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日本の小説、メディアミックス作品 ウィキペディアから
『次郎物語』(じろうものがたり)は、下村湖人による日本の長編教養小説である。全五部、未完。
1936年(昭和11年)大日本連合青年団の機関誌『青年』誌上で第一部にあたる『次郎物語』が連載され、1941年に出版される。のち小山書店発行の雑誌「新風土」誌上で1942年(昭和17年)年の第二部『続次郎物語』から1949年(昭和24年)3月の第四部まで連載され、第五部は大法輪閣発行の仏教総合誌「大法輪」誌上で1953年(昭和28年)3月から1954年(昭和29年)まで連載された。
幼少期に里子に出された主人公・本田次郎の成長を、青年期にかけて描く。湖人自身の里子体験が反映されるなど、自伝的色彩が濃い。児童文学として読まれることも多い。
内容的には、家族や学校といった生活行動範囲の広がりに沿って主人公の人格的成長を描く第三部までと、五・一五事件、二・二六事件に集約される軍国主義的な時代背景や、主人公の精神的恋愛を作品の重要な要素として、社会性の広がりに沿って展開する第四部以降に大別できると考えられる。
第一、二、五部には「あとがき」が、第四部には「附記」がある。第二部のあとがきによれば、第一部は「教育と母性愛」、第二部は「自己開拓者としての少年次郎」がテーマであると述べられている。また、第五部のあとがきには「戦争末期の次郎を第六部、終戦後数年たってからの次郎を第七部として描いてみたいと思っている」とあるものの、下村が1955年に死去したため未完に終わった。
士族・本田家の次男として生まれた次郎は、幼少時から尋常小学校の校番の妻であるお浜の元に里子に出されていた。「孟母三遷の教え」を真似た母親・お民の教育的配慮からである。そして次郎は母よりもお浜に懐き、実家を敬遠するようになる。
いやいやながら戻された次郎にとって、格式ばった実家は居心地の悪い場所であった。祖母・おことは次郎を露骨に差別待遇し、兄の恭一や弟ばかり可愛がる。次郎の側でも当てつけに喧嘩やいたずらを繰り返し、お民から説教を浴びせられるのだった。それでも、父親の俊亮、祖父の恭亮、さらにお民の実家である正木家の人々に見守られながら成長していく。
おことの差別待遇は改まらず、次郎は正木家に引き取られる。やがて恭亮が死に、お民は結核に侵され、俊亮も連帯保証人になった相手が破産したため次郎はお民の介護をする事となる。献身的な介護を続けるうち親子のわだかまりは解け、次郎とお民は肉親としての思慕を募らせる。
やがてお民は危篤状態に陥る。ついに迎えた臨終の際、兄弟三人揃って死に水をとり、臨終の宣告の後お浜に肩を抱かれ号泣して親族の涙を誘った(映画版では一生懸命に母の看病をする次郎に本来なら年齢制限がある夏祭りの踊り子をやらせてもらい、衣装を病床の母に作ってもらうが日に日に衰弱していき、夏祭り当日踊り子衣装を身に付けた次郎を見送った後、お浜に看取られながら亡くなってしまう。次郎は母の葬儀で泣く事はしなかった)。
次郎を中心とした人物。
次郎の生家。格式高い士族の家柄だが、俊亮の代になって衰退する。
次郎の母・お民の実家。おことに辛く当たられている次郎の避難先となる。
次郎の乳母を務めたお浜は学校の女中として間借りしていたが、のちに学校の建て替えを機に引っ越して、次郎と別れる。
生活百科刊行会
1941年12月11日公開。製作は日活。
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1955年10月25日公開。製作は新東宝。
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1960年3月4日公開の「次郎物語」と同年5月13日公開の「続次郎物語 若き日の怒り」の二部作。製作は松竹。第1作は第一部・第二部、第2作は第三部・第四部を映画化した。
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1987年7月4日公開。西友・学習研究社・キネマ東京製作、東宝配給。配給収入は12億3000万円[1]。
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1956年5月8日から8月28日まで、NTVの『山一名作劇場』にて放送[3]。
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1964年4月7日から1966年3月29日まで、NHKにて放送。
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