金峰山晴樹

カザフスタンの大相撲力士 (1997-) ウィキペディアから

金峰山晴樹

金峰山 晴樹(きんぼうざん はるき、1997年6月24日 - )は、カザフスタン共和国アルマトイ出身[2]木瀬部屋所属の現役大相撲力士。本名はバルタグル・イェルシン[3]カザフ語: Ерсін Балтағұл)。身長195.0cm、体重180.0kg。最高位は東前頭5枚目(2023年5月場所)。

概要 金峰山 晴樹, 基礎情報 ...
金峰山 晴樹
Thumb
令和5年5月場所にて
基礎情報
四股名 金峰山 晴樹
本名 Ерсін Балтағұл
バルタグル・イェルシン
愛称 イェルシン、キンちゃん、サモハン
生年月日 (1997-06-24) 1997年6月24日(27歳)
出身
身長 195cm
体重 180kg
BMI 47.34
所属部屋 木瀬部屋
得意技 突き、押し[1]
成績
現在の番付 西前頭8枚目
最高位前頭5枚目
生涯戦歴 157勝116敗2休(21場所)
幕内戦歴 86勝92敗2休(12場所)
優勝 十両優勝1回
幕下優勝1回
三段目優勝1回
敢闘賞2回
データ
初土俵 2021年11月場所
入幕 2023年3月場所
趣味 散歩、映画鑑賞
備考
カザフスタン出身者初の幕内力士
2025年4月28日現在
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来歴

要約
視点

来日前は柔道をしていたが、ドルゴルスレン・ダグワドルジ(元横綱・朝青龍)の紹介で18歳の時に日本の日出高校(現・目黒日本大学高校)に編入学し、相撲を始めた[4]日本大学スポーツ科学部競技スポーツ学科に進学後は日本大学相撲部に所属した[5]。3年次(2019年度)に学生選手権団体優勝、全日本選手権個人準優勝の実績を残す[4]。4年次(2020年度)には学生選手権で3位になり、全日本選手権ではベスト16に入った[4]

大学卒業後は日大の勧めで大相撲の世界へ進むことになり[5]、日大OBが師匠の木瀬部屋に入門した[4]。木瀬部屋としては臥牙丸ジョージア(旧グルジア)出身)に続く外国出身力士である。カザフスタン出身力士としては風冨山以来2人目である。入門後は研修期間を経て2021年9月場所の新弟子検査に合格[4]。興行ビザの取得を待って同年11月場所で初土俵を踏んだ。四股名は、師匠・11代木瀬(元幕内・肥後ノ海)の故郷にある金峰山[注 1]と、日大在学中に死去した元高校横綱で11代木瀬とは大学の同期だった成田晴樹に由来する[1]。本人は四股名の由来となった金峰山を富士山ぐらいのスケールだと想像していたが、実際に足を運んで高尾山ぐらいのスケールと知ってガッカリしたという[6]。2020年全国学生相撲選手権ベスト4のため三段目最下位(100枚目)格付出でのデビューとなり[7]、この場所は7戦全勝で三段目優勝を果たした[8]

幕下に昇進した2022年1月場所は5勝2敗で勝ち越し。翌3月場所は7戦全勝で幕下優勝を飾った[9]。翌5月場所は西幕下4枚目に番付を上げ、成績次第で十両昇進が見える地位となった。この場所では6番相撲で5勝1敗とこの時点で新十両昇進の可能性が生まれた[10]。千秋楽の7番相撲で初めて十両の土俵に上がり、東十両5枚目の北の若と対戦。"入れ替え戦"の意味合いが強かった一番だったが突き落としで敗れ5勝2敗となり、新十両は見送られた[11]。翌7月場所は西幕下筆頭の地位で6連勝、7番相撲で吉井に敗れ優勝こそ逃したものの6勝1敗の好成績で終え、場所後の7月27日に開催された番付編成会議にて十両昇進が発表された[12]。新十両昇進の際に「(目標は)何もないですけど、上ばかり考えて上がれなかったらアウトなので、幕内なら幕内で1つずつ考えたい」と抱負を語った[13]。その9月場所は13日目に勝ち越しを確定させ[14]。千秋楽に栃武蔵との新十両対決を制して10勝5敗と2桁勝利を挙げた[15]。初めて髷を結って迎えた11月場所では千秋楽に勝ち越した。2023年1月場所では東十両5枚目の地位で11勝4敗の成績を挙げ、場所後の新入幕が濃厚となった[16]。3月場所で新入幕、東前頭14枚目に昇進、カザフスタン出身初の幕内力士となった。日本国外出身としては2022年9月場所の水戸龍モンゴル)以来52人目で、日本大学出身としては同じく水戸龍以来40人目、木瀬部屋としては2019年5月場所の志摩ノ海以来の新入幕となる[17]。新入幕会見では「できれば1、2場所ぐらいは早く上がりたいなと思っていた」と語り、師匠の木瀬も「突っ張りを磨けば9割は勝てますから。三役ぐらいまでは突っ張っていってほしいですね。勝ちにこだわらず、小手先で取らない相撲をしてほしい」と願った。本人は「関取を目指して、また若い衆が来てほしいです」と期待していた[18]。この場所は11勝4敗で自身初の三賞である敢闘賞を受賞[19]。翌5月場所の番付は東前頭5枚目と9枚上昇し、この場所の関取(十両以上)の中では最大の上昇幅となった[20]

西前頭8枚目の地位に在位した2024年7月場所から2場所連続で4勝11敗と負け越したことにより、11月場所では10場所連続で務めた幕内から陥落したが、その場所では12勝3敗の好成績を挙げて十両優勝を果たし、再入幕を確実とした。十両優勝については「そこまで…」と喜びも控えめだったが、「優勝できたのは、負けた後に切り替えられたから」、そして再び幕内に戻る来場所に向けて「楽しみ」と語った[21]

西前頭14枚目で迎えた2025年1月場所では、初日から連勝街道を走り9連勝、10日目に阿炎に変化されたことで土がついたが、そこからは豊昇龍に敗れただけで12勝2敗として、優勝戦線のトップで千秋楽に挑んだ。千秋楽では本割で王鵬に敗れ、決定戦でも豊昇龍に敗れて優勝はならなかったが、敢闘賞を受賞した。

取り口

基本的には長いリーチを生かしたもろ手突きからの突き押し相撲を得意としているが、四つに組み止める相撲もある[22]

2025年1月場所中のデイリースポ―ツの記事では、武蔵川親方(元横綱・武蔵丸)から手も足もよく出る迷いのない突き押しを評価された[23]

人物

大砂嵐に次ぐ史上2人目のムスリムの幕内力士である。ムスリムなので戒律に従って豚肉は食べず酒は飲まず、部屋のちゃんこも彼に配慮してハラール食となっている。好物は刺身寿司(特にサーモン)[24]

主な成績

2025年3月場所終了現在

スピード記録

  • 三段目付出デビューから新入幕までの所要場所数:8場所(歴代2位)

通算成績

  • 通算成績:157勝116敗2休(21場所)
  • 幕内成績:86勝92敗2休(12場所)

各段優勝

  • 十両優勝:1回(2024年11月場所)
  • 幕下優勝:1回(2022年3月場所)
  • 三段目優勝:1回(2021年11月場所)

三賞・金星

  • 三賞:2回
    • 敢闘賞:2回(2023年3月場所、2025年1月場所)

場所別成績

さらに見る 一月場所 初場所(東京), 三月場所 春場所(大阪) ...
金峰山 晴樹
一月場所
初場所(東京
三月場所
春場所(大阪
五月場所
夏場所(東京)
七月場所
名古屋場所(愛知
九月場所
秋場所(東京)
十一月場所
九州場所(福岡
2021年
(令和3年)
x x x x x 三段目付出100枚目
優勝
70 
2022年
(令和4年)
西幕下59枚目
52 
西幕下34枚目
優勝
70 
西幕下4枚目
52 
西幕下筆頭
61 
西十両12枚目
105 
西十両7枚目
87 
2023年
(令和5年)
東十両5枚目
114 
東前頭14枚目
114
東前頭5枚目
411 
東前頭10枚目
78 
東前頭10枚目
96 
西前頭7枚目
87 
2024年
(令和6年)
東前頭6枚目
78 
東前頭7枚目
672[注 2] 
西前頭10枚目
87 
西前頭8枚目
411 
西前頭12枚目
411 
西十両筆頭
優勝
123 
2025年
(令和7年)
西前頭14枚目
123[注 3]
西前頭5枚目
69 
西前頭8枚目
 
x x x
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。    優勝 引退 休場 十両 幕下
三賞=敢闘賞、=殊勲賞、=技能賞     その他:=金星
番付階級幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口
幕内序列横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列)
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合い口

2025年3月場所終了現在

(以下は最高位が横綱・大関の現役力士)

  • 横綱・豊昇龍には1敗。他に優勝決定戦で1敗がある。豊昇龍の横綱昇進後は対戦なし。
  • 大関・琴櫻には1勝2敗。琴櫻の大関昇進後は1勝。
  • 大関・大の里には1勝1敗(不戦敗1を含む)。大の里の大関昇進後は1勝。
  • 元大関・髙安には1勝1敗。
  • 元大関・正代には3勝3敗。
  • 元大関・御嶽海には4勝2敗。
  • 元大関・朝乃山には1敗。
  • 元大関・霧島には2勝1敗。霧島の大関在位中は1勝。

(以下は最高位が横綱・大関の引退力士)

幕内対戦成績

さらに見る 力士名, 勝数 ...
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※カッコ内は勝数、負数の中に占める不戦勝、不戦敗の数。太字は2025年3月場所終了現在、現役力士

改名歴

  • 金峰山 晴樹(きんぼうざん はるき)2021年11月場所 -

脚注

関連項目

外部リンク

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