ウエストジェット航空

カナダの航空会社 ウィキペディアから

ウエストジェット航空(ウエストジェットこうくう、英:WestJet Airlines Ltd.TSXWJA)は、カナダアルバータ州カルガリーに本部を置くカナダ第2位の大手航空会社

概要

カナダを代表する大手航空会社の一つで、国内の主要都市ほとんどに就航しており、国際線はアメリカ合衆国メキシコカリブ海諸国、中米ヨーロッパ諸国、アジアに運航している。グループ会社としてリージョナル路線を運航するウェストジェット・アンコール、ウェストジェット・リンク、そして傘下の格安航空会社(LCC)Swoop(スウープ)がある。

歴史

要約
視点

創業期

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旧ロゴ

サウスウエスト航空やモリス・エア(Morris Air)のような航空会社を目指して、クリーブ・ベドー(Clive Beddoe)とマーク・ヒル(Mark Hill)、ティム・モーガン(Tim Morgan)、ドナルド・ベル(Donald Bell)によって設立される。元々は西カナダに就航する航空会社として立ち上げられたが、世界でも特に成長の早い航空会社のひとつとなる。

1996年2月29日に、最初のフライト(ボーイング737)が飛び立つ。当初、3機のボーイング737-200と220人の従業員を抱え、カルガリー国際空港をハブとして、バンクーバーケロウナエドモントンウィニペグに就航を開始した。同年の年末にはレジャイナサスカトゥーンビクトリアへも就航するようになる。1997年にはアボッツフォードが加えられ、搭乗旅客数は100万人を突破する。

1999年にはサンダーベイグランドプレーリープリンスジョージも就航都市に加わる。2000年、東部カナダへと運航範囲を拡大し、ハミルトン国際空港を東部のハブとして、ハミルトンモンクトンオタワに就航を開始する。同年、立ち上げに参画したベドーら4人はカナダ航空業界への貢献度から「"Ernst & Young entrepreneur of the year award in Canada"」を受賞。

2000年代前半

2001年にはフォートマクマレーコモックスが加わり、その後、スーセントマリーサドバリートンプソンブランドンにも飛ぶようになる。

2002年、東部の都市であるロンドントロントが新しい就航都市としてさらに加わる。2003年4月、ウィンザーモントリオールハリファックスセントジョンズガンダーも加わえられる。

2002年の後半、エア・カナダの機密情報へ不正にアクセスしているとして、ライバルのエア・カナダより産業スパイとして告訴される。2006年5月29日、ウエストジェットはこの事実を認め、不正アクセスによる和解金500万カナダドルをエア・カナダに払い、かつエア・カナダとウェストジェットの名で1,000万カナダドルを様々な児童基金に寄付することで合意した。

2004年4月、東部のハブ空港をハミルトン国際空港からトロント・ピアソン国際空港へと移す。これによりハミルトンに飛んでいたフライトはトロントへ集約され、ドル箱路線のトロント、オタワ、モントリオール間の就航を強化した。同年、アメリカ線への就航を開始することが発表された。サンフランシスコロサンゼルスフェニックスタンパフォートローダーデールオーランドニューヨークラガーディア(LGA)がそれである。

2000年代後半

ETOPSを導入したことで、2005年9月20日、バンクーバーからハワイ諸島へ就航することを発表、同年12月にはホノルル(HNL)とマウイ島(OGG)への運航を開始した。なお、ハワイ諸島からの復路便は深夜の夜行便となっている。また、これらの便ではハワイの各島を結んでいるgo!モクレレ航空とのコードシェア提携を行っていた。

2006年、バハマナッソーへ就航した事で、カナダとアメリカ国外へ飛ぶ国際線をスタートさせた。これは将来の国際市場参入を視野に入れた会社の重要な長期経営戦略に基づくものである。その後もカリブ海諸国への路線網は拡充されていった。

2010年代

2013年6月24日、サブブランドとしてウエストジェット・アンコール(英語版)をスタート、ボンバルディアQ400を用いたリージョナル路線に就航する。

2014年6月15日、トロントからアイルランドダブリンに就航、大西洋横断路線へ進出した[1]。さらに、同社初のワイドボディ機材となる[2]ボーイング767-300ERを4機導入することを発表[3]カンタス航空の中古機をボーイング社にてウィングレットを装着のうえで、2015年8月に受領[4]、同年10月22日から運航を開始した[5]。なお同型機から、メイプルリーフを描いた新しいロゴマークが導入されている。

2017年5月、ボーイングとボーイング787-9の最終購入契約を締結し、2019年から10機導入のほか、2020年以降オプションで10機追加可能な契約でエンジンはGEエンジンを搭載予定で、大西洋路線を充実させ、アジア、南米方面への新規就航の可能性を検討することを発表し[6]、同型機導入でLCCの形態からの脱却を目論んでいる[7]。同年10月には契約済みボーイング737MAXシリーズ内で発注内容を組み替え、新規でMAX10型を合計12機発注した[8]

2017年9月に傘下に超格安航空会社(Ultra Low-Cost Carrier:ULCC)Swoop (航空会社)設立発表[9]、機材はお下がりボーイング737-800が割り当てられ、2018年6月20日から運航開始[10]、北米域内路線を運航している[11]

2020年代

2022年10月12日、日本の国土交通省より、外国人国際航空運送事業の経営許可を取得、日本航空運航便にコードシェアとして運航される[12]

2022年12月5日、初のアジア路線として2023年4月30日よりカルガリー - 東京/成田線に就航することを発表、2023年5月1日初便が到着した[13] [14]

2023年10月、傘下LCCのSwoopと合併[15]

保有機材

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同社が発注したボーイング社製旅客機の顧客番号(カスタマーコード)はCTで、737-6CT、737-7CT、737-8CTと表記される。

運用機材

さらに見る 機種, 保有数 ...
ウエストジェット航空 保有機材(2024年12月現在)[16][17]
機種 保有数 発注数 定員 備考
J W Y
ボーイング737-700 36 - - 12 120 132
ボーイング737-800 46 - - 12 162 174
- 189 189
ボーイング737-7 MAX - 23[18] 未定
ボーイング737-8 MAX 43 25[19] - 12 162 174
- 189 189
ボーイング737-10 MAX - 54[18][20] - 12 200 212 22機のオプション付き[20]
ボーイング787-9 7 - 16 28 276 320
ボンバルディア DHC-8-Q400 45 - - - 78 78 ウエストジェット・アンコール英語版による運航
貨物用機材
ボーイング737-800 4 - 貨物
181 102
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退役機材

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ディズニーとタイアップした特別塗装機も運用されている

就航都市

機内サービス

ボーイング787型機ではビジネスクラスプレミアムエコノミークラスエコノミークラスの3クラスが設定されている。ビジネスクラスはフルフラットシートに加え、機内食は乗客が好きなタイミングでリクエストすることが可能な「Anytime Dining」のサービスを行っている。そのほか、ボーイング737型機とボーイング787型機には、プレミアムエコノミークラスが設けられている。

2015年からは、機内で無料の映画やテレビ番組が視聴でき、有料無線インターネット接続も可能な『ウエストジェット・コネクト』の導入を開始した[21]

ボーイング787型機には全席液晶モニター(機内エンターテイメントシステム)が搭載されている。

機内誌は「WestJet Magazine」がある。(2015年1月に「UP!」から改題) 飛行時間が1時間15分を越える国内・アメリカ路線のエコノミークラスでは、ソフトドリンクやホットコーヒー等の飲料と、簡単なスナック菓子が無料で提供される。他の北米大手航空会社同様、北米内路線のエコノミークラスではアルコール飲物および軽食は原則として有料で提供している。

提携航空会社

2023年現在、以下の航空会社とコードシェア提携を結んでいる[22]

脚注

関連項目

外部リンク

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