バットマンの最大の敵として名高いジョーカーは、“Clown Prince of Crime”(犯罪界の道化王子)、“the Jester of Genocide”(虐殺する宮廷道化師)、“the Harlequin of Hate”(憎悪するハーレクイン)、“ace of spades”(スペードのエース)など様々なニックネームで呼ばれる。DCユニバースの進化の間に、ジョーカーの解釈およびバージョンは、次の2つの形式をとっている。オリジナルの知性と歪んだユーモアを持つサディスティックなサイコパスと、1940年代から1960年代にかけて人気があった、1960年代のテレビシリーズのような無害なイタズラ泥棒である[1] 。服装はロングテール、パッド入りショルダージャケット、ネクタイ、紫のスーツ、手袋、時々つばの広い帽子、尖ったつま先の靴、ストライプのパンツやスパッツである。
1975年の“The Amazing World of DC Comics“のインタビューで、ロビンソンは次のように述べている。「私はバットマンをテストすることができる至高の悪役を望んでいたが、典型的な犯罪組織のボスやギャングなど容易に現れるようなキャラクターしか創造されていなかった。そこで、悪魔のように邪悪で、道化師のような悪役を創造し、(シャーロックホームズとモリアーティ教授との関係に似ている)バットマンの戦いの継続的な供給源として永続的なキャラクターを望んだ」[10][11][12]。
1988年の『バットマン: キリングジョーク』(Batman: The Killing Joke)では、ジョーカーの1951年の物語を再構築した。彼は売れないコメディアンであり、妊娠中の妻を支えるためにレッドフードとして強盗を行った。バットマンに追いつめられて化学薬品のタンクに飛び込み、白い肌、赤い唇、緑の髪、裂けて常に笑みを湛えた口に変化する。妻と胎児の不慮の死と外見の変化から正気を失い、彼はジョーカーに変貌する[22]。ジョーカーはどんな人間でも正気を失う事を証明するために、ジェームズ・ゴードンを拷問する。そして、彼の娘であるバーバラ・ゴードンを銃で撃ち半身麻痺を引き起こす。バットマンがゴードンを救助してジョーカーを倒した後、バットマンはジョーカーとの敵対関係を終わらせてリハビリを提案する。ジョーカーは拒否したが、彼はバットマンと冗談を共有することによって感謝の意を示した。
1988年の"A Death in the Family"では、ジョーカーはバールでジェイソン・トッドを打ちのめし、爆発で殺した。トッドの死はバットマンに初めてジョーカーを殺す事を考えさせる。
"Batman: The Man Who Laughs"では、バットマンはレッドフードが落下を生き残ってジョーカーになったと推論する。"Batman #450"で"Death of the Family"のイベントの後、ジョーカーは回復を助けるためにレッドフードになるが、経験から外傷を受けるとわかる。他の物語ではこのオリジンを拡大した"Batman: Gotham Knights"のプッシュバックでは、ジョーカーの妻はギャングのために働いており、腐敗した警官によって殺害されたことを説明した。
しかし、「ジョーカー自身記憶が混濁し、どの過去が正しいのか分からず、本人も分かろうとする気もない」と説明される過去の設定の曖昧さは、ライターがキャラクターのオリジンを自由に創作できることに繋がった。ポール・ディニとアレックス・ロス による"Case Study"では、幼少期から犯罪のスリルを味わい続けるサディスティックなギャングであるレッドフードとしてジョーカーを設定した。彼は自分の容姿を変えることになるバットマンと運命的に出会う。この作品でのジョーカーは正気であり、死刑を回避するために狂気を装っていることが示唆されている。"Batman Confidential #7-12"(ラバーズ&マッドメン)では、犯罪を全て成功させていたが故に退屈し、生き甲斐を失っていた天才的な犯罪者ジャックがジョーカーのオリジンとして設定された。ジャックはバットマンに犯罪計画を阻止されたことで、彼に夢中になり新しい生き甲斐を見つける。そして彼の注意を引き付けるために、ブルース・ウェイン(バットマン)の恋人ローナ・ショアを人質に取って重傷を負わせる。激怒したバットマンの投げたバットラングにより、顔に笑いのような傷をつけられる。ジャックはバットマンの雇ったギャングに拉致されて化学工場で暴行を受ける。揉みあっているうちにギャングの放った銃弾が化学薬品のタンクに命中して(抗精神病薬に使用される)化学物質の洪水を浴び、ジョーカーに変貌する。"The Brave and the Bold #31"でスーパーヒーローのアトムは、生きている自分の両親を焼くジョーカーを見ている。"Zero Year" (2013)では、レッドフードが襲ったギャングを操っていた犯罪の首謀者であったことを示唆している。
Anders,Lou(2008).“Two of a Kind”.Batman Unauthorized: Vigilantes, Jokers, and Heroes in Gotham City.BenBella Books.p.29.ISBN978-1-935251-31-6."By 2007, the Joker was indisputably one of the most dangerous and insane villains in DC's entire universe. This is evidenced in the 1995 three-issue Underworld Unleashed, in which Flash-nemesis the Trickster said, 'When super-villains want to scare each other, they tell Joker stories.'"
“Batman Artist Rogers is Dead”. Sci Fi(March 28, 2007).April 11, 2008時点のオリジナルよりアーカイブ。May 2, 2008閲覧。“Even though their Batman run was only six issues, the three laid the foundation for later Batman comics. Their stories include the classic 'Laughing Fish' (in which the Joker's face appeared on fish); they were adapted for Batman: The Animated Series in the 1990s. Earlier drafts of the 1989 Batman film with Michael Keaton as the Dark Knight were based heavily on their work”
Phillips, Daniel(January 18, 2008).“Rogue's Gallery: The Joker”.IGN.p.2.April 21, 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。November 18, 2013閲覧。“[T]he Joker decides to brand every fish product in Gotham with his trademark grin, going so far as to blackmail and murder copyright officials until he's compensated for his hideous innovation.”
Greenberger and Manning, p. 163: "In this fondly remembered tale that was later adapted into an episode of the 1990s cartoon Batman: The Animated Series, the Joker poisoned the harbors of Gotham so that the fish would all bear his signature grin, a look the Joker then tried to trademark in order to collect royalties."
Pearson, Roberta E.;Uricchio, William(1991).“Notes from the Batcave: An Interview with Dennis O'Neil.”.The Many Lives of the Batman: Critical Approaches to a Superhero and His Media.Routledge: London.p.18.ISBN978-0-85170-276-6