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1984年のUPLのビデオゲーム ウィキペディアから
『忍者くん 魔城の冒険』(にんじゃくん まじょうのぼうけん)は、UPLにより製作されたコンピュータゲームである。その続編である『忍者くん 阿修羅ノ章』と、その他の後継作品および関連パチスロ機についても、本稿で紹介する。
ジャンル | 縦スクロールアクション |
---|---|
対応機種 |
アーケード (AC) 対応機種一覧
|
開発元 | UPL |
販売元 | タイトー |
デザイナー |
西澤龍一 藤沢勉 |
プログラマー |
西澤龍一 藤沢勉 |
美術 | 西澤龍一 |
人数 | 1 - 2人(交互プレイ) |
メディア |
業務用基板 (104.00キロバイト) |
稼働時期 |
1984年10月 |
対象年齢 |
CERO:A(全年齢対象) |
デバイス |
2方向レバー 2ボタン |
CPU | Z80 (@ 3 MHz)×3 |
サウンド | AY-3-8910A (@ 3.000 MHz)×2 |
ディスプレイ |
ラスタースキャン 横モニター 256×192ピクセル 60.00Hz パレット768色 |
その他 | 型式:84003A |
『忍者くん 魔城の冒険』(にんじゃくん まじょうのぼうけん)は、1984年10月にUPLより稼働されたアーケード用縦スクロールアクションゲーム。日本ではタイトーが独占販売権を持った。
主人公の「忍者くん」を操作し、城に侵入した魔物を倒して奪われた宝物を取り戻す事を目的としている。ステージクリア型のアクションゲームであり、ジャンプして山や城を登っていく縦スクロールである事を特徴としている。またシステム上の特徴として、敵キャラクターに思考ルーチン(AI)を搭載し、プレイヤーとの位置関係を把握しながら行動していることが挙げられる[1]。
UPLが開発を行い、ゲーム・デザインおよびプログラムは後に『ワンダーボーイ』シリーズを手掛けた西澤龍一と『ぺんぎんくんWARS』(1985年)を手掛けた藤沢勉が担当している。なおパソコンへの移植については、当時のコーエーが実働部隊として参加しており、同社創業者の襟川陽一も自らプログラムを組んだ[2]。
インストレーションカードには『UPL第2弾』との記載があるが、これは社名変更後の第二弾という意味であり、旧社名であるユニバーサルプレイランド時代から通算すると6作目相当と考えられる。
赤い忍び装束を纏った1.5頭身の忍者「忍者くん」が、幾段にもなる足場を上下に行き来し、縦に4画面スクロールするステージを駆け巡って敵を倒していく内容で、各ステージにいる8体の敵キャラクターを全て倒すことでステージクリアとなる[1]。
少数派のジャンルである縦スクロールアクションゲームとなっており、敵の攻撃に当たる事で1ミス、残機が無くなることでゲームオーバーとなるシステムになっている[3]。操作は2方向レバーとジャンプ、攻撃の2つのボタンを使用し、レバーを左右どちらかに入れながらジャンプする事で上方向に向かって飛ぶ[3]。ボタンを長押しする事で上の段にジャンプする事ができ、短くボタンを押す事でショートジャンプをすることができる[3]。またレバーを入れずにジャンプボタンを押す事で下の段へと飛び降りる事ができる[3]。このジャンプの動作を如何に使いこなせるかによって難易度が大幅に変わる仕様となっている[3]。
攻撃ボタンを押す事で手裏剣での攻撃が可能であるが、手裏剣は単発でしか撃てないため、敵の正面から撃ち合いをするとミスとなるリスクが高くなる[3]。そのため、ジャンプで敵に体当たりして気絶させてから攻撃する事が重要となる[3]。
ステージに付き1つだけ落下してくる玉を3つ回収する事でボーナスステージに進む事ができる[4]。敵キャラクターは黒子(KUROKO)、ダルマ(DARUMA)、般若(KABUKI)、カミナリ小僧(ONIKKO)、獅子舞(OSHISHI)、ガイコツ(GAIKOTSU)、トカゲ(TOKAGE)、武者(YOROI)の8種類となっており、この8種類が順番に登場する24ステージをクリアする事で8種類が混在したステージが始まる事となる[4]。その後にボスキャラクターの役割の敵を最後に残す事で、そのキャラクターが分身の術を使用するようになる[4]。分身の術を使った敵の本体は1体しかなく、体当たりできるのは本物だけである[5]。分身の術は高次面まで到達しなければ見られない現象のため、目撃したプレイヤーは全国でもごくわずかであるとされる[4]。
宝物を狙って魔物たちがお城に侵入したことをいち早く察知した忍者くんは、勇敢にも単身で魔城に乗り込んでいった。敵は全部で8種族。それぞれが異なる武器を持って忍者くんに襲いかかる。敵はなかなかの頭脳の持ち主で、忍者くんの攻撃を容易にかわしていく。忍者くんは敵の行動パターンをよみ、すばやく倒して、奪われた宝物を取り戻さなければならない。すべての敵を倒して、お城を守れ!![5]
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 忍者くん 魔城の冒険 | 1985年5月10日 |
ファミリーコンピュータ | トーセ | ジャレコ | 192キロビットロムカセット[6] | JF-03 | |
2 | 忍者くん 魔城の冒険 | 1985年 |
MSX/2 | 日本デクスタ | 日本デクスタ | ロムカセット | ND-01MR | メモリ16KB以上対応[5] |
3 | 忍者くん 魔城の冒険 | 1986年5月 |
FM-7/77 PC-8801mkIISR |
日本デクスタ | 日本デクスタ | 5.25インチ2Dフロッピーディスク 3.5インチ2Dフロッピーディスク カセットテープ |
- | FM-7/77シリーズのみ、3.5インチFD版あり[5] |
4 | 忍者くん 魔城の冒険EX | 2005年4月13日[7] |
ボーダフォンライブ! (Vアプリ) |
ビービーエムエフ | ビーエムエフ | ダウンロード (忍者くんワールド) |
- | |
5 | 忍者くん 魔城の冒険EX | 2006年7月24日[8] |
iアプリ | ビービーエムエフ | ビーエムエフ | ダウンロード (iゲーム大好き!) |
- | |
6 | 忍者くん 魔城の冒険 | 2008年12月9日[9][10][11] |
Wii | トーセ | ジャレコ | ダウンロード (バーチャルコンソール) |
- | ファミリーコンピュータ版の移植 |
7 | 忍者くん 魔城の冒険 Ninja-Kid Ninja-Kid |
2014年5月15日[12][13] 2015年5月26日[14] 2015年7月7日 |
PlayStation 4 (PlayStation Network) |
UPL | ハムスター | ダウンロード (アーケードアーカイブス) |
CUSA-00392 CUSA-00977 CUSA-02490 |
アーケード版の移植 |
8 | 忍者くん 魔城の冒険 |
2018年4月5日[15][16] |
Nintendo Switch (ニンテンドーeショップ) |
UPL | ハムスター | ダウンロード (アーケードアーカイブス) |
- | アーケード版の移植 |
アーケード版
パソコン版(MSX)
ジャンル | 縦横両スクロールアクション |
---|---|
対応機種 |
アーケード (AC) 対応機種一覧
|
開発元 | UPL |
発売元 |
UPL World Games |
デザイナー | 藤沢勉 |
プログラマー | きんじょうさとる |
音楽 | メカノアソシエイツ |
美術 |
藤沢勉 角田明美 |
シリーズ | 忍者くんシリーズ |
人数 | 1 - 2人(交互プレイ) |
メディア |
業務用基板 (584.00キロバイト) |
稼働時期 |
INT 1987年7月 |
対象年齢 |
CERO:A(全年齢対象) ESRB:E(6歳以上) |
コンテンツアイコン |
Mild Fantasy Violence |
デバイス |
8方向レバー 2ボタン |
CPU | Z80 (@ 6 MHz) |
サウンド |
Z80 (@ 5 MHz) YM2203 (@ 1.5 MHz) ディスクリート |
ディスプレイ |
ラスタースキャン 横モニター 256×192ピクセル 60.00Hz パレット768色 |
その他 | 型式:UPL-87003 |
『忍者くん 阿修羅ノ章』(にんじゃくん あしゅらのしょう)は、1987年7月に日本のUPLからリリースされたアーケード用縦横両スクロールアクションゲーム。日本国外版タイトルは、アーケード版が稼働した当時は『Rad Action』であったが、後に『Ninja Kid II』に改題された。
同社の『忍者くん 魔城の冒険』(1984年)の続編である。主人公の造形は前作と同一あるが、縦スクロールのみではなく多彩なアクションが可能となった事を特徴としている。しかし難易度は高くマニア向けのゲームとされている。開発はUPLが行い、ゲーム・デザインは前作に引き続き藤沢勉が担当している。
1988年5月27日にファミリーコンピュータ版が発売された。ファミリーコンピュータ版は2009年5月19日にWii用ソフトとしてバーチャルコンソールにて配信された他、アーケード版は2015年6月5日にPlayStation 4用ソフトとして、2018年10月18日にNintendo Switch用ソフトとしてアーケードアーカイブスにてそれぞれ配信されている。
前作で城から魔物を追い払って宝物を取り戻した忍者くんが、なまずの師匠の指示を受けて今度は魔物たちの本拠地に乗り込み、その親玉である阿修羅を倒すことを目的にしている。
本作は前作の2方向レバーから8方向レバーへと変更されたため操作性が複雑になった事や、フィールドが多彩になった事などを特徴としている[17]。また前作と大きく異なる点としては、特定ステージクリアごとに武器が追加され、レバー上入力で切り替えられる。ゲーム開始時にステージ選択が可能である点であり、花札をめくる事でステージを選択するシステムとなっている[3]。ステージによっては段差が一切存在しないステージや、様々な地形が存在するステージ、巨大なボスが出現するステージなどが存在する[3]。前作同様の縦スクロールの面も存在するが、初めから強敵が出現するなど前作の熟練者を想定した難易度となっている[3]。その他に主人公が通り抜けできない壁が存在し、壁登りのアクションが必要となる場面があり、かなりの慣れを要するため多くのプレイヤーがこの部分で挫折する事となった[3]。 なお、ゲーム中は合成音声でキャラクターが喋るが、やや不明瞭である。特にステージクリア時の音声が「やったーウキャキャ!」に聞こえることが、よくネタにされる(正しくは「やったー!クリア!」とされるが詳細は不明。トカゲと接触して気絶する際も同様のセリフを言うため、ウキャキャで正しいのかもしれない)。
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 忍者くん 阿修羅ノ章 | 1987年 |
MSX2 | オペラハウス | ハル研究所 | ロムカセット | - | |
2 | 忍者くん 阿修羅ノ章 | 1988年5月27日 |
ファミリーコンピュータ | マイクロニクス | UPL | 1メガビット+64キロRAMロムカセット[18] | UPL-NJ | |
3 | 忍者くん~阿修羅ノ章 | 2004年2月2日[19] |
ボーダフォンライブ! (Vアプリ) |
ケイブ | ケイブ | ダウンロード (ゲーセン横丁) |
- | アーケード版の移植 |
4 | 忍者くん 阿修羅の章EX | 2006年9月27日[20] |
ボーダフォンライブ! (Vアプリ) |
ビーエムエフ | ビーエムエフ | ダウンロード (ゲーモバ) |
- | |
5 | 忍者くん 阿修羅ノ章 | 2009年5月19日[21][22][23] |
Wii | マイクロニクス | ジャレコ | ダウンロード (バーチャルコンソール) |
- | ファミリーコンピュータ版の移植 |
6 | 忍者くん 阿修羅ノ章 Ninja Kid II |
2015年6月5日[24] 2015年10月27日[25] |
PlayStation 4 (PlayStation Network) |
UPL | ハムスター | ダウンロード (アーケードアーカイブス) |
CUSA-03374 |
アーケード版の移植 |
7 | 忍者くん 阿修羅ノ章 |
2018年10月18日[26][27][28] |
Nintendo Switch (ニンテンドーeショップ) |
UPL | ハムスター | ダウンロード (アーケードアーカイブス) |
- | アーケード版の移植 |
評価 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
ゲーム本『甦る 20世紀アーケードゲーム大全 Vol.2 アクションゲーム・シューティングゲーム熟成期編』では、本作が前作と比較して難易度が高くなったことから「マニア向けなゲームになったと言えるだろう」と指摘し、さらに難易度の高さゆえ一般的な認知度が低い事を指摘した[17]。しかし本作の熟練者からは名作扱いされ評価が高い事を指摘し、「もう一度本作に光が当たる日がくればと思わずにいられない」と肯定的に評価した[17]。
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計24点(満40点)[29]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り20.09点(満30点)となっている[18]。また、同雑誌1991年5月10日号特別付録の「ファミコンロムカセット オールカタログ」では、「忍者くんの動きはとってもかわいく、敵キャラも愉快なヤツがいっぱい出てくる」とキャラクター造形に関して肯定的に評価した[18]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 3.84 | 3.41 | 3.15 | 3.37 | 3.18 | 3.14 | 20.09 |
忍者くん三作目。1991年3月8日にUPLからゲームボーイ用ソフトとして発売。見下ろし型のアクションRPGとなっている。
2004年にエイペックス(現:トリビー)から発売されたパチスロ機。「懐かしいファミコンのゲームキャラが復活」との触れ込みで、『初代』・『じゃじゃ丸』・『阿修羅ノ章』に似たチャンス演出、『阿修羅ノ章』に曲調の似たBGM(ビッグボーナス中)など、当時のゲームをプレイした人間にとっては懐かしく思える雰囲気を持っている。ただし、携帯電話向けの「阿修羅ノ章」などのアプリケーションでは(C)UPLの記載がある[30]のに対し、本作には同様の著作権表記が存在しない。UPLがすでに倒産していることから、版権の許諾状況が不明である。
なお、「忍者くん妖怪絵巻」「忍者くん魔城伝」はトリビーが、「忍者くん」が付かない「魔城の冒険」「阿修羅の章」は個人が商標を取得していたがすべて期限切れとなっている。2019年5月現在、UPL作品の権利を所有しているハムスターが「忍者くん」の商標権を取得している(登録6144561)。
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