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『6x2』(ろくかけるに、仏語Six fois deux, Sur et sous la communication)は、監督・脚本ジャン=リュック・ゴダール、アンヌ=マリー・ミエヴィルによる、1976年製作のフランスのテレビ映画である。2つのパートに分かれた100分番組、6本のパッケージであることからつけられた(「6つある2」)のがこのタイトルである。
6x2 | |
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Six fois deux, Sur et sous la communication | |
監督 |
ジャン=リュック・ゴダール アンヌ=マリー・ミエヴィル |
脚本 |
ジャン=リュック・ゴダール アンヌ=マリー・ミエヴィル |
撮影 |
ウィリアム・リュプチャンスキー ドミニク・シャピュイ |
編集 | アンヌ=マリー・ミエヴィル |
製作会社 |
フランス国立視聴覚研究所 ソニマージュ |
公開 |
1976年7月25日 放送 2002年5月 特殊上映 |
上映時間 | 610分 |
製作国 | フランス |
言語 | フランス語 |
1972年、『ジェーンへの手紙』の完成をもって「ジガ・ヴェルトフ集団」(1968年 - 1972年)を解散したゴダールは、アンヌ=マリー・ミエヴィルともに映画製作会社「ソニマージュ」をイゼール県グルノーブルに設立(設立第一作は『ジェーンへの手紙』)、1948年以来25年間を過ごしたパリを離れ、1973年に本拠地を移す。
グルノーブルでのゴダールは、『万事快調』(1972年)をプロデュースした若手映画プロデューサージャン=ピエール・ラッサムが、処女作をはじめ60年代をゴダールのプロデュースしたヴェテラン・ジョルジュ・ド・ボールガールをかつぎだしてつくった「『勝手にしやがれ』のパート2」こと『パート2』(1975年)を監督・脚本(共同脚本ミエヴィル)したところであった。
つぎに、パリのフランス国立視聴覚研究所(INA)に企画書を出し、1975年から撮影を開始し、ミエヴィルとゴダールが初めて共同監督したテレビ映画が本作、『6x2』であった。全編ベータカムで撮影されたわけだが、『パート2』がそうであったように、部分的にビデオテープに収録し、再生させたモニタを35ミリの映画用カメラで撮影するという手法はとることはあったが、本作がゴダール初の完全ビデオ収録作品となった。つづいて翌1977年、本作同様のINAと「ソニマージュ」社の共同製作で、『二人の子どもフランス漫遊記』(1977年 - 1978年)をゴダール=ミエヴィルは手がけることになる。
撮影のウィリアム・リュプチャンスキーは、「ジガ・ヴェルトフ集団」時代に『勝利まで』(1970年中断)を手がけ、その後5年ぶりの『パート2』につづいての連投。さらに『二人の子どもフランス漫遊記』、『うまくいってる?』、『勝手に逃げろ/人生』まで連続でゴダールの映像を支える。もうひとりのカメラマンドミニク・シャピュイは、1971年、撮影監督ピエール=ウィリアム・グレンの助手として、ジャック・リヴェット監督の12時間を越える狂気の超大作映画『アウトワン』でキャリアを始めた男であり、リヴェット監督の『ノロワ』(1976年)からリュプチャンスキーの助手となったばかりである。今回はゴダール式の連名のクレジットとなった。
その後グルノーブルでは、ラッサムのプロデュースにより、あと2本をゴダール=ミエヴィルは共同監督・共同脚本する。かつて完成できなかった『勝利まで』を再編集した『ヒア&ゼア・こことよそ』(1976年)、新撮の『うまくいってる?』(1978年)である。1979年には、スイス・レマン湖畔ヴォー州ロールへと、ゴダールとミエヴィルは本拠地を移していく。
ロールでの第一作、つまり商業映画への復帰作である『勝手に逃げろ/人生』(1979年)のあとも、グルノーブルで培ったビデオによる作品づくりは自在につづけられ、やがて大作『ゴダールの映画史』(1989年 - 1998年)へと結実する。本作はそのための手法上の第一歩であるといえる。
「2つのパートに分かれた100分番組、6本のパッケージ」は下記のような構成である。ABで100分、1976年7月25日から毎日曜日6回の放映であった。
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