THEATER ENYA
佐賀県唐津市にある映画館 ウィキペディアから
佐賀県唐津市にある映画館 ウィキペディアから
THEATER ENYA(シアターエンヤ)は、佐賀県唐津市京町1783 KARAE(唐重)1階にある映画館(ミニシアター)。7年間の市民活動「唐津シネマの会」を経て、唐津のまちに22年ぶりに復活した映画館である。一般社団法人Karatsu Culture Commissionが運営し、その事務局をまちづくり会社・いきいき唐津株式会社が担っている[1]。客席数は62席(ペアシート2席×3台)で1スクリーンを有する。デジタルシネマに対応しており、35mmフィルムでの上映も可能である。映画館の運営を主に、監督を招いてのトークイベントや映画祭の開催、商店街活性化、文化観光振興など映画館の運営にとどまらない文化を通した地域活性化事業を積極的に行っている。
THEATER ENYA | |
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情報 | |
通称 | シアターエンヤ |
開館 | 2019年10月25日 |
収容人員 | 62人 |
客席数 | 62席(ペアシート2席×3台) |
設備 | 1スクリーン(W5150㎜×H2155㎜)、映写様式:35㎜映写機、DLPプロジェクター(Barco DP2K-10SLP) |
用途 | 映画上映 |
運営 | 一般社団法人 Karatsu Culture Commission |
所在地 |
〒847-0045 佐賀県唐津市京町1783 KARAE(唐重)1階 |
位置 | 北緯33度26分50.0秒 東経129度58分09.0秒 |
外部リンク |
theater-enya |
公募によって決定された名称の「エンヤ」は、世界文化遺産「ユネスコ」にも登録された、唐津の伝統文化行事である秋の例大祭「唐津くんち」の掛け声に因んでいる。また、国際交流基金の企画「INDEPENDENT CINEMA2023」にて、日本の映画館10館に選出され、ドキュメンタリー動画「THEATER ENYA MINI THEATER JOURNY」が世界配信された[2]。
映画館「THEATER ENYA」の前身は、2011年に発足した市民団体「唐津シネマの会」である。佐賀県唐津市のまちづくり会社・いきいき唐津株式会社が平成22年~23年に実施した商店街活性化のための来街者ニーズ調査で、まちなかに欲しい施設やサービスの中に例年「映画館」がベスト3に挙がった。その来街者ニーズ調査を受け、「映画館のない町に映画の灯を」をスローガンに、いきいき唐津株式会社代表の木下修一を会長に、同社社員だった甲斐田晴子が市民団体「唐津シネマの会[3]」を2011年9月に旗揚げ。同年10月には、文化芸術による地域振興、若者への文化教育の機会の提供、高齢者福祉娯楽の充実を目的にした、映画上映会を企画した唐津シネマの会事業が、佐賀県「平成24年度 新しい公共の場づくりのためのモデル事業」に採択された[4]。
2012年3月に唐津シネマの会の会長に辻幸徳が、事務局長に甲斐田晴子が就任。同年7月より、唐津シネマの会が大手口センタービルの市民交流プラザで毎週水・土曜日に定期的な上映会を開催。THEATER ENYAが2019年10月にオープンするまで約7年間活動が続いた。
唐津シネマの会の活動期間中に、持続可能な映画の取り組みを実現するため、地元法人スポンサー制度を取り入れ、現在は105社の法人スポンサーが映画館を支えている。[5]
2015年には、いきいき唐津が、後にTHATER ENYAの運営法人となる一般社団法人唐津映画制作委員会(代表理事:甲斐田晴子)と唐津映画製作推進委員会(会長:辻幸徳、副会長:宮島清一、山崎信二)[6]を立ち上げ、大林宣彦監督作品『花筐/HANAGATAMI』を製作。2017年に公開し、第72回毎日映画コンクール日本映画大賞をはじめ様々な映画賞を受賞し、ロッテルダム国際映画祭など多くの海外の映画祭に招待され評価を受ける。
2019年10月25日に、いきいき唐津株式会社が8年の地元協議を経て建設した、商店街の再開発事業である商業複合施設KARAE内に、唐津に22年ぶりとなる映画館「THEATER ENYA」が誕生。7年半に及んだ唐津シネマの会の活動と大林宣彦監督作品『花筐/HANAGATAMI』製作の旗振り役となった事務局長の甲斐田晴子が初代館長に就任[4][7][8][9]。非営利活動としての活動を明確化するため、運営会社は、いきいき唐津株式会社ではなく、一般社団法人Karatsu Culture Commission(旧:唐津映画製作委員会)が担うこととなった。運営の資金源には鑑賞料金だけではなく、前述の法人スポンサー制度、佐賀県NPO支援ふるさと納税によって、映画館の多様な地域活性化の取り組みが支えられている[10]。
THEATER ENYAでは、唐津の地元企業を中心に100社以上の法人スポンサーが参画[11]しており、THEATER ENYAを運営する一般社団法人Karatsu Culture Commissionは、佐賀県NPO支援ふるさと納税の支援対象団体である[12]。
映画館では、九州在住の小中学高校の学生がTHEATER ENYAで上映される作品が1年間見放題になるサブスクリプション制度[13]をはじめ、オリジナルの会員制度やサービスデイも多く取り揃えている[14]。THEATER ENYAでの映画鑑賞後3日間、商店街周辺の店舗で特典を受けることができるクーポン提供店[15]など、大きく下記6つの取り組みも行なっている。[16]
THEATER ENYAを運営する一般社団法人Karatsu Culture Commission(旧:一般社団法人 唐津映画製作委員会)は、2017年(平成29年)に公開された大林宣彦監督作品『花筐/HANAGATAMI』を製作した[20][21]。『花筐/HANAGATAMI』は、大林監督の「古里映画」の一環として戦前の唐津市を舞台とし、オール唐津ロケで製作された作品である[20]。2019年(令和元年)10月25日のTHEATER ENYA開館後、毎月第2金曜日を「花筐の日」として同作品を上映しており、唐津市民は600円で鑑賞できる[20][23][24]。
同作品の映画製作のきっかけは、唐津シネマの会が発刊していた機関紙「IMAKARA[25]」で実施した監督インタビューであった。計10号が発刊されており、各号に映画監督のインタビュー記事が連載されていた。2013年に発刊された第3号の監督インタビューが大林宣彦監督で当時インタビューをした唐津シネマの会事務局長の甲斐田晴子宛てにその翌年、大林宣彦監督から40年以上前に檀一雄の小説を原作にした桂千穂と共著の唐津を舞台にした映画『花がたみ』(後の『花筐/HANAGATAMI』)の脚本が届いたことが始まりである[26][27]。
2021年より、THEATER ENYA企画の映画祭「演屋祭[17]」を実施。全国からショートフィルムを募集するアワードで、クリエイターの人材育成を応援しながら、唐津の地方創生に取り組んでいる[28]。
THATER ENYAの前身となったのは唐津シネマの会であり、2011年(平成23年)から週2回の頻度で映画上映会を開催していた[20]。大手口センタービル市民交流プラザオーテホールでの定期上映会に加えて、子ども向けの無料上映会、唐津市内の離島での映画上映会、映画監督を招いたティーチインなども実施していた[20][34]。
全盛期の唐津市には8館の映画館があり[44]、1960年(昭和35年)時点では世界館(朝日町)、新世界映劇(材木町)、日の出館(材木町)、センター・シネマ(材木町)、みなと映劇(西唐津2丁目)、第三寿館(佐志町)、唐津東宝大劇(千代田町)、かがみ映劇(鏡町原)があった[45]。1980年(昭和55年)時点の唐津市には唐津スカラ座・唐津センターシネマ(材木町)、唐津中央大劇(材木町)、唐津東宝大劇(千代田町)の4館があった[46]。1997年(平成9年)2月16日には唐津東宝大劇が閉館し、唐津市から映画館がなくなった[44]。朝日新聞文化部記者の小峰健二は高校生時代に唐津市に住んでいたが、唐津市に映画館がなかったことから、片道1時間あまりかけて福岡市の映画館に通っていたという[47]。
2019年(令和元年)10月25日、同日に開業した複合商業施設KARAE(唐重)1階にTHEATER ENYAが開館した[50]。唐津市にとっては22年ぶりの常設映画館であり[20]、30年ぶりとされる場合もある[51]。館長は、甲斐田晴子[52]。
オープン前の10月20日に行われたこけら落とし上映作品は、戦前の唐津市を舞台とする『花筐/HANAGATAMI』(大林宣彦監督)だった。10月20日には美術監督を務めた竹内公一が来館している[53]。なお、10月20日をもって東京の有楽町スバル座が閉館しているが、スバル座の最終上映作品は奇しくも『花筐/HANAGATAMI』だった。
佐賀県のミニシアターとしては佐賀市にシアターシエマがある。2020年(令和2年)に新型コロナウイルス感染症の流行を受けて臨時休館した際には、全国のミニシアターと並んで両館も「ミニシアター・エイド基金」(ミニシアターを救え! プロジェクト)に参加した[54]。
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