Loading AI tools
メジャーリーグベースボールの第44回ナショナルリーグ優勝決定シリーズ ウィキペディアから
2013年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズンは10月1日に開幕した。ナショナルリーグの第44回リーグチャンピオンシップシリーズ(英語: 44th National League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、11日から18日にかけて計6試合が開催された。その結果、セントルイス・カージナルス(中地区)がロサンゼルス・ドジャース(西地区)を4勝2敗で下し、2年ぶり19回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。
2013年のナショナルリーグ チャンピオンシップシリーズ | |||||||
第5戦の様子。打者はドジャースのエイドリアン・ゴンザレス、捕手はカージナルスのヤディアー・モリーナ | |||||||
| |||||||
シリーズ情報 | |||||||
試合日程 | 10月11日–18日 | ||||||
観客動員 | 6試合合計:30万1577人 1試合平均: 5万 263人 | ||||||
MVP | マイケル・ワカ(STL) | ||||||
責任審判 | ジェリー・デービス[1] | ||||||
NLDS | STL 3–2 PIT LAD 3–1 ATL | ||||||
チーム情報 | |||||||
セントルイス・カージナルス(STL) | |||||||
シリーズ出場 | 3年連続12回目 | ||||||
GM | ジョン・モゼリアク | ||||||
監督 | マイク・マシーニー | ||||||
シーズン成績 | 97勝65敗・勝率.599 中地区優勝 | ||||||
分配金 | 選手1人あたり22万8300.17ドル[2] | ||||||
| |||||||
ロサンゼルス・ドジャース(LAD) | |||||||
シリーズ出場 | 4年ぶり10回目 | ||||||
GM | ネッド・コレッティ | ||||||
監督 | ドン・マッティングリー | ||||||
シーズン成績 | 92勝70敗・勝率.568 西地区優勝 | ||||||
分配金 | 選手1人あたり10万8037.06ドル[2] | ||||||
| |||||||
| |||||||
ワールドシリーズ |
両球団がポストシーズンで対戦するのは、2009年の地区シリーズ以来4年ぶり4度目。今シリーズでは第4戦終了時点でカージナルスが3勝1敗と、リーグ制覇へ先に王手をかけた。ただカージナルスは、ポストシーズンの7戦4勝制シリーズにおいて3勝1敗から3連敗での逆転敗退を歴代最多の4度も喫しており[注 1][3]、リーグ優勝決定戦で3勝1敗とした1996年・2012年の過去2度もいずれも敗退している[4]。今シリーズでもカージナルスは第5戦にこそ敗れたが、第6戦に勝利してジンクスを打破した。シリーズMVPには、メジャー1年目ながら第2戦と第6戦の2試合に先発登板して計13.2イニングを投げ、2勝0敗・防御率0.00という成績を残したカージナルスのマイケル・ワカが選出された。新人選手がポストシーズンのシリーズでMVPを受賞するのは、16年ぶり延べ5人目である[注 2][5]。しかしカージナルスは、ワールドシリーズではアメリカンリーグ王者ボストン・レッドソックスに2勝4敗で敗れ、2年ぶり12度目の優勝を逃した。
10月7日にまずドジャース(西地区優勝)が、そして9日にはカージナルス(中地区優勝)が、それぞれ地区シリーズ突破を決めてリーグ優勝決定戦へ駒を進めた。
ドジャースの2012年は86勝76敗の地区2位で、ポストシーズン進出には2.0ゲーム差届かず。ただその年前半のオーナー交代によって資金力を得たチームは、シーズン中からハンリー・ラミレスやエイドリアン・ゴンザレスら強打者を相次いでトレードで補強するなど、戦力の入れ替えを進めていた。オフにも先発投手のザック・グレインキーや柳賢振を獲得し、2013年開幕時の年俸総額はMLB屈指の高額となった[6]。しかしこの年、序盤は故障者続出もあってもたつく。6月21日には30勝42敗と負け越しが12に達し、地区首位アリゾナ・ダイヤモンドバックスとのゲーム差は9.5に開いた。この時期、監督のドン・マッティングリーには解任の噂も立った[7]。だがそこから巻き返し、前半戦終了時に47勝47敗と勝率を.500へ戻すと、7月22日にはダイヤモンドバックスをかわして首位へ浮上した。その後は失速するダイヤモンドバックスを尻目に勝利を重ね、9月19日に4年ぶりの地区優勝を果たした[8]。平均得点4.01はリーグ7位、防御率3.25はリーグ2位。序盤の低迷から好転した要因としては、怪我から復帰したラミレスや新人外野手ヤシエル・プイグの活躍、ケンリー・ジャンセンの抑え投手定着などが挙げられる[7]。先発ローテーションでもエースのクレイトン・カーショウに加えてグレインキーや柳が好投しており、ラミレスも含め高額選手への投資は的確に行われたといえる[9]。地区シリーズではアトランタ・ブレーブスを3勝1敗で下した[10]。
カージナルスは、2012年は88勝74敗の地区2位でポストシーズンに進出し、ワイルドカードゲームから勝ち上がってリーグ優勝まであと1勝に迫った。オフの動きはほとんどなく、救援左腕ランディ・チョートを加えたのが目立つ程度にとどまった[11]。それでもこの年も地区優勝争いに絡み、ピッツバーグ・パイレーツやシンシナティ・レッズと三つ巴の争いを展開する。故障で離脱する選手も少なくなかったが、ジョー・ケリーやマット・アダムスら新人・若手が次々と台頭してはその穴を埋め、ヤディアー・モリーナらベテラン選手も期待通りに活躍するなど、選手層の厚さを見せつけた[12]。前半戦終了時には57勝36敗で、パイレーツに1.0ゲーム差をつけて地区首位に立つ。後半戦には7連敗を喫してパイレーツに首位を譲った時期もあったが、9月7日にはその座を奪回した。以降は順位を維持したままシーズンを進め、同月27日のシーズン160試合目で4年ぶりの地区優勝を決めた[13]。平均得点4.83はリーグ最高、防御率3.42はリーグ5位。特に打線は得点圏での打率が.330と極めて高く、MLB全体でも2位デトロイト・タイガースの.282に大差をつけた[12]。投手陣にはケリーをはじめ速球に勢いのある若手が多く、その球威は捕手のモリーナが例年であれば1シーズンでひとつのミットを使い続けるところ、この年はシーズン途中でボロボロになり新しいミットに交換しなければならないほどだった[14]。地区シリーズではパイレーツを3勝2敗で下した[15]。
リーグ優勝決定戦の第1・2・6・7戦を本拠地で開催できる "ホームフィールド・アドバンテージ" は、地区優勝球団どうしが対戦する場合はレギュラーシーズンの勝率がより高いほうの球団に、地区優勝球団とワイルドカード球団が対戦する場合は地区優勝球団に与えられる。したがって今シリーズでは、カージナルスがアドバンテージを得る。この年のレギュラーシーズンでは両球団は7試合対戦し、ドジャースが4勝3敗と勝ち越していた[16]。
両チームの出場選手登録(ロースター)は以下の通り。
ロサンゼルス・ドジャース | セントルイス・カージナルス | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
守備位置 | 背番号 | 出身 | 選手 | 投 | 打 | 年齢 | 守備位置 | 背番号 | 出身 | 選手 | 投 | 打 | 年齢 |
投手 | 54 | ロナルド・ベリサリオ | 右 | 右 | 30 | 投手 | 34 | ジョン・アックスフォード# | 右 | 右 | 30 | ||
21 | ザック・グレインキー | 右 | 右 | 29 | 36 | ランディ・チョート | 左 | 左 | 38 | ||||
56 | J.P.ハウエル | 左 | 左 | 30 | 58 | ジョー・ケリー | 右 | 右 | 25 | ||||
74 | ケンリー・ジャンセン | 右 | 両 | 26 | 31 | ランス・リン | 右 | 両 | 26 | ||||
22 | クレイトン・カーショウ★ | 左 | 左 | 25 | 61 | セス・メイネス | 右 | 右 | 24 | ||||
49 | カルロス・マーモル# | 右 | 右 | 30 | 62 | カルロス・マルティネス | 右 | 右 | 22 | ||||
47 | リッキー・ノラスコ# | 右 | 右 | 30 | 40 | シェルビー・ミラー | 右 | 右 | 23 | ||||
99 | 柳賢振 | 左 | 右 | 26 | 44 | エドワード・ムヒカ★ | 右 | 右 | 29 | ||||
30 | エディンソン・ボルケス# | 右 | 右 | 30 | 26 | トレバー・ローゼンタール | 右 | 右 | 23 | ||||
00 | ブライアン・ウィルソン# | 右 | 右 | 31 | 46 | ケビン・シーグリスト | 左 | 左 | 24 | ||||
44 | クリス・ウィズロウ | 右 | 右 | 24 | 52 | マイケル・ワカ | 右 | 右 | 22 | ||||
捕手 | 17 | A.J.エリス | 右 | 右 | 32 | 50 | アダム・ウェインライト★ | 右 | 右 | 32 | |||
18 | ティム・フェデロビッチ | 右 | 右 | 26 | 捕手 | 48 | トニー・クルーズ | 右 | 右 | 27 | |||
内野手 | 14 | マーク・エリス | 右 | 右 | 36 | 4 | ヤディアー・モリーナ★ | 右 | 右 | 31 | |||
23 | エイドリアン・ゴンザレス | 左 | 左 | 31 | 内野手 | 53 | マット・アダムス | 右 | 左 | 25 | |||
9 | ディー・ゴードン | 右 | 左 | 25 | 13 | マット・カーペンター★ | 右 | 左 | 27 | ||||
7 | ニック・プント | 右 | 両 | 35 | 33 | ダニエル・デスカルソ | 右 | 左 | 26 | ||||
13 | ハンリー・ラミレス | 右 | 右 | 29 | 23 | デビッド・フリース | 右 | 右 | 30 | ||||
5 | フアン・ウリーベ | 右 | 右 | 34 | 38 | ピート・コズマ | 右 | 右 | 25 | ||||
10 | マイケル・ヤング# | 右 | 右 | 36 | 16 | コルテン・ウォン | 右 | 左 | 23 | ||||
外野手 | 25 | カール・クロフォード | 左 | 左 | 32 | 外野手 | 3 | カルロス・ベルトラン★ | 右 | 両 | 36 | ||
16 | アンドレ・イーシアー | 左 | 左 | 31 | 56 | アドロン・チェンバース | 左 | 左 | 27 | ||||
66 | ヤシエル・プイグ | 右 | 右 | 22 | 7 | マット・ホリデイ | 右 | 右 | 33 | ||||
55 | スキップ・シューマッカー | 右 | 左 | 33 | 19 | ジョン・ジェイ | 左 | 左 | 28 | ||||
33 | スコット・バンスライク | 右 | 右 | 27 | 43 | シェーン・ロビンソン | 右 | 右 | 28 |
ドジャースは地区シリーズのロースターから救援投手をふたり入れ替え、クリス・カプアーノとパコ・ロドリゲスに代えてカルロス・マーモルとエディンソン・ボルケスを登録した。カプアーノは地区シリーズ第3戦で3.0イニング無失点と好投したが、カージナルスに対しては相性が悪く、通算で5勝7敗・防御率6.00と苦しんでいる[17]。ロドリゲスは9月の月間防御率が5.68と調子を落としており、地区シリーズでも2試合0.2イニングで2失点を喫した[18]。このふたりはいずれも左投手であるため、ロースターに残る救援左腕はJ.P.ハウエルのみとなった。この年のカージナルス打線は、打率/出塁率/長打率が対左投手の.238/.301/.371と比べて対右投手は.280/.343/.412とより好成績を残しているものの、ドジャースは右投手を増やす選択をした[17]。マーモルはカージナルスとの相性の良さが、ボルケスはカプアーノに代わってロングリリーフをこなせることが、それぞれ評価された[19]。これに対してカージナルスは、地区シリーズからのロースター変更はない[20]。
2013年のナショナルリーグ優勝決定戦は10月11日に開幕し、途中に移動日を挟んで8日間で6試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 | |
---|---|---|---|---|---|---|
10月11日(金) | 第1戦 | ロサンゼルス・ドジャース | 2-3x | セントルイス・カージナルス | ブッシュ・スタジアム | |
10月12日(土) | 第2戦 | ロサンゼルス・ドジャース | 0-1 | セントルイス・カージナルス | ||
10月13日(日) | ||||||
10月14日(月) | 第3戦 | セントルイス・カージナルス | 0-3 | ロサンゼルス・ドジャース | ドジャー・スタジアム | |
10月15日(火) | 第4戦 | セントルイス・カージナルス | 4-2 | ロサンゼルス・ドジャース | ||
10月16日(水) | 第5戦 | セントルイス・カージナルス | 4-6 | ロサンゼルス・ドジャース | ||
10月17日(木) | ||||||
10月18日(金) | 第6戦 | ロサンゼルス・ドジャース | 0-9 | セントルイス・カージナルス | ブッシュ・スタジアム | |
優勝:セントルイス・カージナルス(4勝2敗 / 2年ぶり19度目) |
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.