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韓国の自動車ブランド ウィキペディアから
SM5(エスエムファイヴ)は、韓国の自動車メーカーであるルノーサムスン自動車(現・ルノーコリア自動車)が製造・販売していた上級(Dセグメント)セダン(韓国車基準でいう中型車)である。
サムスングループの自動車部門として1994年に三星自動車が設立され、その4年後の1998年に同社初の中型車「サムスンSM5」が誕生した。
その後、2000年にサムスン自動車はアジア経済危機により経営破綻し、その後フランス・ルノーの傘下となり会社名もルノーサムスン自動車と改名。以降は「ルノーサムスンSM5」として生産されている。
初代ならびに2代目はライセンス生産だが、3代目は「ルノー=日産アライアンス」に則り、ルノーとその傘下の日産自動車との共同開発、自社生産である。また、海外市場向けにはルノーブランドを冠し、2代目はサフラン、3代目はラティテュード(一部の国においてはサフランを踏襲)として発売される。
耐久性の高さと使い勝手の良さゆえタクシーとしての需要も多く(各モデルにタクシー専用仕様「SM5 TAXI」の設定あり)、ソウルや釜山をはじめとして各地で比較的頻繁にタクシー仕様を見かけることができる。
サムスン・SM5→ルノーサムスン・SM5(初代) | |
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中期 6気筒モデル (SM525V、ルノー三星ギャラリー所蔵) | |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 4ドアセダン |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン |
直4 1.8L/2.0L SR18/20ガソリン/LPG V6 2.0L/2.5L VQ20/25ガソリン |
変速機 |
4AT 5MT(4気筒、タクシーのみ) |
前 |
フロント:マクファーソンストラット リヤ:マルチリンクビーム |
後 |
フロント:マクファーソンストラット リヤ:マルチリンクビーム |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,700mm |
全長 |
4,825mm(4気筒、前期) 4.835mm(4気筒、後期) 4,845mm(6気筒) |
全幅 |
1,775mm(4気筒) 1,785mm(6気筒) |
全高 |
1,415mm(4気筒) 1,425mm(6気筒) |
A32型日産・セフィーロ(一部、マキシマ)をベースとしており、ボディとドア、エンジン、内装の大半、ならびにプラットフォーム、15インチアルミホイール(エクシモと同デザイン)はベース車と共用するが、前後のデザインはオリジナルである。セフィーロとは違い、4気筒SRエンジンシリーズ(1.8L、2.0L)と同LPG、そして6気筒VQエンジンシリーズ(2L、2.5L)の2種を用意していた(後者は後年、SM7へと発展する礎を築いた)。ちなみにVQエンジンは3代目に搭載されるVQ25やSM7に搭載されるVQ23/VQ35も含め、すべて日産自動車いわき工場から輸入であり、両車バンパー・グリル・パネルなどで内外装が差別化されていた。4気筒シリーズには5MTも用意されていた。グレード名はBMWを意識してか、全モデルに共通する形式の「5」と排気量の頭2文字を組み合わせたものであり、直4・1,800ccエンジンの場合は「SM518」。直4・2,000ccエンジンの場合は「SM520(LE)」、V6・2,500ccエンジンの場合は「SM525V」と言った具合に表記されていた[1]。装備やメカニズムの多くはベース車のセフィーロと共通であったが、リヤシートの独立式ヘッドレストやシートヒーター、セキュリティアラーム、リヤカップホルダー、フェンダーマーカー(=サイドウインカー)、フードトップマーク(=ボンネットマスコット、6気筒のみ)などセフィーロにはない装備も設定され、カーナビもザナヴィ製からサムスン電子製(ゆえにセンターパネルに「SAMSUNG」のロゴが入る)に変更されるなど相違点も少なくなかった。直4シリーズの2.0Lには本皮革シートなどV6モデルに採用される上級装備を盛り込んだ「Speciale(スペチアーレ)」「Speciale+(スペチアーレ・プラス)」の設定もあった。
初期にごく少量ではあるが後部ドア部分をストレッチさせ、3LのVQ30DEを搭載した「SM530L」なるものも数台生産された[2]。初期型のSM525V(車体色:シルバー)が日本の日産自動車座間事業所内にある記念車庫にて動態保存されている。
なお、当代は少量ながら「SQ5」の名でチリなど南米にも輸出されていた。
セフィーロをベースとした先代とは打って変わり、日産が新たに開発したFF-Lプラットフォームを採用したJ31型ティアナをベースとしている。(もっともティアナ自体セフィーロの後継車種といえるものであり、特にJ31に関してはセフィーロとして販売された地域さえある。)ボディーシェルもティアナやSM7と共有するものの、外観は大幅に差別化されている。全幅はサイドモールディングを採用している関係で、ティアナ比で約20mm大きい。 前期に限れば、フロントグリルのデザインはティアナとは異なるが、寸法とねじの位置が全く同じため、互換性がある[3][4]。他のエクステリアパーツについてはバンパーやライト類は装着可能。鍍金ガーニッシュやリヤコンビネーションレンズについては後期も含め、サイズと裏面形状(ボルト位置と厚さ)が異なるためそのままでは装着できない。また、インテリアについてはステアリングホイール位置に影響しないパーツ(センターコンソールや化粧パネル、スイッチ類、ステアリングホイールなど)についても一部互換性がある。2004年に同じティアナをベースとしたVQエンジン搭載の上級車「SM7」がデビューしたため、VQ搭載モデルは廃止され、SR20IIエンジンのみの設定とした。
「SM5ニューインプレッション」と称された新型は、新意匠のリアコンビランプ、新造形の前後バンパー(新規格の横長ナンバープレートに対応)ならびにエンジンフード、ヘッドランプを採用したほか、インテリジェントキーにはドアミラーリトラクト機能を追加し、シートポジションメモリーも新採用した。またサムスン電子開発の室内空気清浄システム「スーパー・プラズマ・イオン(SPI)モジュール」をオプション設定とした。このSPIモジュールは空気中の水蒸気を分解することで活性水素と酸素イオンを大量に発生させ、ウイルスや細菌などを除去するというシステムである。この改良を機にCVTCを採用した新開発エンジン「M4R」を搭載[5][6]。同エンジンはラフェスタやブルーバードシルフィなどに搭載されている日産のMRエンジンの系列であり、従来のSR20IIと比較すると実に16kgもの軽量化に成功している。最高出力143PSで、燃費はリッターあたり約11kmと、同クラス最高水準を実現。タクシー仕様もマイナーチェンジされ、5MTは廃止されて4ATのみとなった。これら大幅な改良を施すことにより、SM7はもとより、ティアナとの違いをもいっそう強めた。
ルノーサムスン・SM5(3代目) | |
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2015年改良型 TCE フロント | |
2015年改良型 TCE インテリア | |
ボディ | |
ボディタイプ | 4ドアセダン |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン |
V6 2.5L VQ25ガソリン(=V4U、2010年販売型のみ) 直4 2.0L M4R IIガソリン/LPG 直4 1.6L MR190DDTガソリン(=M5M、2012年・2015年改良型) 直4 1.5L K9K ディーゼルdCi(2012年・2015年改良型) |
変速機 |
エクストロニックCVT(2.0L) 6速AT(2010年販売型2.5L・V6) 6速DCT(2012年・2015年改良型TCE、2012年・2015年改良型dCi) |
前 |
フロント:マクファーソンストラット リヤ:マルチリンク |
後 |
フロント:マクファーソンストラット リヤ:マルチリンク |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,760mm |
全長 | 4,885mm |
全幅 | 1,830mm(2010年販売型)/1,860mm(2012年・2015年改良型) |
全高 | 1,490mm(2010年販売型)/1,485mm(2012年・2015年改良型) |
ベースは初代ティアナから、2代目ティアナなどと同じくDプラットフォームを採用する3代目ルノー・ラグナに変更。ベースのラグナはハッチバック・ワゴン・クーペなどさまざまなボディが与えられるが、SM5は韓国国内におけるセダン信仰を重視して歴代同様セダンボディのみとし、リヤサスペンションもラグナのトーションビーム式ではなく、2代目やJ32型(2代目)ティアナと同じマルチリンク式を踏襲している[7]。韓国内はもとより世界各国において販売されることを従来型以上に前提とした戦略車種のため、開発には約3年の期間と約3600億ウォンの費用が投じられている。国内同セグメントにおいて絶大な支持を受けているヒュンダイ・ソナタ(YF型)[8]を追撃すべく流麗なスタイリングとしているのが今回の特徴。サイドウインドウに関してはCピラーのシックスライトを廃し、初代に回帰したことでソナタとの違いを明確にしている。ボディサイズについては全幅と全高が増えたものの、全長とホイールベースは逆に短縮された。
エンジンは2代目後期で登場したM4Rを改良した「M4R II」(=CVTC II、障害者仕様はCVTC・LPLi)を採用、これにジヤトコ製6速シーケンシャルモードつきエクストロニックCVTを組み合わせることでスムースな走りを実現。
全車にEBD付きABS、4輪ディスクブレーキ、LEDリヤコンビネーションレンズ、爆発の圧力を2段階に調節することが可能なスマートエアバッグ(2ステージエアバッグ)を標準装備とすることで高品質さと安全性を訴求。また、グレードによりAFSつきバイキセノンヘッドランプ(ディスチャージヘッドランプ、XEはブラックインナータイプ)、インテリジェントスマートカードキーシステム、米・BOSE社と共同開発したオーディオシステム、マッサージ機能つき本皮革&パワーシート、バックセンサー、オートライトシステム、後席独立温度調整式フルオートエアコン、2代目ティアナにも採用されている大型ガラスサンルーフ(フロントはアウタースライド可能)、QM5で採用済の電子式パーキングブレーキ(E-PKB)やジョイスティック方式のナビゲーションシステム「スマートiナビゲーション」、TPMS(タイヤ空気圧警告システム)、アルミ製ボンネットをも装備することで利便性と上質感を両立させた。発売からわずか2か月で約4万台を受注し、これは2009年の6万960台の約3分の2に相当する。グレード別で見るとLEが全体の約40%でREが約26%と続く[9]。
外観はSM3やQM5と共通のイメージのラジエーターグリルを採用し、バンパー、アルミホイールのデザインも一新。同時に、ヘッドライトもLEDポジションランプ内蔵型となり、ボンネットも中央部が盛り上がった新デザインのものに変更された。リヤについても新デザインのリヤコンビネーションレンズを採用するなどの改良が加えられた。また、エンブレムの書体も一新され、SM7やSM3と同じものとなった。インテリアについてはインパネデザインに手が加えられた他は特に大きな変更はないが、同年9月にマイナーチェンジしたSM3で初採用された「SMart Connect(スマートコネクト)」を装備、「スマートECOマネージメント」を介し、スマートフォンを通じて燃費などの車両管理ができるようになった。安全装備については、死角範囲において車両等の情報が入るとLEDで知らせる「死角情報システム(BSW=Blind Spot Warning system)」や感知範囲を離れると自動的にドアロックがかかる「オートクロージングシステム」を中型車クラスで初採用するとともに、空気圧自動検知システムを全車に標準装備とした。また、従来の2.5Lに採用されていたクルーズコントロールを新たに2.0Lに装備。V6・2.5Lモデルは廃止され、再び全車2.0Lとなった(141PS、14.1km/Lのエンジン性能に変更はなし)。ただし後期型登場後もV6モデルのある前期モデルは12月まで併売された(サイト上では前期が「SM5」、後期が「New SM5」と区別される)。
2015年1月5日、発表[17]。昨年9月に登場したSM7 Nova(ノヴァ)同様、サブネームにラテン語で新星を意味する「Nova」が付帯される。エクステリアはフロント周りをSM7と同様、ルノーグループの新デザインアイコン「サイクル・オブ・ライフ」に則り、左右のライト間を大型グリルが横断する新デザインとなった。通信システムは従来の「SMart CONNECT」に代わり、SM7にて先行採用されたスマートフォンと車両モニターをWi-Fiで連結する「スマートミラーシステム」を採用し、さらに進化した。
障害者仕様、レンタカー仕様、タクシー仕様に設定されるLPLi車はガスタンクを従来のボンベ型からコンパクトな円環型(DONUT®タンク)に変更したことで、トランク容積を従来比で約40%拡大させ、かさばる荷物や車椅子、ベビーカーなどの積載性を向上させている。
また、アルミホイールのデザインも17インチ、18インチともに一新されている。
基本的なメカニズムに変更はないが、新たに2.0Lガソリン車シリーズは「SM5 G」、1.6Lターボエンジン車は「XE」が取れて単に「SM5 TCE」へ[18]、1.5Lディーゼルエンジン車は「SM5 D」で変更はないが、上級グレードは「D スペシャル」から「D プレミアム」に変更され、2.0LのLPLiエンジン車は「SM5 LPLi」、タクシーは「SM5 TAXI」とシリーズ別に名乗るようになった。
2016年5月、小改良。SM6にメインストリームを譲る形で構成を大幅に整理した上で、価格を引き下げ、買い得路線に徹する。グレードはガソリン車の「SM5 2.0G」は「Classic」、LPG車の「SM5 2.0LPLi」は「高級型」と「最高級型」のみとなった、車名は「SM5」に戻り、書体もSM6と同じ物に変更された。
2018年3月、発売から20周年を迎えた。
2019年8月、 生産終了。
2020年1月、 販売終了。
2019年1月現在のラインナップは以下のみ。
SM5 2.0G
車名の「SM5」とはSは「SAMSUNG」あるいは「SEDAN」の、Mはドライブを意味する「Motoring」のそれぞれの頭文字、5は車格(中型車)を意味する。
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