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提案中の暦 ウィキペディアから
世界暦(せかいれき、World calendar または Worldsday Calendar)は、太陽暦に属する暦法のひとつ。グレゴリオ暦の時代性を是正する改暦案のひとつとして考案された。
世界暦の原型は、1834年(1837年説もある)にイタリアの修道士マルコ・マストロフィニによって考案された「固定暦」である。彼はグレゴリオ暦の曜日が年ごとに変わるのを不便に思い、1月1日を日曜日に固定して、12月31日から曜日を取り除いて余日(よじつ、付加される日のこと)とし、さらに閏年には閏日を2月29日にするのではなく、月と曜日を取り除いた閏日を余日の翌日に付加する暦法を提案した。これによって、毎年の同じ日付が常に同じ曜日になる。また、曜日のある日は364日となって、7で割り切れる(364=52×7)ので、年間の各曜日の日数が等しく52日ずつになる。
この「曜日を取り除いた日」(無曜日)を設ける提案(除日案=じょにちあん)は多くの改暦案の参考となり、1884年にフランス天文学会が改暦案を懸賞募集し、また19世紀末から20世紀初頭にかけてさまざまな国際機関で改暦が議論されたときも、複数の除日案の暦法が議論の対象になった。
364日は4で割り切れ(364=91×4)、その商である91日も7で割り切れる(91=13×7)ので、各四半期を一定の日数(91日)にし、かつ四半期の初日の曜日をすべて同じにすることができる。91日をどのように分割するか、あるいは無曜日となる余日・閏日を1年のうちのどこに入れるかは暦法ごとによってまちまちだった。1903年にドイツのフォン・ジハルト(Von Sichard)が提案したものは各四半期91日を31日・30日・30日に分割し、1月1日を日曜日とし、余日(12月31日)と閏日(6月31日)を無曜日とするものであり、世界暦とほぼ同じ暦法である。
1930年10月21日にエリザベス・アケリスが世界暦協会 (The World Calendar Association) を設立し、彼女によってこの暦法が「世界暦」と名づけられた[1]。世界暦協会は1月1日が日曜日となる1961年から世界暦に改暦するよう、カトリック教会を統括するバチカンの公認を受けたり、国際連盟やその後身の国際連合に何度も働きかけたりし、ついに国連の理事会で改暦が提案されることになった。しかし、1955年にアメリカ合衆国の反対によって議題が無期延期となったのをきっかけに世界暦改暦運動は下火になり、1973年に彼女が亡くなると世界暦協会も自然消滅し、世界暦は世界の表舞台から消えることになった。2016年現在も国際世界暦協会 (The World Calendar Association - International[2]) という名前の団体が存在しており、ウェブ上で世界暦改暦運動を展開している。
世界暦の特徴は以下のとおりである。
世界暦の利点と欠点は以下のとおりである。
世界暦の暦表(カレンダー)を以下に示す。
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