピラニアバケットが多く用いられるが、東北以南だと木造住宅でかつ瓦屋根が多いため、フォークグラブかグラップルもしくはワニラーが用いられる事が多い。
フォークグラブ
主に住宅の解体、廃棄物の積み込み、分別に使われる。
林業では伐採から積み込みまでに様々な作業が必要なため作業員の負担が大きく、省力化のために複数の作業を1台で担える高性能林業機械が提唱された[11]。高性能林業機械は林業用に最適化された車体もあるが、油圧ショベル用のアタッチメントとして販売されており、土木作業用に導入した油圧ショベルを転用することで高価な専用機を導入できない小規模な業者でも低コストで機械化が可能となった。
油圧ショベルは出力の制御も主に油圧を用いて行っており、以下のような制御の方式が用いられている。 油圧ショベルの制御は基本的に油圧ポンプの吐出圧を一定の圧力に固定し、各アクチュエーターに必要な流量を供給するようにポンプの流量を制御する。 過去には運転台に備わる各レバーで直接バルブを動かすメカニカル制御だったが、現在では電磁弁に置き換わりレバーは単なる電気スイッチになっており、解体機や積込作業機で運転台の架装位置を変更したり可動式にすることも容易になっている。操作系のレイアウトも変更可能だが、多くのメーカーは従来機の操作に慣れたユーザーに配慮し、以前の操作系を踏襲しているため操作は各社方式が並立したままとなっている。
それぞれの制御方法のオープンセンタ、クローズドセンタとは油圧回路を制御する弁の集合体であるコントロールバルブの構造に由来している。
オープンセンタ方式では、センターバイパスと呼ばれる回路が無負荷状態では解放され油圧がタンクに流れ込むのに対し、クローズドセンタ方式では無負荷状態ではセンターバイパスは閉じており油圧はタンクに帰らない。
オープンセンタ方式ではアクチュエーターに油圧が送られるとセンターバイパスの流量が減るため、センターバイパスの圧力が下がる。無負荷状態では逆にセンターバイパスの圧力が上がる。
このため、オープンセンタ方式ではセンターバイパスの圧力を取り出し、ポンプの流量を制御する。具体的にはネガティブコントロール制御では、センターバイパスの圧力が下がれば、負荷がかかっていると判断してポンプ流量を増やし、センターバイパスの圧力が上がると流量を減らす制御を行う。
主に運転者の足元から出ている2本のレバーと、両手の近くに配された2本のジョイスティックレバーを用いて操作する。これらのレバーを大きく傾ければ機械は速く動き、小さく傾ければゆっくり動く。
足元から出ている2本のレバーでクローラを操作する。多くの場合このレバーに直結されたペダルもあり、このペダルでも同様の操作が可能である。
運転者の両手近くにある2本のジョイスティックレバーを縦横に操作して、左右旋回、ブーム上げ下げ、アーム曲げ伸ばし、バケット掘削開放の4つの操作を行う。機種によってはバケット以外の作業装置を装備しているので、それらを操作するためのレバーやペダルが追加されている。アタッチメントの操作は床に設置したペダルを使用するものと、作業機の操作レバーにボタンを追加するものがある。
スロットル(アクセル)の操作はレバー式、ダイヤル式、速い・普通・遅い・アイドリングのボタン式など、メーカー・機種によってまちまちである。スロットルが全開でもレバーを少ししか倒さなければ作業装置はゆっくり動くので、自動車と違ってスロットルを頻繁に操作することはしない。レバーを一杯に倒してもまだ動きが遅いと感じたときに開き、騒音や燃料消費を抑えたいときに閉じる程度である。
クローラの操作は統一されている。片手でも両手でも操作できるよう、運転席の前方中心部に前後方向に操作できるレバーが2本隣合わせに配置される。
運転席を備えた上部旋回体は360度旋回可能なため、上部旋回体の向きによってレバーの操作が逆になるので注意が必要である。(「前進」は下部フレームに取り付けられている走行モーターが後方に位置している状態)
左クローラ前進 右クローラ前進 ↑ ↑ ○ ○ ↓ ↓ 左クローラ後退 右クローラ後退
2本のレバーの縦横の動きそれぞれにどの操作を割り当てるかは、かつてはメーカーごとにまちまちであったが、現在ではメーカーが「パターンチェンジャ」と呼ばれる機構を追加し後から変更できるようになっている[16]ほか、操作パターンを変更できない旧式に後付けし好みのパターン変更できる装置も登場している[17]。
日本ではメーカー出荷時の操作方法はJISに定められた「標準操作方式」に統一されているが、レンタル業者では顧客の好みに合わせて貸し出すため[18]、作業現場では他の方式に変更されていることも多いが、現在では「標準操作方式(横旋回)」と「コマツレバー方式(縦旋回)」にほぼ集約されている。特に1993年4月から、国交省が所管の工事では、標準操作方法から変更する際に工具が必要な機種が指定されている[18]。
アメリカではSAE Internationalが制定した「SAEパターン」が一般的であるため、日本のメーカでもアメリカ向けの機種ではパターンチェンジャで対応させている。
一般的に「JIS方式」や「JISパターン」と呼ばれることが多いが、「ISOパターン」や「コマツ・日立パターン」が普及している地域では「横旋回」とも呼ばれる。バケットを横へ動かすときは横に、縦に動かすときは縦に左レバーを操作するという直感的で分かりやすい操作方法である。
アーム伸ばし ブーム下げ ↑ ↑ 左旋回←○→右旋回 バケット掘削←○→バケット開放 ↓ ↓ アーム曲げ ブーム上げ
「縦旋回」とも呼ばれ、日本ではコマツと日立のシェアが高いためJIS方式と人気を二分している。JIS方式と比べて、右レバーは同じだが、左レバーの上下と左右が逆転している。レバーの動きと機構の動きが一致しないため、分かりやすさではJIS方式に劣るが、小刻みに操作することの多いアームを操作しやすい横のレバー操作で操るので慣れた後の作業性は高い。例えばバケットに付いた土砂を振るい落とす動きを例に取ると、コマツ・日立・住友パターンでは、左右のレバーを内側に寄せたり外側に倒したりを繰り返せばよいが、JIS方式では左右非対称の操作になってしまい操作しにくい。
右旋回 ブーム下げ ↑ ↑ アーム伸ばし←○→アーム曲げ バケット掘削←○→バケット開放 ↓ ↓ 左旋回 ブーム上げ
他の方式と違って右レバーで旋回するので特に注意が必要である。また、アーム操作の上下およびバケット操作の左右(掘削・開放)も逆である。
ブーム下げ アーム曲げ ↑ ↑ バケット開放←○→バケット掘削 左旋回←○→右旋回 ↓ ↓ ブーム上げ アーム伸ばし
三菱と同じく右レバーで旋回するので特に注意が必要である。また、バケット操作の左右(掘削・開放)も逆である。
ブーム下げ アーム伸ばし ↑ ↑ バケット開放←○→バケット掘削 左旋回←○→右旋回 ↓ ↓ ブーム上げ アーム曲げ
JIS方式と旋回・バケットのレバー操作が逆である。現在では見かけることは稀である。
アーム伸ばし ブーム下げ ↑ ↑ バケット開放←○→バケット掘削 左旋回←○→右旋回 ↓ ↓ アーム曲げ ブーム上げ
JIS方式に近いが、左レバーの上下が逆転している。現在では見かけることは稀である。
アーム曲げ ブーム下げ ↑ ↑ 左旋回←○→右旋回 バケット掘削←○→バケット開放 ↓ ↓ アーム伸ばし ブーム上げ
JIS方式とはアーム操作の上下と曲げ伸ばしが左右逆になっている。
ブーム下げ アーム伸ばし ↑ ↑ 左旋回←○→右旋回 バケット掘削←○→バケット開放 ↓ ↓ ブーム上げ アーム曲げ
日本では、労働行為として油圧ショベルの作業運転を行う者は、建設機械施工技術検定の1級第一種か2級第一種の合格証所持者であるか、労働安全衛生法に基づく車両系建設機械(整地・運搬・積込・掘削用)、ブレーカを装着する際は車両系建設機械(解体用)運転資格者である必要がある(機体重量3t以上は「車両系建設機械運転技術技能講習」を修了して修了証を交付された者、3t未満では「車両系建設機械特別教育」を受講済の者)、フェラーバンチャ、ハーベスタ、プロセッサは伐木等機械特別教育受講済、スイングヤーダは簡易架線集材装置等特別教育受講済の資格が必要である(重量制限なし)
また、大型特殊自動車登録された機体を公道で運転する場合は大型特殊自動車運転免許を交付された者に限られる。
尚、クレーン機能付油圧ショベルで吊り荷の玉掛け作業を行うには玉掛け技能講習を修了して修了証を交付された者、クレーン作業運転を行うには移動式クレーン運転士免許を交付された者または、定格吊上荷重5トン未満の機種ならば小型移動式クレーン運転技能講習を修了して修了証を交付された者である必要がある。
コマツが陸上自衛隊向けに開発した掩体掘削機は掩体壕や塹壕などの掘削作業を想定し、自社製品をベースにアームの360度回転や車体を左右に傾斜させる機能を追加している。
一般的な油圧ショベルは作業装置が一本であるが、日立建機は現場作業の多様化に合わせ双腕式の油圧ショベル「ASTACO(アスタコ)[注釈 3]」を開発した。二本の作業装置を利用して、対象物を掴んだまま切断したり、長い物などを折り曲げるなど、一本の作業装置では出来なかった作業に対応している。操作は直感性を重視した2本のジョイスティックを使用する独自方式を採用し、右レバーで右腕、左レバーで左腕を操作する[19]。JIS方式や日立パターンなどは全く違うことや、出力の制限から作業に制約があるため、従来方式に慣れたベテランからは評価されなかった[20]。しかし精密作業が可能な双腕式は災害救助にも効果を発揮するため、東京消防庁のハイパーレスキューが災害救助用として導入した[21]。
日立建機では現場の意見を取り入れ自社の「ZAXIS135US」に副腕を追加した「ASTACO NEO」も開発している[20]。副腕は主たる作業装置の補助として使うもので、二本とも同じブームとアームの作業装置を備えた「ASTACO」とは構造が違い「シオマネキ型」[20]となったが操縦方式は同じである。
2018年には傾斜地や不整地でも安定させるため4つの独立したクローラ、各部の軽量化、走行操作レバーの集約などの改良を行ったコンセプトモデルを公開した[22]。
開発者の一人である石井啓範は実物大ガンダムを動かすプロジェクトにも参加している[23]。
運転者の資格区分は不明。
油圧ショベルを目視で無線操縦する試みは各メーカーにより行われていたが、国土交通省が推進する情報化施工の一環として[24]、GPSによる位置情報と車体に取り付けたセンサから得た情報と、工程表や施工図のデータを統合し、作業地点まで自動走行したり作業ガイドや警告を端末に表示するシステムが提唱され、各社からシステムが販売されている[25]。
国土交通省は大規模災害への対策として遠隔操縦式の建設機械を普及させるため、河川事務所や地方整備局を通し業者向けの施工見学会[26]や、分解空輸に対応した油圧ショベルを使った訓練を実施している[27]。
ヤンマーは仮想現実技術と電気駆動を組み合わせ、遠隔操作を前提とした屋内・災害現場用のコンセプト機を発表している[28][29]。
無線を使用する場合には使用者の負担を減らすため免許を要しない無線局が利用される。
メーカーは納品先から指定が無い限り車体色を統一しており、日立建機はオレンジ(正確にはタキシーイエロー)、コマツとCAT、住友、KATO、は黄色(正確にはナチュラルイエロー)、コベルコはブルーグリーン、クボタはブルーグリーンと黄色(海外向けはオレンジ)である。
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