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1973年にフジテレビで放送された日本のテレビドラマ ウィキペディアから
『鉄人タイガーセブン』(てつじんタイガーセブン)は、1973年10月6日から1974年3月30日までフジテレビ系で毎週土曜日19時 - 19時30分に全26話が放送された、ピー・プロダクション製作の特撮テレビ番組。および作品内に登場するヒーローの名称。
鉄人タイガーセブン | |
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ジャンル | テレビドラマ |
原案 |
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企画 | |
脚本 | |
監督 | |
出演者 | |
声の出演 | |
ナレーター | 岡部政明 |
音楽 | 菊池俊輔 |
オープニング |
「鉄人タイガーセブン」 作詞:しのだとみお、作曲、編曲:菊池俊輔、歌:ヒデ夕樹 |
エンディング |
「走れタイガーセブン」 作詞:しのだとみお、作曲、編曲:菊池俊輔、歌:コロムビアゆりかご会、ブルーエンジェルス |
言語 | 日本語 |
製作 | |
プロデューサー | |
制作 | フジテレビ、ピー・プロダクション |
放送 | |
音声形式 | モノラル放送 |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1973年10月6日 - 1974年3月30日 |
放送時間 | 土曜19時 - 19時30分 |
放送枠 | フジテレビ土曜7時枠の連続ドラマ |
放送分 | 30分 |
回数 | 26回 |
前作『風雲ライオン丸』は不本意な結果となったため、本作品では再度現代劇となり、タイガージョーが人気であったことから、虎がヒーローのモチーフとなった[1]。
本作品は「怪獣の次は妖怪がブームになる」という企画意図が色濃く反映され[2][3]、第1話から古代遺跡に巣食う脳だけのムー大帝、ツタンカーメンのようなマスクの下に醜悪な素顔を隠すギル太子、人間の心臓をえぐり取って殺害する砂原人、棺の中に人間を引きずり込むミイラ原人などが登場する、怪奇ムードの高い作品となった[4][5]。設定の一部は本作品と同年に企画された超能力アクション作品『パーフェクターMM(ムー)』から引き継いでいる[6][4][7][1]。
また本作品の特徴として、非常にリアルな雰囲気の作品に仕上がっている点があげられる。例えば、主人公・滝川剛と彼をサポートする高井戸博士率いる高井戸研究所のメンバーはムー一族の復活と脅威を訴えるが、その主張は社会に受け入れられることはない。そのため、事件が発生すると逆に主人公の側が警察や一般市民に疑われて窮地に陥ることがあったり、また主人公の正体を知らないメンバーが、戦いのときになると決まって姿を眩ます主人公に不信感を抱いたりといった、従来のヒーロードラマでは意識的に避けられていたタブーの部分を強調した物語が展開された[4]。
終盤の2話では、そうした否定的なドラマが主人公を一層追い詰めている。敵の原人と心を通わせた少女が敵の手によって刺殺されるという悲劇を目の当たりにした上に、主人公自身も自分の人工心臓が寿命を迎えて余命が数日となった事実を知って愕然となり、最終的には自ら戦いを放棄するまでになる。さらに、その代わりを果たそうとムー一族に単身立ち向かった高井戸博士までが惨殺される。このような子供向け番組として異例の展開は、後年本作品について語られる際に話題になっている[8]。
しかし、これらの作風が児童層に受け入れられたとは言えず、視聴率は低迷[6]。その反省も踏まえ、次作の『電人ザボーガー』では、空手アクションなどを盛り込んだ、明朗なヒーローアクション活劇に仕上げている[9]。
前作『風雲ライオン丸』ではハードな作風のため視聴者離れが進み、タイガージョーを再登場させるなどの梃入れ対策が行われたが、本作品では、路線変更やレギュラーが変更されるなどの梃入れ対策は行われなかった[10]。
サハラ砂漠の考古学調査を行っていた滝川博士率いる調査隊を追って来た息子の剛は、砂原人スナウラミによって殺害されてしまう。
博士は剛に生き返ってほしい一心で、ミイラ蘇生用の人工心臓SPを移植した。蘇生した剛は、父からお守りとして虎のデザインが施された古代エジプトのペンダントを託される。
14,000年前に封印されたムー一族の封印を解いた博士以下探検隊は、復活したムー原人によって皆殺しにされ、後を追ってきた剛も命を狙われたが、ペンダントの力で辛くも切り抜けると同時に、鉄人タイガーセブンに変身する力を身につけた。
鉄人タイガーセブンとなった剛は父の仇を討つべく、自分たちを封印した人類への復讐と地上制覇を狙うムー原人たちと戦うことを決意する。しかし、そんな彼を待ち受けていたのは、孤独な戦いと次々と押し寄せる過酷な現実であった。
メインライターの上原正三は、フジテレビの別所孝治が担当していた東映の『ロボット刑事』からの流れで本作品へ参加した[16][17]。本作品について上原は、かなり自由にやらせてもらったと述べている[17]。
助監督の村石宏實は、終盤で監督に昇格するという確約を得て参加していたが、内藤誠が参加したことによりローテーションへ入れず、監督への昇格は次作『電人ザボーガー』へと持ち越された[14]。
前作に引き続き篠原茂がプロデューサーを勤めていたが、病気療養のため第6話で降板[18][19]。これまで監督だった石黒光一が後任にあたった。
参照宇宙船SPECIAL 1998, p. 145
放送日 | 話数 | サブタイトル | 登場怪人 | 脚本 | 監督 |
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1973年 10月6日 |
1 | ムー原人 恐怖の大反乱 |
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上原正三 | 大塚莞爾 |
10月13日 | 2 | 甦ったミイラ原人の復讐 |
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10月20日 | 3 | 逆襲!半魚原人アマゾンX |
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山田健 | |
10月27日 | 4 | オイル原人 恐怖の陰謀!! |
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藤川桂介 | |
11月3日 | 5 | 戦慄!へび原人! |
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上原正三 | 大塚莞爾 |
11月10日 | 6 | 忍び寄る電撃殺人!! |
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藤川桂介 | |
11月17日 | 7 | 疾風!! オオカミライダー部隊 |
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上原正三 | 内藤まこと |
11月24日 | 8 | スカーフに怒りをこめて!! |
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藤川桂介 | |
12月1日 | 9 | 死斗!! 飛竜原人対タイガーセブン |
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上原正三 | 大塚莞爾 |
12月8日 | 10 | 大爆発!! ツチノコ原人 |
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藤川桂介 | |
12月15日 | 11 | とける顔 ロウ原人 |
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上原正三 | 山田健 |
12月22日 | 12 | 三平 ハエ人間になる!! |
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藤川桂介 | |
12月29日 | 13 | 剛兄ちゃん助けてェーッ!! |
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高際和雄 | 大塚莞爾 |
1974年 1月5日 |
14 | 燃える命のろくろ地獄 |
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上原正三 | |
1月12日 | 15 | ムー帝国大侵略 |
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山田健 | |
1月19日 | 16 | ムー帝国への挑戦 |
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1月26日 | 17 | 日本列島沈没の危機!! |
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藤川桂介 | 大塚莞爾 |
2月2日 | 18 | 伊豆半島死の攻防戦!! | 高際和雄 | ||
2月9日 | 19 | タイガーセブンの唄が聞える |
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2月16日 | 20 | ガン・ファイター・鼠原人の挑戦!! |
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藤川桂介 | 山田健 |
2月23日 | 21 | 必殺!! タイガー回転スパーク |
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上原正三 | |
3月2日 | 22 | 逆襲!! 狂った犬原人 |
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藤川桂介 | 鈴木俊継 |
3月9日 | 23 | 悪魔の唸り コールタール原人 |
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高際和雄 | |
3月16日 | 24 | ムー帝国移動大作戦!! |
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大塚莞爾 | |
3月23日 | 25 | 恐怖の大サーカス マリオネット原人 |
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3月30日 | 26 | 今甦えるタイガースパーク!! |
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プロジェクト:放送または配信の番組#放送に基づき、本放送期間内の放送局のみを記載しています。 |
この節に雑多な内容が羅列されています。 |
ピー・プロダクション社長のうしおそうじは、主演の南城竜也の起用理由について「暗いイメージがある」からとしている[41][11]。当時の南城は健康的なイメージを売りにしていたのでオーディションや初期の演技では明るく振舞っていたが、番組が進むに連れてシリアスな演技になっていき、南城はうしおに見抜かれていたと語っている[11]。一方、うしおはヒロイン役の久万里由香について、久万里の端正なルックスが画面には暗く映ってしまい、子供向け番組には逆効果になってしまったと述べている[41]。
南城は出番のないときは戦闘員の役で、ほかのアルバイトに混じってタイガーセブンとの立ち回りに参加していたと述懐している。自身は後先考えず無茶をやる性分であったといい、戦闘員を演じた際も怪我を恐れずに高所から飛び降りるなどしていた[11]。
第1話のサハラ砂漠のシーンは、浜松の中田島砂丘でロケを行なっている[14][11]。
タイガーセブンのマスク造形は、高山良策の手による。見事な植毛で仕上げられたマスクだが、耐水的なことは考えていなかったため、第1話の川に飛び込むシーンの撮影で水浸しになり使えなくなってしまった。そこで急遽2つ目を用意したが、これも撮影で焼け焦げてしまったため、さらに3つ目のマスクを造らなければならなかったそうである[42]。これらのマスクとは別に、口を大きく開き牙を剥くギミックを仕込んだアップ用のダミーヘッドが追加制作され、第13話以降使用されている[43]。
敵役ギル太子のツタンカーメン風のマスクは、高山良策、ゼン工芸、異人館工房の3者に造形を依頼し、オーディション形式で選ぶという異例の手法が採られ[5]、別所プロデューサー、スタッフ、監督、うしおの面々が選考に当たった[44]。最終的には、異人館工房の制作したマスクが採用された[45][注釈 7]。
第1話で、タイガーセブンが高井戸研究所のガラスを破って現れるシーンでは本物のガラスが使われている。監督の大塚莞爾は危険なため撮影を躊躇し、タイガーセブンのスーツアクターの鴨志田和夫に「やってくれるか」と申し出たところ鴨志田は快諾し、ガラスに飛び込んでいる。撮影後に大塚がタイガーセブンのスーツを見たところ、スーツにガラスの破片が刺さっていたという[46]。
ピー・プロの付属劇団「河童」は、アトラクション制作スタッフの成田五十八の働きかけで1973年に結成された。番組終了後には、招かれてハワイでショーを開催し、盛況だったそうである[47]。なお、『ザ・スーツアクター』(ソニー・マガジンズ)80頁によれば、「河童」の責任者には薩摩剣八郎(当時・中山剣吾)が当たっていたが、しだいに劇団員が集まらなくなり消滅したという。
当時のメイン掲載誌だった『冒険王』(秋田書店)にて小畑しゅんじによる漫画連載がなされていた[50]。『スペクトルマン』、『快傑ライオン丸』、『風雲ライオン丸』、『電人ザボーガー』は一峰大二が『冒険王』で連載漫画を執筆しており、一峰は本作のみ『別冊冒険王 映画テレビマガジン』で執筆していた。一峰によるほとんどのピー・プロ作品は、角川書店から復刻単行本が発売[注釈 8]されたが、本作品の連載漫画は諸事情により単行本化されなかった。
このほか、『テレビマガジン』(講談社)でも、成井紀郎による漫画[注釈 9]が連載されていたが、こちらも単行本化されていない。また、サンケイ新聞での連載漫画(作画・山根一二三)も存在したが[50]、途中で打ち切られている。
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