Loading AI tools
日本のゲーム作品 ウィキペディアから
『野々村病院の人々』(ののむらびょういんのひとびと)は、1994年6月30日にエルフの姉妹ブランドのシルキーズより発売されたアダルトゲーム。および、それを原作として発売されたオリジナルビデオ(成人向け)とアダルトアニメである。
この項目には性的な表現や記述が含まれます。 |
ジャンル | マルチシナリオ・マルチエンディング方式推理アドベンチャー |
---|---|
対応機種 |
PC-9801VM21以降(PC98) PC-DOS(DOS/V) Windows 3.1(Win3.1) セガサターン(SS) Windows 95/98(Win95) Windows 98/98SE/Me/2000/XP(マルチパック) DVD-Video再生プレイヤー(DVD-PG) Windows 2000/XP(DMM) |
発売元 |
シルキーズ(PC98・DOS/V・Win3.1) エルフ(SS・Win95・マルチパック) イエローピッグ(DVD-PG) DMM(DMM) |
発売日 |
1994年6月30日(PC98) 1995年(DOS/V) 1996年4月26日(SS) 1996年9月27日(Win95) 2003年3月27日(DVD-PG) 2003年10月24日(マルチパック) 2007年3月30日(DMM) |
レイティング |
18禁(PC98・DOS/V・Win3.1・Win95・マルチパック・DVD-PG・DMM) X指定(SS) |
キャラクター名設定 | 不可 |
エンディング数 | 11 |
メディア |
FD:6枚(PC98・DOS/V・Win3.1) CD-ROM:1枚(Win95・マルチパック) DVD:3枚(DVD-PG) |
画面サイズ |
640*400 4bit(PC98) 640*480 4bit(DOS/V) 640*480 8bit(Win3.1・Win95) 640*480 24bit以上(マルチパック・DMM) |
BGMフォーマット |
FM音源(PC98・DOS/V) PCM音源(Win3.1・Win95・マルチパック・DVD-PG・DMM) |
キャラクターボイス |
なし(PC98・DOS/V・Win3.1) 主人公以外フルボイス(SS・Win95・マルチパック・DVD-PG・DMM) |
CGモード | あり |
音楽モード | あり |
回想モード | あり |
メッセージスキップ | 全文/既読 |
オートモード | あり |
備考 |
マルチパック版とDMM版以外はすべてロットアップ済み マルチパック版は『河原崎家の一族』との2作1組 |
本作は、プレーヤーが探偵となり事件を解決していく、いわゆる推理物アドベンチャーゲームに分類されるが、『河原崎家の一族』に次いで採用したマルチシナリオを活かした、場面における判断に重点を置いている。エンディングが19から11に減少した一方、選択肢は2択から3択に増え、難度は高くなっている。
全ての選択肢を試すこともできるが、3つ表示される選択肢を何回目に選択したかでCGに違いがある。ストーリーの進行に繋がる選択肢を最初に選んだ時と、他の選択肢を選んだ後とでは違うCGが用意されている。[1]
また、本作はエルフやシルキーズでは初めて成人指定のまま[注 1]家庭用ゲーム機に移植された。アメリカの成人指定基準X指定に基づき、修正を最低限に留めたセガサターン (SS) 版がそれである。
ある日、医療ミスなど数々の黒い噂が絶えない野々村病院で、院長の野々村作治が死亡した。死因はシアン化合物の注射による中毒死であり、死体のすぐ傍に本人の指紋付きの注射器があったことから、警察はこれを経営苦による自殺と結論付け、マスコミもそのように報じた。
一方、私立探偵で主人公の海原琢磨呂は、ひょんなことから足を骨折して野々村病院へ搬送されることになる。退屈な入院生活に辟易する琢磨呂だったが、院長の死亡事件の噂を聞いて探偵としての血が騒ぎ、独自に聞き込みを始める。そんな矢先、琢磨呂は作治の妻で現院長の野々村亜希子に招かれ、「主人が自殺ではないことを証明して欲しい」と告げられる。
思いがけず捜査の依頼を引き受けることになった琢磨呂は、作治の死亡事件の真相を突き止めるべく、複雑な人間関係が絡み合う病院内での捜査を開始する。やがて、琢磨呂は病院の黒い事実を突き止め、それを亜希子に報告するが、逆に彼女に殺されそうになる。だが、亜希子の側近に当たる人物が、罪を犯してほしくないという思いから、亜希子を手にかける。
その後、院長の殺害事件に入院患者の樹桃子とその担当看護師である間宮千里が関わっていたことが判明する。作治は桃子に性的虐待を振るっており、カレンダーの×印の意味に気づいた千里は桃子に"王子さま"の名義で手紙を送る。普段、桃子は車椅子に乗っているものの実際は歩けたため、作治が常用していた麻薬と毒をすり替えることにより、彼を死に追いやっていた。
退院後、新たな探偵事務所を構えた琢磨呂が、事件のその後について思いを巡らすところで物語は幕を下ろす。
声優陣はSS版のもので、Win95版やアダルトアニメ版では非公開。また、年齢はPC98版当時のもので、マルチパック版以降はコンピュータソフトウェア倫理機構の規定により、非公開となっている。
それぞれに琢磨呂との個別のハッピーエンドが存在する。全てのCGを見ることで野々村マスターの称号が手に入る。[1]
個別のエンディングは存在しない。
1993年12月22日に発売された『河原崎家の一族』に対し、ユーザーからはグラフィックの流麗さやマルチシナリオのもたらす臨場感に高い評価が付いた一方、「もっとストーリー性を持たせたらどうか」という意見も多く寄せられた[2]。それを参考に本作が開発された[2]。
『シルキーズ原画集 Vol.1 -河原崎家の一族&野々村病院の人々-』でのインタビューによれば、開発当初の時点では牧野梨恵と智恵は双子の姉妹ではなく1人で躁鬱の二重人格と設定されており、犯人となる予定だった[3]。ところが、梨恵と智恵を多重人格者から双子の姉妹に設定変更した後になって、企画・シナリオを手掛けた蛭田昌人[注 2]が間宮千里という別のキャラクターが巨乳である点に着目し、犯人役を彼女に変更した[3]。このため、梨恵と智恵が双子であるという理由がほとんどなくなってしまい、双子の説明が物語中で弱くなった[3]。
本作は『河原崎家の一族』に次いでヒット(SS版の販売数は40万本超[4])となった。2作連続のヒットによって自信を付けた蛭田は、エルフでも『同級生2』の次に、愛も萌えも無い凌辱系の作品『遺作』をリリースすることになる。
ゲームクリエイターの川上大典は、『ゲームプランとデザインの教科書 ぼくらのゲームの作り方』に寄せた文章の中で、シーズウェアの『EVE burst error』が本作から影響を受けていると指摘しており、その例として探偵を主人公にしていることを挙げている[5]。
『野々村病院の人々 THE ANIMATION』のタイトルで、ピンクパイナップルより1996年11月に前篇が、1997年1月に後篇が発売された。全2巻。各巻30分。1998年11月6日には前篇が、1998年12月4日には後篇がDVD化。2006年7月28日にはその廉価版が、前後篇同時に発売された。
設定はアダルトゲーム版準拠だが、シナリオが大幅にアレンジされており、異なる真相を迎える。
ピンクパイナップルより1996年3月8日に発売された。全1巻。75分。成人指定。
アダルトゲームを原作としている点で、当時の実写オリジナルビデオとしては異色とされている。内容については、伊藤涼子が探偵ではなく海原琢磨呂の単なる弟子であったり、琢磨呂や看護婦たちがアダルトゲーム版より軽々しくセックスに興じるなど、大幅にアレンジされている。なお、後に発売されるSS版で涼子の声を演じることとなる声優の岡本麻弥がそれに先駆けて顔出しで涼子役を演じているが、パンチラシーンはあるもののベッドシーンはない。
2009年9月10日からはFANZA動画(旧:DMMアダルト[6]→DMM.R18)によるインターネット配信が行なわれている[7]。
ワニブックスより『野々村病院の人々』 (ISBN 484703144X) が1995年6月10日に、続巻『野々村病院の人々 外科病棟』 (ISBN 4847031792) が1996年2月25日に発売された。全2巻。
前者はアダルトゲーム版を原作としたアレンジであるが、後者は前者の後日談に当たる直接の続編となっており、野々村病院での新たな殺人事件に海原琢磨呂が挑む。なお、両者を通じて伊藤涼子がメインヒロインとして描かれている。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.