株式会社サイゾーは、デジタルメディア事業や出版事業を行う企業である。本稿では株式会社サイゾーと株式会社サイゾーから出版されている月刊誌『サイゾー』(才蔵、Cyzo)の両方について述べる。
雑誌「サイゾー」は、準備号1号を経て、1999年6月号に創刊した。創刊準備号から2007年12月号までは株式会社インフォバーン(インフォバーンが営業機能を有するまでは電波実験社が販売を請けていた)、2008年1月号以降は株式会社サイゾーから刊行されている。2022年3月号で月刊での刊行を終了し、2022年4・5月号(2023年4月18日発売)から隔月刊化[2]、2023年8月号(2023年6月19日発売)より季刊誌化した。
株式会社サイゾーは、初代編集長の小林弘人の知人で『WIRED日本語版』で連載をしていた苫米地英人が、株式会社インフォバーンの出版部門を買取って、編集担当だった揖斐憲()を代表として事業開始した[3]。
ウェブサイトを用いた関連メディアの展開にも積極的で、「サイゾーpremium」「日刊サイゾー」「サイゾーウーマン」「メンズサイゾー」などがある[4][5]。
- 町山智浩の「映画でわかるアメリカがわかる」
- 映画評論家・町山智浩が、アメリカを舞台した最新映画を紹介しつつ、同国の光と影を考察する人気連載。
- 萱野稔人の「“超”現代哲学講座」
- 哲学者・萱野稔人が、時事的事象を軸に実践的な哲学の教養をレクチャーしてくれる。
- 花くまゆうさくの「カストリ漫報」
- 漫画家・花くまゆうさくによる雑誌創刊時から続く長寿連載。話題のニュースをシニカルな視点でストーリー化。
- 爆笑問題の日本原論
- 爆笑問題が時事問題をネタにトークする。創刊準備号から続いた長寿連載。『WiLL』(ワック・マガジンズ)へ移籍。
- 山形道場
- 山形浩生が世の中のことに活を入れる。連載終了。
- M2
- 宮台真司と宮崎哲弥の対談。連載終了。
- サイゾー世相歌壇
- 清水泰が作る世相を交えた替え歌を紹介。連載終了を記念して都内某所カラオケ店にて本人によるリサイタルが行われる。連載終了。
- サブ・カルチャー最終審判
- 宇野常寛と更科修一郎の対談。連載終了。
- 辛酸なめ子の女・一人修行
- 辛酸なめ子による、女としてのレベルを上げる特訓レポート。
- 勝手に会社案内
- うさんくさい企業の紹介記事を勝手に作る。連載終了。
- SKE48の「大人のための二次元講座」
- SKE48内のユニット「二次元同好会」のメンバーがお気に入りのアニメやマンガをコスプレをしながら紹介。連載終了。
- 荻上チキの「新世代リノベーション作戦会議」
- 評論家・荻上チキが、20〜30代の若手論客を迎え、次世代ニッポンの改善策を提言していく対談企画。連載終了。
- 宇野常寛の「批評のブルーオーシャン」
- 評論家・宇野常寛によるメディア、カルチャー批評。連載終了。
- 佐々木俊尚の「ITインサイドレポート」
- ITジャーナリスト・佐々木俊尚が、最新のITニュースを独自の批評眼を交えながらレポート。連載終了。
- 週刊ヒトコト斬り
- コラムニスト・今井舞が、話題になったアノ人やアノニュースをズバッと一言で斬る。
- 仁科友里の「女のための有名人深読み週報」
- 元極妻・芳子姐さんのつぶやき
- 神林広恵「女性週刊誌ぶった斬り」
- 叶井俊太郎「子育てブログ」
- 角川慶子「保育園作りました」
- 知られざる女子刑務所ライフ
- 中野瑠美が語る女子刑務所の実態レポ。
- ルポ「別れた夫にわが子を会わせる?」
- テレビの疑問法律相談所
- プウ美ねえさんのエプロンメモ
- 彼女が婚外恋愛に走った理由
- 神林広恵「悪女の履歴書」
- そうだソルティー京都、いこう
- 安彦麻理絵「ブスと女と人生と」
- 合コン四季報
- だから企業に聞いてみた
- ブルボンヌ「女優女優女優!」
- 脱・恋愛オンチ
- ご長寿番組潜入記
- 平成ろくでなしブルース
- 探偵は見た!
- オンナの独り遊び
- この家電、ホントに使える?
- 安彦麻理絵×田房永子「オンナの絵日記」
- タレント本という名の経典
- ちかこ「四十路女の姪子育て」
- ふろくわんだぁ~らんど☆
- 介護をめぐる親子・家族模様
- 少年アヤ「イケメン紀行」
- オシャレな女に憧れて
- オネエ目線の女子アスリート名鑑
- 暴露の花園♪
- 田房、子役オーディションへ行く
- 妄想ドラマスクール
- 五月女ケイ子の映画批評
- Hage田ゲス子「渡る世間は鬼女ばかり」
- 芸能人夫婦百景
- さざ波ニュース
- 働く男図鑑
- 深澤真紀の「うまないうーまん」
- 夫の不倫相手を訴えた! 実録「慰謝料請求裁判」体験記
- おおしまりえの婚活スポットリアル調査
- 2006年4月号において「ジャニーズはVIP待遇!?オリコンとジャニーズの蜜月関係」と題する記事を掲載したが、「オリコンはジャニーズに甘くチャートを操作している」という編集部の編集意図に沿うように、ジャーナリストが答えた内容や掲載ページそのものを改竄していた(詳細はオリコン・烏賀陽裁判を参照)。
- 2009年3月15日、「コブクロが金銭トラブルで解散危機」というニュースを発表したが、そのような事実は一切なかった。なお、3月17日には謝罪・訂正の記事を掲載している[6]。
- 2012年12月にペニーオークションサイト「ワールドオークション」が詐欺罪で摘発された際、同社から依頼を受けステルスマーケティングを行っていた芸能人を非難する記事を掲載したが、サイゾー自身もPR記事としてペニーオークションを薦めていた。[7]同様に出資広告を行っていたウェブメディアは謝罪、説明等を行ったがサイゾーは一切の説明を行わず、その後もステルスマーケティングを行っていた芸能人を揶揄する記事を新たに掲載している。
- 2014年5月22日、サイゾーウーマンで「都市伝説だらけの芸能人の素顔」を会話形式で記述したが、その中で叶姉妹のことを「普段はジャージ姿」と事実確認できないことを書いたため、叶姉妹から抗議を受けて謝罪した[8]。
- 2016年5月15日、日刊サイゾーで「小金沢昇司が「大麻とおぼしきもの」を取り出し、店側と“大麻所持疑惑トラブル”を起こした」というニュースを発表したが、小金沢側は「虚偽の記事で社会的評価が低下した」などとして、1,000万円の損害賠償などを求めた裁判を起こしている。第1回目の口頭弁論が同年9月27日に行われたが、サイゾー側は欠席している[9]。
- 2016年8月25日、ビジネスジャーナル(編集長・石崎肇一(はじめ)で「NHK特集、「貧困の子」がネット上に高額購入品&札束の写真をアップ」を掲載したが、記事中の「女子高生の部屋にはエアコンらしきものがしっかりと映っている」という記述は虚偽であった。また記事中、NHK関係者のコメントが掲載されたが、実際は取材の事実はなく、回答は架空のものであった。記事内容はNHKの捏造を示唆するものだったが、実際に捏造をしていたのはサイゾーだった。記事を書いた20代男性は、契約前に取材や記事執筆の経験はなかった[10]。サイゾーはWEBサイトにて謝罪し、編集長の更迭を発表した[11]。
- 2017年7月10日、サイゾーウーマンにて「連ドラリメイク『花より男子』広瀬すず主演!」という記事が掲載され[12]、デイリーニュースオンライン(記者:阿蘭澄史)が出演するとされた女優、俳優への中傷記事を掲載した[13]。しかし、実際にその事実はなく、原作者から否定された[14]。サイゾーからの謝罪と訂正はなかった。
- 2018年1月26日、ビジネスジャーナルに「今年の日テレ『24時間テレビ』MCに嵐が決定!放送半年前に発表、異例措置の裏事情」が掲載された。メインMCが嵐のメンバー、MCにSexyZoneの佐藤勝利、スペシャルサポーターにディーン・フジオカが決定とし、1月27日放送の『嵐にしやがれ』内で発表されるという内容であったが、翌日発表されたメーンパーソナリティーはSexyZoneであった。1月26日付で謝罪記事を掲載した[15]。
- 2018年3月12日、3月14日、サイゾーウーマンに「メリー氏の側近、SMAP解散の黒幕K氏が“失踪”!『ジャニーズと決別?』と大騒動に」「メリー氏の片腕K氏、失踪のウラ側――SMAP解散をめぐる『極秘行動』との関連は?」が掲載されたが、K氏はジャニーズ関連会社で日常業務を行っている事実が判明、記事タイトルも不適切として謝罪記事を掲載した[16]。謝罪記事は2018年3月12日付。
- 問題の背景
- 2016年8月25日の件について揖斐社長は、「ネット上の書き込みを丸ごと信用してしまった」と釈明し、「記事量とチェック体制のバランスが欠けていた。コストをかけずにPVを稼ぐため、記事本数で賄おうとする無料ネットメディアの構造的問題もある」「記事を書いた20代男性は、契約前に取材や記事執筆の経験はなかった」などとネットメディア全体の問題点だとした[10]。
公式サイト「日刊サイゾー」は、ニュースブログの形式をとっている。その他の公式サイトとしては、アダルト記事を強化した「メンズサイゾー」、芸能ニュースなどの女性向け記事に特化した「サイゾーウーマン」も個別に展開している。
また、有料サービス「サイゾーpremium」では、本誌の記事などを閲覧できる。
「リアルサウンド」は、2016年までサイゾーが運営していたが[17]、現在は元ロッキング・オンの神谷弘一編集長が代表を務める株式会社blueprintが運営・編集している[18][19]。
「噂の眞相」のデスクを勤めた神林広恵と元副編集長の川端幹人が立ち上げた企業である株式会社ロストニュースが運営・編集する「LITERA」はサイゾーが広告運用しているが、サイゾーとの資本関係は無く、記事の編集方針についてサイゾーは関与しない独立した組織として運営されている[20][注 1]。
主な運営サイト
- 日刊サイゾー - 2006年8月開設
- サイゾーウーマン - 2008年10月開設
- メンズサイゾー - 2009年6月開設
- サイゾーpremium - 2009年10月開設
- グラッチェ - 2021年12月開設
- おたぽる - 2013年10月開設、2021年4月更新停止
- TOMA BETIQUE - 苫米地英人関連商品の販売サイト
- CYZO BOOK STORE - サイゾーから刊行された書籍の販売サイト
- 広告運用
- LITERA(リテラ)[22] - 2014年5月開設
- HEALTH PRESS(ヘルス・プレス) - 2014年11月開設
- Business Journal(ビジネスジャーナル) - 2012年4月開設。合同会社フラジオリムに運営移管
- GJ(Goraku Journal) - 2016年3月『Gambling Journal(ギャンブルジャーナル)』の名前で開設。合同会社フラジオリムに運営移管
過去の運営サイト
- ハピズム - 2011年7月TOCANAとして開設
- CSセミナー - 2012年2月開設
- 晒蔵 - 2012年7月開設
- おたぽる@HENTAI!! - 2013年10月開設
- サイゾーまとめ[23]
- リアルサウンド[24] - 2013年7月開設。2016年まで株式会社blueprintと共同運営
- wezzy(ウェジー) - 2013年6月開設
- messy(メッシー) - 2013年6月開設、2020年12月更新停止
- TOCANA(トカナ) - 2011年7月開設、2013年10月リニューアル。株式会社MICHIに譲渡
- ビッグ☆セレブ - 2015年4月開設
- Jトピ! - 2018年7月開設
- ウーコミ! - 2019年10月開設。2024年までコミックサイトとして運営。DMMグループの株式会社CLLENNに譲渡
株式会社サイゾーのコミック事業部[25]。編集業務は出版業界の経験者と株式会社サイゾーが設立した合資会社ディノボックス[26]。2020年5月以降の発売元はれんが書房新社。
東洋書店の出版事業継承した[25]株式会社サイゾーの東洋書店事業部。発売元は垣内出版。
2015年3月に株式会社サイゾーのグループ企業として出版事業を開始[28]。2017年に株式会社サイゾーと吸収合併され、サイゾー事業部の一ブランドとなる。発売元は垣内出版。
2017年に株式会社サイゾーが買収[29]。2020年5月以降、道玄坂書房の発売元。
- Yahoo!
- mixi
- gree
- msn
- エキサイト
- ニフティー
- infoseek
- BIGLOBE
- ライブドア
注釈
LITERA側は、前述のビジネスジャーナルの捏造報道を受け、ビジネスジャーナルの提携サイト立場として謝罪するとともに、編集部はサイゾーから完全独立した組織であり資本関係も無く、サイゾーのサーバーを借り広告マーケティング面を委託している関係である旨を説明している[21]。
出典
“謹賀新年”. 株式会社サイゾー. 2017年12月25日閲覧。