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サカナクションのベスト・アルバム (2018) ウィキペディアから
『魚図鑑』(さかなずかん)は、日本のロックバンド、サカナクションのメジャー1枚目のベスト・アルバム。全曲がバンドのフロントマン、山口一郎によって作詞・作曲され、NFRecordsより2018年3月28日に全形態が限定盤としてリリース。2018年2月1日にリリースが発表されたこのアルバムは、メジャー・デビューから10周年を迎えたバンドにとって、初のベスト・アルバムである。これまでの作品を総括、体系化した作品となっており、同梱されているブックレットは、「魚図鑑」、「魚大図鑑」と題し、収録された10年分の楽曲を分析した内容となっている。また、付属する映像特典"SAKANAQUARIUM ARCHIVE"と題され、これまでリリースされたバンドのライヴ映像作品から、メンバー、スタッフが選んだライヴ映像が収録されている。
このアルバムは音楽評論家から一定の評価を受けており、評論家の中には、バンドとその楽曲たちを「自分たちの手であえて分析して出した1つの答え」であると指摘したものや、「サカナクション解体新書とでも呼ぶべき作品」であると位置づけたものもいた。『魚図鑑』は、オリコンアルバムチャート、『Japan Hot Albums』、『JAPAN Top Albums Sales』のチャートで首位を獲得した。また、『JAPAN Download Albums』のチャートでは2位を記録している。
サカナクションは、2005年春に北海道札幌市で結成され[2]、翌年にメジャー・デビューし[3]、2017年にバンドはメジャー・デビュー10周年を迎えた[4]。そのため、アルバムは、バンドの10周年を総括し、今のバンドをいかに表現するかに固執した作品制作を行った作品となっている[4][5][6]。アルバムは、2018年2月1日にTOKYO FMをキー局にJFN38局をネットし、放送しているラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』でバンドのフロントマン、山口一郎らが担当しているコーナー、『サカナLOCKS!(ARTIST LOCKS!)』内の冒頭で発表された[7]。発表は、事前にコーナー内でサカナクションの今後に関わる重要な発表がされると告知されており[8]、発表時には、ライブ・ツアー『SAKANAQUARIUM2018』と『魚図鑑』のタイトルを含む、3作品の連続リリースが発表された[5]。
CDは「図鑑」というテーマに合わせ、それぞれのディスクを「DISC 1 浅瀬」、「DISC 2 中層」、「DISC 3 深海」と題し、バンドの世界観の深さを収録曲で表現した構成となっている[9]。
『魚図鑑』は、バンドの独自レーベル、NFRecordsより2018年3月28日にリリース。規格は、完全生産限定プレミアムBOX(3CD+魚大図鑑)、初回生産限定盤(2CD+魚図鑑+Blu-ray Disc/DVD)、期間限定生産盤(2CD+魚図鑑)の4つの仕様でリリースされ、完全生産限プレミアムBOXには、アルバムの収録内容をスマートフォンで再生できるストリーミング・サービスの視聴権が付属[5][6]。CDは、「図鑑」というテーマに合わせ、「DISC 1 浅瀬」「DISC 2 中層」、「DISC 3 深海」の3枚のディスクで構成され[9]、「魚図鑑」および完全生産限定盤のみ収録される「魚大図鑑」と題した、収録した楽曲を解析したブックレットを同梱している[6]。3枚のCDのうち、「浅瀬」「中層」が全ての規格に、「深海」は完全生産限定プレミアムBOXのみに収録されている。全ての初回限定盤に付属する映像特典は、"SAKANAQUARIUM ARCHIVE"と題され、これまでリリースされたバンドのライヴ映像作品から、メンバー、スタッフが選んだライヴ映像が収録されている[9]。
アートディレクションとデザインは平林奈緒美、付属の魚図鑑、及び魚大図鑑の編集は伊藤総研が行った。
また、収録曲は全曲、FLAIRの小島康太郎によってリマスタリングが施されている。
映像外部リンク | |
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映画「曇天に笑う」曇天ダンス~D.D~ サカナクション/陽炎 - YouTube – FilmIsNow Movie Trailers Internationalによる公開のプロモーション・ビデオ。 | |
『曇天に笑う』×「豆しば」コラボ映像 - YouTube - 松竹チャンネル/SHOCHIKUchによる公開のコラボ映像。 | |
サカナクションBEST ALBUM「魚図鑑」TV SPOT - YouTube | |
サカナクションBEST ALBUM「魚図鑑」ダイジェストムービー - YouTube – サカナクションのレーベル、ビクターエンタテインメント内レーベル「NFRecords sakanaction」公式チャンネルによるティザ―映像へのリンク。 |
発売前後のプロモーション活動では、「陽炎 -movie version-」が2018年3月1日に『サカナLOCKS!(ARTIST LOCKS!)』にて初のオンエアーが行われた[10]。また、「陽炎 -movie version-」は、実写映画『曇天に笑う』の主題歌であり、楽曲は映画のプロモーションに使用された[10][11][12]。映画のプロモーションでは、「陽炎 -movie version-」に合わせてダンスを踊る『曇天ダンス~D.D~』と題した動画を動画共有サービス、YouTubeに投稿しており[10]、東京都千代田区、有楽町センタービル内丸の内ピカデリーで行われた舞台挨拶においてもダンスが披露された[11][12]。また、映画はキャラクター作家のキム・ソクウォンらによって生み出された電通のオリジナルキャラクター、豆しばとのコラボが行われ、「陽炎 -movie version-」を用いた映像作品が製作された。コラボした映像はYouTubeへ投稿された[13]。バンドは、アルバムのプロモーションとして複数回テレビ出演している[14][15][16]。2018年3月20日には、日本テレビ系列(NNS)『ZIP!』にバンドメンバー全員が出演し、『魚図鑑』に関するインタビューに答えた[14]。2018年3月23日には、テレビ朝日(ANN)『ミュージックステーション』に出演した。番組は、「桜&旅立ちSP」と題し、2時間のスペシャル編成で放送され、バンドは「新宝島」を披露した[15]。2018年3月29日には、フジテレビ系列(FNS)『めざましテレビ』に山口が出演し、日本の魚類学者でタレントのさかなクンとの対談を行った様子が放映された[16]。
バンドが行うプロモーションでは、アーティスト写真の更新やアルバムのスペシャル・サイトの公開、テレビスポット広告などを行っている[17][18][19]。公開されたスペシャル・サイトでは、バンドと所縁のある著名人がバンドの中でベストと思った楽曲を選ぶ「僕たち、私たちが選ぶ!サカナクションのベスト1曲」というコーナーが設けられた[18]。新たなアーティスト写真は、『魚図鑑』のコンセプトに連動し、バンドをメンバー自身を解析するという独特なコンセプトのもと撮影され、イギリスの写真家、エドワード・マイブリッジの連続写真から着想を得たことにより、時代を感じさせるモノクロームな写真となっている。アートディレクションをバンドの楽曲、「新宝島」や「多分、風。」などのミュージック・ビデオも手掛けた日本のグラフィックデザイナー、田中裕介が、フォトグラファーを田島一成が務めている[17]。また、公開されたテレビ・スポット広告では、アーティスト写真に同じくアルバムのコンセプトに連動し、黒地に白ラインのグリッドの前でバンドメンバー各自の動きを連続撮影し、それらの写真をつないだ映像になっている[19]。加えて、『魚図鑑』は、テレビ・スポット広告とは別にダイジェスト映像も公開されている。ダイジェストでは、収録楽曲のミュージック・ビデオや、初回限定盤の特典Blu-rayおよびDVDに収録されたライブ映像の一部が視聴できる[16]。バンドは、2018年3月26日21時30分頃(JST)より約1時間、LINE LIVEでのストリーミング配信を行った。配信では、山口とさかなクンが登壇し、アルバムと魚類の解説を行った[19][20]。アルバムの発売を記念した配信キャンペーンでは、2017年に行われたライブ、『SAKANAQUARIUM2017 10th ANNIVERSARY Arena Session 6.1ch Sound Around』の会場内で販売されたBearbrickとのコラボ商品のプレゼント企画が行われた[21]。
『魚図鑑』は、複数の音楽評論家からの評価を受けている。CDショップ・チェーン、タワーレコードが発行するフリーマガジン『tower+』の酒井優考は、アルバムをただのベストアルバムではなく、バンドとその楽曲たちを「自分たちの手であえて分析して出した1つの答え」であると指摘した[22]。ロッキング・オンの古河晋はウェブ上で、「このベストアルバムを聴くと、いかにサカナクションが飽くなき探究心を持って音楽の無限の海洋を、縦横無尽に浅瀬と中層と深海を行き来しながら泳ぎ回ってきたかが伝わってくる。」と指摘している[23]。また、ロッキング・オンの高橋智樹は、ロッキングオンのウェブサイト、rockinon.com上で『魚図鑑』を「今週の一枚」として選出しており、「バンドヒストリーを自ら分析し因数分解してみせた、サカナクション解体新書とでも呼ぶべき作品」であると位置づけている[24]。
オリコンの調査によると、『魚図鑑』は2018年3月28日にフィジカルとしてリリースされた後、発売初週に推定7万2591枚売り上げ [25]、オリコンアルバムチャート2018年3月第4週付のチャートランキングで1位を記録した[26]。バンドにとって、アルバム首位はアルバム『sakanaction』以来5年ぶり通算2作目である[27]。Billboard Japanのチャートのうち、総合アルバム・チャート『JAPAN Hot Albums』では、2018年4月第2週にあたる2018年4月9日付のチャートで1位を記録した[28]。バンドにとって、『JAPAN Hot Albums』首位は今作が初である[29]。『JAPAN Top Albums Sales』では、推定7万3767枚売り上げ[29][30]、2018年4月第2週にあたる2018年4月9日付のチャートで1位を記録した[30]。『JAPAN Download Albums』では、2018年4月第2週にあたる2018年4月9日付のチャートで2位を記録した[31]。
チャート | 最高 順位 |
出典 |
---|---|---|
日本・オリコンCDアルバムチャート | 1 | [26] |
日本・JAPAN Hot Albums | 1 | [28] |
日本・JAPAN Top Albums Sales | 1 | [30] |
日本・JAPAN Download Albums | 2 | [31] |
国 | 集計団体 | 売り上げ/枚 | 出典 |
---|---|---|---|
日本 | オリコン | 73000 | [25] |
サウンドスキャンジャパン | 74000 | [29][30] | |
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