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日本の映画 ウィキペディアから
『悪の教典』(あくのきょうてん、英表記:Lesson of the Evil)は、貴志祐介による日本の小説作品。サイコキラーという裏の顔を持つ教師が引き起こす事件を描いたサイコ・ホラーである。第1回山田風太郎賞受賞作、第144回直木三十五賞候補作、第32回吉川英治文学新人賞候補作、2011年本屋大賞ノミネート作。
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悪の教典 Lesson of the Evil | ||
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著者 | 貴志祐介 | |
発行日 | 2010年7月30日 | |
発行元 | 文藝春秋 | |
ジャンル | サイコ・ホラー | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 上製本 | |
ページ数 |
上巻 440 下巻 416 | |
公式サイト | 文藝春秋特設サイト | |
コード |
上巻 ISBN 978-4-16-329380-6 下巻 ISBN 978-4-16-329520-6 | |
ウィキポータル 文学 | ||
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『別册文藝春秋』にて2008年7月号〈276号〉から2010年7月号〈288号〉にかけて連載され、2010年7月30日に文藝春秋より刊行された。その後、2011年11月5日に文藝春秋ノベルスよりノベルス版が、2012年8月10日に文春文庫より文庫本が出版され、単行本未収録で書下ろしの掌編『秘密』・『アクノキョウテン』が追加収録された。2012年にはこれを原作として、漫画化・映画化された。
不良生徒、モンスターペアレント、学校裏サイト、集団カンニング、淫行教師など、数々の問題を抱える私立晨光学院町田高校(実写版では晨光学院高校)。2年4組の担任を勤める英語教師の蓮実聖司は、生徒や保護者に好かれる人気者だが、その正体は他者への共感能力を一切持たない、生まれながらのサイコキラーだった。自分に疑いをかけてきた一部の生徒や教師をはじめ、邪魔だと感じた者を秘密裏に殺害したり学校から追放したりして、着実に学校全体を支配しつつあった。
しかし、2年4組の生徒たちが文化祭準備のために学校に泊り込んだ夜、些細なミスと疑惑が連鎖した結果、蓮実の起こした殺人が隠蔽不可能な状況になってしまう。彼の選んだ最後の手段は、校内にいる生徒全員の口を塞ぐために、同僚教師の仕業に見せかけて散弾銃で皆殺しにすることだった。こうして一夜の血塗れの大惨劇が始まった。
「演」は映画版およびスピンオフドラマ(序章)で演じた俳優を示す。なお、原作と実写作品では人物描写が異なる場合がある。
蓮実聖司が担任をする文科系のクラスで男子二十名、女子二十名の計四十名が在籍。特に問題児が集中しているクラスとして教職員からも危惧されている。実はクラス分けの編成会議で、蓮実が容姿の優れた女子生徒(片桐怜花、安原美彌、小野寺楓子、去来川舞、牛尾まどか、柏原亜里)欲しさに問題児(蓼沼将大を始めとした不良グループやその被害者たち)を引き取ったという歪なクラス。事件で怜花、雄一郎、美彌以外の全生徒が死亡。この一件で本校は閉校されることとなった。
本項では各メンバーを分割して記述する。(序)は『-序章-』にも出演。●は猟銃で殺害された学生、○は猟銃以外の物で殺害された学生。
『good!アフタヌーン』(講談社)にて、2012年3月7日発売の21号に序章・第0話が掲載され、同年5月7日発売の22号から2015年7月号(6月5日発売)まで連載。作画担当は烏山英司。内容は原作をほぼ忠実に再現している。
2012年11月10日、東宝系で公開のバイオレンス・ホラー映画。監督は三池崇史、主演は伊藤英明[3]。R15+指定。
TOHOシネマズ日劇他全国309スクリーンで公開され、2012年11月10、11日の初日2日間で興収2億9,894万5,000円、動員21万5,059人になり、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第2位となった[4]。ラストに『TO BE CONTINUED』(続く)と出るのは、監督の三池崇史が原作やパンフレットでも続編を作りたいと語っているためであり、原作者の貴志祐介もパンフレットにて続きを書きたいと語っている。
本作と『その夜の侍』『のぼうの城』の3作品での演技により、山田孝之は第34回ヨコハマ映画祭助演男優賞を受賞している[5]。
蓮実聖司は生まれながらに他者への共感能力を持たないサイコキラーである。14才の時、目障りな教師を殺した蓮実は、それに気づいた両親も強盗に見せかけて刺殺した。
長じた蓮実は高校の英語教師となり、今は2年4組を担任している。集団カンニングを阻止したり、万引きを知った教師に身体を要求された美少女の美彌を救い、慕われる蓮実。しかし、その裏では厄介なクレーマーの父親を火事で焼死させ、男子生徒を誘惑した裕福な美術教師をゆすって、美彌を抱く豪華なマンションを提供させていた。
物理教師でネクラな釣井は蓮実が高学歴なのに安月給の高校教師になった経緯や、自殺者が続いた高校から転任して来た事実を調べ上げた。4組の生徒で頭脳明晰な早水圭介に、その秘密を漏らす釣井。圭介は、蓮実が校内に盗聴器を仕掛けている事に気づいたが、釣井と圭介は蓮実に殺された。
蓮実はアメリカに留学して一流企業にも勤め、その間に同類のサイコキラーと交際して殺しや銃の扱いを覚えた。圭介を殺す前に、釣井から聞いた自分の過去を他の生徒に話したか確認したが、はっきりしない。男女の仲の美彌も疑いを持ち始めたことに気づき、クラス全員の抹殺を決める蓮実。
文化祭の前日に制作の遅れで学校に泊まり込む2年4組。犯人役として自殺させる為に美術教師を呼び出し、生徒たちを猟銃で撃ち殺して行く蓮実。全員を射殺し、自分も殴られた傷を付けて倒れたが、怜花を救いたい雄一郎が自分たちの制服を死体に着せて身代わりとすることで生き延びていた。屋上から突き落とした美彌にも息があり、蓮実の凶行は露見した。
主な配役は登場人物の節を参照。登場人物の節に記述されていない配役については以下の通り。
2013年5月24日発売。発売元は電通、販売元は東宝。
『悪の教典-序章-』は先述の映画公開に先駆け、2012年10月15日よりBeeTVとdマーケット VIDEOストアにて配信された全4話からなるスピンオフドラマ。
10月19日にはDVDがリリースされた。三池崇史が監修、野本史生が監督を務めた。この作品では映画版の約3ヶ月前を描き、小説に収録されているストーリーを基に構成したオリジナルストーリーである。映画公開と配信が重なっていた時期には「特別授業」と題し、DVD未収録のプロモーション映像が公開されていた。
※括弧内とサブタイトルは配信時の表記であるため、DVDには表記されていない。
各話 | 配信日 | サブタイトル |
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#1 (第1話) |
2012年10月15日 | 理想の教師 |
#2 (第2話) |
2012年10月21日 | 予兆 |
#3 (第3話) |
2012年10月29日 | 疑惑 |
#4 (第4話) |
2012年11月5日 | 潜む悪 |
エンターテイメント集団WonderQ主催が映画公開を記念して2012年11月3日(土 / 祝)から同年11月25日(日)まで神奈川県川崎市川崎区に所在する複合商業施設ラ チッタデッラ内の特設(室内)会場で開催されていた。R15+作品を基にしていたため過激な表現もあったが、14歳以下でも保護者同伴(別料金)での参加を許可していた。
映画と世界観を同じくする空間に閉じ込められた仲間と協力し、様々なミッションや謎解きをクリアして、制限時間がくるまで生きのびることを目指す、体験型謎解き(サイコホラー)ゲームである。場所は晨光学院南高校という架空の学校で行われた学園祭をテーマとしている。
特設会場内にひとりのサイコ・キラーが潜んでいた。犯人に拉致された友人の救出を訴える学生。次の瞬間、暗闇と化した室内に頭蓋を砕く鈍い音が響き渡った。サイコ・キラーの計略をくぐり抜け、生きのびることができるだろうか。
映画の世界観の中で、ラ チッタデッラ内に仕掛けられた様々な罠や謎を解きながら不審者の足取りを追い、真相究明を目指す体験型謎解き(サイコホラー)ゲームである。また、ゲーム序盤は無料で参加可能だった。
「ラ チッタデッラ」の周囲では、モリタートを口笛で吹きながら歩き回る不審者の目撃情報が相次いでいた。不審者の足取りを追っているという学生に協力して、「ラ チッタデッラ」周囲の捜索を始める。現れては消える足跡。輪郭の定まらない影。街中に仕掛けられた危険な罠。不審者の足取りを追い、その目的を突き止めることができるだろうか。
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