辛酸なめ子

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辛酸 なめ子(しんさん なめこ、1974年8月29日[2] - )は、日本漫画家コラムニスト[1]。女性メディア・アクティビスト[3]。血液型A型。愛称は、「なめちゃん」。東京都千代田区生まれ埼玉県さいたま市浦和区育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業[1][4]

概要 辛酸 なめ子, 本名 ...
辛酸 なめ子
本名 池松 江美(いけまつ えみ)
生誕 (1974-08-29) 1974年8月29日(50歳)
東京都千代田区
国籍 日本
職業 漫画家コラムニスト[1]
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経歴

東京都千代田区で生まれ、埼玉県で育つ。子供の頃からヨーロッパ貴族を題材にした漫画などを描いていた[5][6]。父の仕事の関係で引越しが多く幼稚園で1回、小学校で2回転校している[7]。小学四年生から四谷大塚進学教室に通い、女子学院中学校・高等学校に入学。高校時代の同級生には元NHKアナウンサー膳場貴子、元日本テレビアナウンサーの馬場典子などがいる。高校時代に勉強しなくなったため、美術系の武蔵野美術大学短期大学部(デザイン科グラフィックデザイン専攻[5])に入学。同校在学時に中ザワヒデキの事務所でアルバイトをするかたわら、様々な創作活動を行なっていた。1993年(平成5年)にMacintoshHyperCardを使った作品を制作し、1995年(平成7年)にはWebサイト『女・一人日記』を開設するなど、PCやインターネットを媒体とするマルチメディア作品に早くから取り組んでいたことでも知られる。短大時代に上野俊哉の授業で「メディア・アクティビスト」という職業を知り、これをきっかけに自らもメディア・アクティビストと名乗っている。

1994年渋谷パルコのフリーペーパー『GOMES』主催のGOMES漫画グランプリでGOMES賞を受賞(審査員は吉本ばなな)。これをきっかけに雑誌の連載などを始める[5][7]

2008年7月30日おおひなたごう主催の『第1回ギャグ漫画家大喜利バトル』に出演し、準優勝した[8]。2009年、Meets別冊『東京通本』では聖子ちゃんカットでカヴァーガールを務めた。

2020年Webサイト「TVマガ」でドラマに関するコラムを連載[9]

ペンネーム

辛酸なめ子というペンネームは、高校時代に自主制作した新聞『小西新聞』のコラム「針金アート入門」で使ったもので[7]、周りから「薄幸そうに見える」とよく言われていたことに由来する[5]。デビュー当初は漫画やイラストの執筆時には辛酸なめ子、その他の文筆業やアート作品の制作では本名の池松江美と名義を使い分けていたが、最近では境界が曖昧になりつつある。

作風

  • アート作品は、自身が女性であることを逆手にとった作品や、「役に立たない珍発明」的な三次元作品などが主であるが、ほとんどが「人間関係についての強迫観念」をテーマとしている。
  • 慇懃でおっとりとした文体とは裏腹に、独特な画風と皮肉の効いたコラムで人気を博しており、「ガーリーな毒」と称される。現在、『週刊文春』の「ヨコモレ通信」、サイゾーの『女・一人修業』他、新聞・雑誌に多数の連載を抱えている。また、黒田清子(旧名:紀宮清子内親王)のファンであり、彼女の皇族時代には皇居新年一般参賀に出向いたこともあったほか、小冊子『Saaya & Me』も作製した[10]護憲派にして(以下の共著参照)、日本の歴史と伝統を重んじる保守皇室ウオッチャーの1人である。
  • 女性向けの最新流行文化を自ら体験し、それに対する違和感を皮肉たっぷりに表現する仕事が多いが、「ソウルメイトを探している」とたびたび発言し展覧会のテーマにするなど、ニューエイジ文化の一部についてはビリーバーである。サイン会ではサインと共に好きな動物などのイラストを描いてくれる[11]

人物

  • SPEEDの曲で自らは体験できなかった青春を味わっている[7]ブリトニー・スピアーズのファンで、ブリトニーが経営するレストランに赴き、いずれはブリトニーの口に入るかもしれないという彼女ならではの発想で、出されたフォークなどを舐めまくった、という逸話がある。
  • パリス・ヒルトンリリー・アレンケイティ・ペリー[12]など海外セレブリティへのインタビューを行っている。アレンのシングル「スマイル」には、辛酸が手がけた公式の日本語訳も存在する[13]
  • 2012年(平成24年)5月10日に、日活の創立100周年記念企画「生きつづけるロマンポルノ」の「女子限定 ロマンポルノ予習イベント」に登壇して、初めてロマンポルノを鑑賞した際、「73年から75年のベビーブームは、このロマンポルノの影響で人々が性行為をしたくなって出生率が上がったんでしょうか」などの解釈を披露した[14]
  • 横尾忠則を尊敬している。また草間彌生のファンである[15]
  • 「自分にはフランス人の、しかも貴族の血が流れていたらいいな」と思っていたが、病気のリスクを知ることが出来るというアメリカ合衆国の遺伝子検査「23andMe」を受けた際、祖先の人種構成は80.79%が日本人、祖先が居住していた国は日本・モンゴル中国で、白人の血は含まれていないという結果が出て落胆した[6]。また、心室細動アルツハイマーのリスクは平均値より高く[6]ノロウイルスへの抵抗は「耐性なし」[6]、筋肉パフォーマンスは「スプリンター並み」[6]などの結果が出た。
  • 職業柄、仕事とプライベートの境目がつきづらいので、合間に出来ることで続いている趣味が、陰謀論や都市伝説の探究。それ以前はワーカーホリック気味であったが、2010年頃に取材で米国人と雑談中、「趣味が無い」と言うと、「何て虚しい人生だ」と憐れまれ、趣味を持つようになった[16]
  • SMスナイパー』の記者時代には、同誌の愛読者だった佐川純(佐川一政の弟)とお便り欄を通じて交流を持っていた[17][18]

主な作品

漫画

エッセイ・コラムなど

小説

翻訳作品

その他

  • ゲーム『風水先生』(HAMLET、1996年11月、セガサターン用ソフト)-3Dグラフィックを担当。アルバイト時代。
  • 写真集『Mermaid Love』(1999年1月、自費出版)池松江美名義
  • サイキック学院へようこそ[19](フラッシュアニメ メインプログラマー:古山啓一郎 フジテレビ 少年タケシ 1999年)
  • 『処女☆伝説 - オール・アバウト辛酸なめ子』(洋泉社、2004年 ISBN 4896918134
  • 井筒和幸ほか『憲法を変えて戦争に行こう―という世の中にしないための18人の発言』(岩波書店[岩波ブックレット],2005年,ISBN 4000093576
  • 『セレビッチ』:「セレブ」+「ビッチ」を組み合わせた、辛酸の造語。セレブでありながらビッチ(bitch=「雌犬」「みだらな女」)な女性のこと。ハリウッドのセレブ『パリス・ヒルトン』のように上流階級にありながらスキャンダルまみれになってしまっている人たち。[20]オークラ出版の創刊女性誌『セレビッチ』のタイトルとしても使われる[21]
  • 虚無僧バーのマスター坊主のアイコン
  • 朝日新聞 生活面『アロハで猟師してみました』近藤康太郎 - 年に数回掲載される農業生活体験ルポにイラストを提供。

電子書籍

  • 『辛酸なめ子「無銭ひとり散歩」番外編』 Byakuya-Planet Co.,Ltd.、2011年5月5日
  • 『男性不信』(池松江美名義) 太田出版、2011年5月16日
  • 『サバイバル女道』 サイゾー、2011年10月16日

展覧会

  • 池松江美物産展(タコシェ、1999年)
  • KAGEKI METONYMICS: Subversions and Transformations from the Japanese Fringe(STEFAN STUX GALLERY, New York、2002年)
  • ソウルメイトを探して・・・(ミヅマアートギャラリー、2003年)

出演

テレビ

・SUGARと辛酸なめ子のあまから秘宝館(占いTV)コメンテーターとしてレギュラー出演

ラジオ

映画

脚注

外部リンク

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