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ハプログループO-M119 (Y染色体)(ハプログループO-M119(Yせんしょくたい)、系統名称ハプログループO1a[7]とは、分子人類学で用いられる、人類のY染色体ハプログループの分類のうち、ハプログループOのサブクレード(細分岐)の一つで、「M119」の変異で定義づけられる系統である。
Y染色体 O-M119 系統 | |
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系統祖 | O-M119 |
発生時期 |
33,181 [95% CI 36,879 ↔ 24,461] 年前 (Karmin 2022[1][2]) 34,100 または 29,200 年前 (Poznik 2016[3]) 30,411 [99% CI 37,195 ↔ 24,513] 年前 (FamilyTreeDNA[4]) 30,000 [95% CI 32,200 ↔ 27,800] 年前 (YFull YTree v11.04.00[5]) 31,110年前(23mofang[6]) |
発生地(推定) | 中国南部 |
現存下位系統の 分岐開始年代(下限値) |
16,959 [95% CI 19,300 ↔ 12,326] 年前 (Karmin 2022[1]) 15,677 [99% CI 19,486 ↔ 12,414] 年前(FamilyTreeDNA[4]) 17,500 [95% CI 19,400 ↔ 15,500] 年前(YFull YTree v11.04.00[5]) 19,210年前(23mofang[6]) |
親階層 | O > O1 |
分岐指標 | M119 |
高頻度民族・地域 | 中国南部、台湾、マレー諸島、太平洋諸島、マダガスカル(オーストロネシア系民族) |
O-M119系統は台湾先住民に66.3%[8]-89.6%[9]の高頻度で観察され、東南アジアの半島、島嶼部(ニアス島で100%[9])、オセアニアにも高頻度であり、オーストロネシア語族との関連が想定される[10]。O-M119は現代中国に於いては全国男性人口の約11.06%を占める[11]が、その大半(中国全国男性人口の約5.95%)は今より約5,440年前[6]または4,622(95% CI 5,597 - 3,809)年前[4]に一人の共通祖先をもち良渚文化と関係があろうと推測されているO-F81というサブクレードに属している[12]。
日本ではO-M119は平均して約1.2%の男性に見られる[13]が、最大3.4%(9/263、詳細は鳥取県1/2、青森県1/3、広島県1/3、愛知県1/6、岡山県1/6、福島県1/6、埼玉県1/13、千葉県2/45)観察された例があり、日本に於ける分布が本州西部の中国地方に偏っている可能性がある[14]。日本に於けるO-M119のサブクレード等の詳細は未だほとんど公表されていないが、FamilyTreeDNAのデータベースでは父系の祖先が日本出身として登録されていて、なおかつO-M119に属している6人のうち、4人のY-DNAハプログループがO-CTS52と既に特定されており、中国に於いてO-M119の帰属人口の大半を占めるO-F81と特定されている日本出身者または日系人が2024年現在1人もいない(残りの2人についてはO-M119に属すという事以上の詳しい情報が登録されていない)。[4]
ハプログループO系統の分岐については主に2018年1月1日改訂のISOGGの系統樹(ver.13.01)による[21]が、一部23mofang[6]及びFTDNA[4]の系統樹にならい改訂した箇所あり。
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