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『トレマーズ』(原題:Tremors)は、1990年に公開されたアメリカ合衆国の怪獣映画。ロン・アンダーウッドが監督を務め、ケヴィン・ベーコン、フレッド・ウォード、フィン・カーター、マイケル・グロス、リーバ・マッキンタイアが出演している。『トレマーズシリーズ』の第1作目であり、これ以降続編としてオリジナルビデオやテレビシリーズが製作された[4][5][6]。
トレマーズ | |
---|---|
Tremors | |
監督 | ロン・アンダーウッド |
脚本 |
ブレント・マドック S・S・ウィルソン |
原案 |
ブレント・マドック S・S・ウィルソン ロン・アンダーウッド |
製作 |
ブレント・マドック S・S・ウィルソン |
製作総指揮 | ゲイル・アン・ハード |
出演者 |
ケヴィン・ベーコン フレッド・ウォード フィン・カーター マイケル・グロス リーバ・マッキンタイア |
音楽 |
アーネスト・トロースト ロバート・フォーク(ノンクレジット) |
撮影 | アレクサンダー・グルツィンスキー |
編集 | O・ニコラス・ブラウン |
製作会社 | スタンピード・エンターテインメント |
配給 | ユニバーサル・ピクチャーズ |
公開 |
1990年1月19日 1990年6月15日 |
上映時間 | 96分[1] |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $10,000,000[2] |
興行収入 | $16,667,084[3] |
次作 | トレマーズ2 |
ネバダ州の田舎町パーフェクションで便利屋を営むバルとアールは貧乏生活に疲れ果て、隣町ビクスビーに移住しようと考える。ビクスビーに向かう途中、2人は鉄塔の上で死んでいる町民エドガーを発見する。遺体を町に運んだ2人は再びビクスビーに向かうが、今度はフレッド老人の遺体と彼の羊たちの食い殺された死体を発見する。町民たちに危険を知らせた2人はビクスビーに助けを求めに向かうが、ビクスビーへの一本道は土砂崩れで塞がっていた。町に戻った2人は車のタイヤに蛇のような怪物(グラボイド)の触手が絡みついているのを発見する。一連の事件の原因が怪物だと察知した町民たちは助けを呼ぼうと考え、2人はウォルターから馬を借りて町の外れに住むウォーラス夫妻を迎えに行くが、すでに夫妻はグラボイドに殺されていた。
2人はビクスビーに向かうが、途中でグラボイドに襲われる。馬を失った2人は逃げ回り、グラボイドは用水路のコンクリートに激突して死亡する。喜ぶ2人は地震の調査を行っている大学院生ロンダに出くわし、地震の正体がグラボイドだったことを知り、さらに彼女の調査記録からグラボイドが他に3体いることが判明する。3人は町に戻ろうとするがグラボイドに襲われ、岩の上に避難して一夜を過ごす。3人はロンダの車に乗り込みグラボイドを振り切り町に戻るが、町にグラボイドが現れウォルターが殺される。町民たちは屋根の上に避難するが、事情を知らないバート夫妻が襲われる。しかし、偏執的なプレッパーでガンマニアの夫妻は要塞化した自宅に保管していた大量の銃を使用してグラボイドを倒すことに成功する。
残り2体のグラボイドが家屋を破壊し始め、ネスターが殺される。車のタイヤをパンクさせられ窮地に陥った町民たちは、ブルドーザーを使用して脱出を図る。町民たちは山に向かうが、グラボイドが仕掛けた落とし穴にはまりブルドーザーが使用できなくなってしまい、近くの岩の上に避難する。バルとアールはバートの手製爆弾をおとりに使ってグラボイドに飲み込ませ、体内で爆破させ1体を仕留めることに成功する。しかし、最後の1体は同じ方法で倒すことはできず、飲み込んだ爆弾を吐き返して来たので失敗。更に吐き出した爆弾が予備の手製爆弾の上に落ち、多くの爆弾が使用不可能となる。相手が手強いことを察したバルは決死の特攻を開始。それに続くアール、ロンダもグラボイドに襲われるが、バルは残った手製爆弾でグラボイドを崖に誘い込む。しかしこれは「目が見えない」という相手の弱点を突いたバルの作戦。地中を突進して来たグラボイドを直前で避け、グラボイドは崖下に転落し最期を迎えた。町民たちは危機の去ったパーフェクションに戻り、バルはロンダとキスを交わす。
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
---|---|---|---|
ソフト版[脚注 1] | テレビ朝日版 | ||
バレンタイン・"バル"・マッキー | ケヴィン・ベーコン | 安原義人 | 井上和彦 |
アール・バセット | フレッド・ウォード | 内海賢二 | 田中信夫 |
ロンダ・レベック | フィン・カーター | 勝生真沙子 | 佐々木優子 |
バート・ガンマー | マイケル・グロス | 小林清志 | 小林勝彦 |
ヘザー・ガンマー | リーバ・マッキンタイア | 谷育子 | 吉田理保子 |
メルビン・プラグ | ボビー・ジャコビイ | 松本保典 | 石田彰 |
ナンシー・スタングッド | シャーロット・スチュワート | 沢田敏子 | 川島千代子 |
ミゲル | トニー・ジェナロ | 加藤正之 | 峰恵研 |
ミンディ・スタングッド | アリアナ・リチャーズ | 天野由梨 | 青木夏海 |
ネスター・カニンガム | リチャード・マーカス | 池田勝 | 小島敏彦 |
ウォルター・チャン | ヴィクター・ウォン | 辻村真人 | 久米明 |
エドガー・ディームズ | サンシャイン・パーカー | 台詞なし | |
フレッド | マイケル・ダン・ワーグナー | 台詞なし | |
ジム・ウォーラス | コンラッド・バックマン | 岸野一彦 | 藤本譲 |
ミーガン・ウォーラス | ビビ・ベッシュ | 斉藤昌 | 藤夏子 |
ハワード | ジョン・グッドウィン | 田原アルノ | 辻親八 |
カーマイン | ジョン・パパス | 辻親八 | 河合義雄 |
演出 | 河村常平 | 福永莞爾 | |
翻訳 | 岩佐幸子 | 徐賀世子 | |
制作 | 東北新社 | グロービジョン | |
初回放送 | 2005年5月26日 『木曜洋画劇場』 | 1993年4月25日 『日曜洋画劇場』 | |
映画ポスターとVHSカバーはユニバーサル・スタジオがデザインしている。元々はグラボイドを印象付けるデザインにする予定だったが、スタンピード・エンターテインメントはグラボイドが映画を観るまで詳細が明かされない状態の方が良いと主張した。ユニバーサルはスタンピード・エンターテインメントの意見に同意したものの、最終的にはグラボイドの触手をポスターにデザインしている[7]。
1989年にカリフォルニア州ローン・パインで主要撮影が行われ、山のシーンはシエラネバダ山脈で撮影された[8]。クリーチャー・デザインはアマルガマティッド・ダイナミクスが担当した。掘り起こされる形で登場するフルスケールのグラボイドは、軽量フォームで作成された。グラボイドは一旦溝の中に埋められた後に再び掘り起こされ「使い古された」効果を演出している[9]。バートが使用する象狩銃は、民間のコレクターから借りた代物だった[10][11]。
サウンドトラックは2000年に発売された。アルバムには映画で使用された9曲が収録されている[12]。アルバムはプロモーションの一環として限定版CDが発売されている[12][13]。作曲はアーネスト・トローストが手掛けたが、スタジオは彼の曲が「あまりにも馬鹿馬鹿し過ぎる」という理由で却下し、新たにロバート・フォークを起用して「よりシリアスでアクション風味」な曲を完成させた[14]。しかし、音楽監督としてはクレジットされず、トローストがクレジットされている。
当初は1989年11月公開予定だったが、アメリカ映画協会が劇中で使用される単語を理由に「R」認証したため、スタジオは公開直前に商業展開の幅を広げるために問題視された単語や台詞をカット、またはソフトな台詞に変更した(例:20回以上発せられた「fuck」を1箇所を残してカット、「sucker」「motherhumper」などマイルドな台詞に差し替え)[15]。この編集作業のため公開が延期され、1990年1月に「PG-13」で公開された。ウィルソンとマドックは後年、『トレマーズ』を大人向けから家族層向けに変更した決定に「満足している」とコメントしている[15]。
1990年1月19日に公開され、1996年4月16日にレーザーディスク、1998年4月28日にDVDが発売された。2010年11月9日にBlu-rayが発売され[16]、2013年9月17日には北米で「Tremors: Attack Pack」が発売された[17]。イギリスでは「Tremors: Attack Pack」は発売されず、2013年8月5日に『トレマーズ2』『トレマーズ3』『トレマーズ4』と合わせて個別のBlu-Rayが発売された[18]。
『トレマーズ』は1990年1月19日に1457館で公開され、公開週末の興行成績は第5位(373万1520ドル)を記録した[19]。興行成績は公開第2週に第6位になった後、公開第4週にトップ10に戻り、公開第5週には第11位になった[20]。製作費1000万ドルに対して国内興行収入は1666万7084ドルを記録し、予想を下回ったものの一定の成功を収めた。ケヴィン・ベーコンは2019年に「ユニバーサルが想定した額の五分の一」しか興行収入を得られなかったと語っている[21]。ウィルソンとマドックは興行的な失敗の理由を「公開延期によって十分な宣伝効果がなかった」「予告編が困惑させるようなものであり、観客の足を遠のかせた」とそれぞれ語っている[12][22]。
興行収入は控えめなものだったが、ビデオ販売やテレビ放送、インターネット配信などで好成績を記録した[23]。そのため、本作は長年にわたりカルト映画として人気を集めている[24]。
Rotten Tomatoesには43件の批評が寄せられ支持率84%となり、「1950年代の怪獣映画を愛情たっぷりに再現した『トレマーズ』は、ホラーとユーモアのバランスが取れた組み合わせで、このジャンルを活性化させた」と批評している[25]。ジェームズ・ベラーディネリは3/4の星を与え、「ホラーコメディは、その線引きが甘くなることがあるが、『トレマーズ』はその線を綱渡りのように渡っている」と批評している[26]。ロジャー・イーバートは3.5/4の星を与え、「ほとんどのクリーチャー映画はキャラクターを作り忘れていることが多い……しかし、『トレマーズ』はモンスターや暴力ではなく、キャラクターが物語の原動力であることを理解している」と批評している。TV Guideは、「非常によくキャスティングされており、ウォードとベーコンは人懐っこく面白いコメディを演じています……特殊効果は一流であり……それは誰かにとっての映画トップ10には入らないかも知れませんが、『トレマーズ』は手堅いエンターテインメントです」と批評している[27]。ジーン・シスケルは「キャラクターには説得力が欠け、ホラーの展開も寒々しい」と酷評しているが、著書『Cinema: Year by Year 1894-2001』では「良いB級映画を観たいなら『トレマーズ』を観なさい。モンスター映画の中で、方式を理解していた数少ない映画の一つです」と好意的に評価している[28]。
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