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日本の海軍軍人 (1900-1948) ウィキペディアから
堀内 豊秋(ほりうち とよあき、1900年〈明治33年〉9月27日 - 1948年〈昭和23年〉9月25日)は、日本の海軍軍人、体操研究者。最終階級は海軍大佐。熊本県熊本市出身。海兵50期。
御馬下尋常小、濟々黌を経て、海軍兵学校第50期入校。席次は入校時298名中283番、卒業時272名中156番。堀内は第13期飛行学生(艦上機班)となったが飛行作業中に車輪止め位置を直そうと駆け寄りプロペラ接触、2日間意識不明の重症を負い2ヶ月間程治療後、飛行場に出るも教官から次期飛行学生に編入されると告げられ憤然とし「次期編入であれば飛行学生を辞めます」と立ち去ったという[1][2]。このため砲術専攻へ転科し、のち駆逐艦や巡洋艦の砲術長を歴任した。
岡山市内で訪日デンマーク人達の体操術を見学したことで、デンマーク体操に開眼。自身の体験でも効果が現れたことから、デンマーク体操を取り入れた体操を研究し、堀内式海軍体操を考案。1944年(昭和19年)には体育研究指導の功績により海軍大臣表彰を受けた[3]。
太平洋戦争開戦直前に横須賀鎮守府附第1特別陸戦隊司令に就任。日本初の落下傘部隊として、1942年(昭和17年)の1月11日にはオランダの統治下にあったインドネシアのメナドへの奇襲降下作戦を指揮し成功を収めた。これが日本初の落下傘降下作戦である。
この際、鎖で足を繋がれて逃げられない状態で闘ったインドネシア人兵士がメナドの6基のトーチカを守っていたが、それを命じたオランダ陸軍歩兵大佐F・W・M・ティウオン(F・W・M・Tiwom)は、この日本軍の落下傘降下作戦の際に逃げた先のメナドの飛行場で命乞いをして捕虜となっている。
当時オランダの支配は過酷で、水田を潰し輸出用のタバコをインドネシア人に作らせていた。また水田を潰したことにより大量の餓死者をインドネシア人は出していた。その事と、メナドには地元住民の間に、「国家国民が危機に陥らんとした時に北方の空より翼が生えた白馬に跨った獅子達が救援に舞い降りてくる」とのジョヨボヨ伝承が相まって、堀内達の落下傘部隊は絶賛して迎え受けられる結果となった。
この伝説と落下傘部隊の行動は、後に海軍省製作の国策アニメ、『桃太郎 海の神兵』でも描かれた。
このあと堀内は3ヶ月間ここにとどまり、現地人兵士を故郷に帰し、オランダが課した塩税を廃止し、逆に塩の作り方も教えた。また家ごとに救急箱も配った。堀内とその部隊がバリ島に移動するとき、落下傘降下地区のカラビアンとラングアン地区の住民数百人が、別れを惜しみ60キロの道を歩いて、メナドまで堀内の部隊を見送りに行った。
戦後、堀内の部下がオランダ当局からBC級戦犯として裁判にかけられることになったが、堀内は元部下の潔白を証明すべく行動した際に、オランダ当局から巣鴨刑務所に勾留されてしまう。そして、堀内は翌1948年(昭和23年)1月にオランダ人虐待と村民に毒を盛って30人を殺害した罪で起訴され、メナドに送致された。
堀内の部下の裁判も、堀内が起訴された裁判も、日本軍に降伏して捕虜となった元オランダ軍のティウオン大佐によるものであった。彼は戦後、捕虜収容所から出るとセレベス島BC級戦犯を裁く裁判長を買って出、ティウオンの部下を検事役にし堀内の部下であった旧日本軍兵士12人に死刑を宣告した。堀内はその罪の潔白を証明する証言者であったが、堀内自身も勾留され、1年後に前述の罪で起訴され裁判にかけられた。
ティウオンが裁判長となった堀内の裁判は、戦中に堀内の部隊が村民に配布した薬箱が毒薬配布に仕立てられた事がのちに分かるが、それ以外の証拠がないままオランダ人9人の一方的な証言だけで死刑が求刑された。その際、堀内の弁護人の井出諦一郎が証拠の無い一方的な証言だけの裁判に対してその意義を問うと、裁判長のティウオンの職権で、判決を前に井出はメナドから強制退去させられた。また地元住民からも堀内の身の潔白を訴える嘆願書が出されていた。
同年5月、ティウオンは堀内に死刑判決を下し、同年9月25日、堀内はメナドにて銃殺刑に処された。戦犯裁判に関してはその潔さに心打たれたオランダ当局は堀内を海軍大佐としてオランダ軍の儀仗隊付での葬列を遇したとの逸話もある[4]。
処刑から5年後の1953年(昭和28年)4月29日、戦争犯罪人指定解除を受ける。墓所は熊本県熊本市浄行寺。靖国神社に祀られている。
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