上付き添字 ˡ の後に続く子音については「側面開放 」をご覧ください。
有声歯茎側面接近音 (ゆうせいしけいそくめんせっきんおん、英 : Voiced alveolar lateral approximant )は、一部の音声言語 で使用される子音 の一種である。歯 、歯茎 、および後部歯茎 側面 接近音 を表わす国際音声記号 は ⟨ l ⟩ 、等価なX-SAMPA 記号は l 。
概要 歯茎側面接近音, l ...
歯茎側面接近音 l IPA番号
155 エンコーディング エンティティ (decimal)
& #108;
Unicode (hex)
U+006C X-SAMPA
l
点字
音声サンプル
noicon
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共鳴音 のため、側面接近音はほぼ常に有声である。無声側面接近音 /l̥/ はシナ・チベット語族 では一般的であるが、その他ではめったに見られない。こういった場合、有声化は典型的には子音のおよそ半分あたりから開始する。こういった音と無声歯茎側面摩擦音 [ɬ] が対立する言語は知られていない。
英語のほとんどの変種を含む数多くの言語において、音素 /l/ は特定のコンテクストで軟口蓋化 音(暗いL , dark L)となる。 対照的に、非軟口蓋化型は「明るいL(clear Lまたはlight L)」であり、特定の英語の標準語において母音の前と母音の間に生じる[1] 。一部の言語は明るいLしか持たない[2] 。その他の言語は明るいLを全く持たないか、前舌母音 (特に [ i ] )の前でのみ持つかもしれない。
この音は多くの言語に存在する。
有声歯茎側面接近音の特徴:
調音方法 は接近 であり、これは調音の場所で声道を狭くすることによって生み出されるが、乱気流 を発生させるには十分ではないことを意味する。
[l] には4つの特異的変種が存在する:
歯— 、これは上歯 の位置で舌尖 または舌端 のいずれかを使って調音されることを意味する。
歯歯茎— 、これは歯槽堤 の位置で舌端を、上歯の後ろで舌尖を使って調音されることを意味する。
歯茎— 、これは歯槽堤 の位置で舌尖 または舌端 のいずれかを使って調音されることを意味する。
後部歯茎— 、これは歯槽堤 の後ろで舌尖 または舌端 のいずれかを使って調音されることを意味する。
発声 は有声であり、これは調音の間に声帯が振動することを意味する。
口音 であり、これは空気が口だけから抜けることができることを意味する。
側面音 であり、これは舌の真ん中ではなく、舌の側面を越えて気流を導くことによって生み出されることを意味する。
気流機構 は肺臓 的であり、これは、ほとんどの音と同様に、肺 と横隔膜 だけで空気を押すことによって調音されることを意味する。
言語によって、明るい舌尖または舌端歯茎音、舌端歯歯茎音(フランス語)、または真の歯音(これは稀)を有する。舌端歯歯茎音は大陸言語 に存在する傾向がある[3] 。しかし、真の歯音は一般的に音素 /θ/ を有する言語において、/θ/ の前で異音 的に生じる(例えば英語のheal th )。
歯または歯歯茎
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言語
単語
IPA
意味
注記
アラビア語
湾岸
لين/leen
[l̪eːn]
'いつ'
舌端歯歯茎音。
ハンガリー語
el em
[ˈɛl̪ɛm]
'電池'
舌端歯歯茎音。
イタリア語
mol to
[ˈmol̪ːt̪o]
'大部分、多量'
舌端歯歯茎音。/t, d, s, z, t͡s, d͡z/ の前での /l/ の異音。
マケドニア語
л ево /levo
[l̪e̞vo̞]
'左'
舌端歯歯茎音。
マプチェ語
ḻ afkeṉ
[l̪ɐ̝fkën̪]
'海、湖'
歯間音 。
ノルウェー語
都市東部
anl egg
[²ɑnːl̪ɛg]
'工場'
/n, t, d/ の後での /l/ の異音。
スペイン語
al tar
[äl̪ˈt̪äɾ]
'祭壇'
舌端歯歯茎音。/t/, /d/ の前での/l/ の異音。
スウェーデン語
中央標準[13]
all t
[äl̪t̪]
'全て'
舌端歯歯茎音。
タミル語
புலி /puli
[pul̪i]
'虎'
ウズベク語
[ 要実例 ]
舌端歯歯茎音。円唇非前舌母音間と子音または連接 (英語版 ) 音素間で軟口蓋化。
ベトナム語
ハノイ
l ửa
[l̪ɨə˧˩˧]
'火'
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不定
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言語
単語
IPA
意味
注記
フェロー語
l inur
[ˈliːnʊɹ]
'柔らかい'
語頭では歯音と歯茎音との間で不定だが、母音の直後に続く /l/ は、特に後舌母音の後では、後部歯茎音かもしれない。
フランス語
il
[il]
'彼は'
舌端歯歯茎音と舌尖歯茎音との間で不定。後者が支配的。
ドイツ語
標準
L iebe
[ˈliːbə]
'愛する'
歯歯茎音、舌端歯茎音、舌尖歯茎音の間で不定。
ノルウェー語
都市東部
l iv
[liːʋ]
'生命'
舌端歯歯茎音から舌尖歯茎音へ変化する過程にある。しかし、舌端歯歯茎音がまだ同じ環境において可能であり、/n, t, d/ の後では義務的である。
ポルトガル語
ほとんどのブラジル 方言[46]
l ero-l ero
[ˈlɛɾʊ ˈlɛɾʊ]
'言い逃れ'[48]
歯音から時には歯茎音。他方言では常に同時調音 される。
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概要 軟口蓋化したL, lˠ ...
軟口蓋化したL lˠ lˤ ɫ IPA番号
209 エンコーディング エンティティ (decimal)
& #108; & #736;
Unicode (hex)
U+006C U+02E0 X-SAMPA
5 or l_G or l_?\
音声サンプル
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軟口蓋化した歯茎側面接近音 (velarized alveolar lateral approximant)または暗いL (dark L)は、一部の言語で使用される子音 の一種である。歯茎、歯歯茎、または歯側面接近音であり、軟口蓋化 または咽頭化 の二次的調音 を伴う。この音を表わす国際音声記号 は ⟨ lˠ ⟩ (軟口蓋化側面音)および ⟨ lˤ ⟩ (咽頭化側面音)であるが、軟口蓋化と咽頭化の両方を対象にする専用の文字 ⟨ ɫ ⟩ がおそらくより一般的である。最後の文字は ⟨ ɬ ⟩ (無声歯茎側面摩擦音 )と決して混同してはならない。しかしながら、一部の学者は軟口蓋化した歯茎側面接近音を表わすためにその記号を意地でも使用する(例えばBeal (2004) )。こういった用法は非標準的と見なされている。
この音が歯音または歯歯茎音とすると、それを示すために歯音 補助記号を使用することができるだろう(⟨ l̪ˠ ⟩ 、⟨ l̪ˤ ⟩ 、⟨ ɫ̪ ⟩ )。
軟口蓋化と咽頭化は一般的に舌頂音 のより歯的な調音と関連しているため、暗いLは歯音または歯歯茎音である傾向にある。明い(非軟口蓋化)Lはは歯茎部位へ後方化 する傾向がある。
暗いL という用語は、特にスラブ語派 では、硬いL と同義であることが多い。
特徴
暗いLの特徴:
調音方法 は接近 であり、これは調音の場所で声道を狭くすることによって生み出されるが、乱気流 を発生させるには十分ではないことを意味する。
[ɫ] には4つの特異的変種が存在する:
歯— 、これは上歯 の位置で舌尖 または舌端 のいずれかを使って調音されることを意味する。
歯歯茎— 、これは歯槽堤 の位置で舌端を、上歯の後ろで舌尖を使って調音されることを意味する。
歯茎— 、これは歯槽堤 の位置で舌尖 または舌端 のいずれかを使って調音されることを意味する。
後部歯茎— 、これは歯槽堤 の後ろで舌尖 または舌端 のいずれかを使って調音されることを意味する。
軟口蓋化 または咽頭化 の二次的調音 を持つ。これは、舌の奥または舌根がそれぞれ軟口蓋 または喉の奥に接近することを意味する。
発声 は有声であり、これは調音の間に声帯が振動することを意味する。
口音 であり、これは空気が口だけから抜けることができることを意味する。
側面音 であり、これは舌の真ん中ではなく、舌の側面を越えて気流を導くことによって生み出されることを意味する。
気流機構 は肺臓 的であり、これは、ほとんどの音と同様に、肺 と横隔膜 だけで空気を押すことによって調音されることを意味する。
存在
歯または歯歯茎
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言語
単語
IPA
意味
注記
バシキール語
ҡал а /qala
[qɑˈɫɑ] [ヘルプ /ファイル ]
'年'
軟口蓋化歯側面音。後舌母音コンテクストで生じる。
ベラルーシ語
Бел арусь /belarus'
[bʲɛɫ̪äˈruɕ]
'ベラルーシ'
舌端歯歯茎音。硬口蓋化 形と対立。
カタルーニャ語 al tres
[ˈaɫ̪t̪ɾəs̺]
'その他'
舌端歯歯茎音。/t, d/ の前での /l/ の異音。
古典アルメニア語 ղ եկ /ġek
[ɫɛk]
'舵'
現代アルメニア語では /ʁ/ となる。
アイスランド語
sigl di
[s̺ɪɫ̪t̪ɪ]
'帆走した'
舌端歯歯茎音。珍しい。
カシューブ語
高齢の南東部話者[29]
[ 要実例 ]
舌端歯歯茎音。他の話者では [ w ] として実現される[29] 。
リトアニア語
l abas
[ˈɫ̪äːbɐs̪]
'良い、やあ'
舌端歯歯茎音。硬口蓋化形と対立。
マケドニア語
л укl uk
[ɫ̪uk]
'ニンニク'
舌端歯歯茎音。後舌母音(/u, o, a/ )の前と音節末でのみ存在する。
ノルウェー語
標準的東
tal e
[ˈt̻ʰɑːɫ̪ə]
'会話'
舌端歯歯茎音。/ɔ, oː, ɑ, ɑː/ の前での /l/ の異音。/u, uː/ の後でも生じることがある。しかし、Endresen (1990) によれば、この異音は軟口蓋化していない[56] 。
ポーランド語
東部方言
ł apa
[ˈɫ̪äpä]
'(動物の)手'
舌端歯歯茎音。標準ポーランド語では /w/ と対立。
ロシア語
мал ый /malyy
[ˈmɑ̟ɫ̪ɨ̞j]
'小さい'
咽頭化舌端歯歯茎音。
スコットランド・ゲール語
Mall aig
[ˈmäʊɫ̪ækʲ]
'マレーグ '
/l/ および /ʎ/ と対立。
トルコ語
l al a
[ɫ̪äˈɫ̪ä]
'召使い'
舌端歯歯茎音。硬口蓋化後部歯茎側面音 [ l̠ ] と対立。
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歯茎
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言語
単語
IPA
意味
注記
アフリカーンス語
標準
tafel
[ˈtɑːfəɫ]
'卓'
全ての位置、特に母音の直前以外で軟口蓋化。
アルバニア語
標準
ll ull ë
[ˈɫuɫə]
'喫煙用パイプ'
アラビア語
標準
الله ʼAll ah
[ʔɑɫˈɫɑːh]
'神'
⟨ lˤ ⟩ とも転写される。多くの訛りと方言がこの音を欠いており、代わりに [l] を発音する。
カタルーニャ語
東部方言
cel·l a
[ˈsɛɫːə]
'小部屋'
舌尖音。多くの方言で常に暗い可能性がある。
西部方言
al t
[aɫ(t)]
'(背が)高い'
オランダ語
標準
mall en
[ˈmɑɫ̻ə]
'鋳型(複数形)'
舌端音。北部訛りでは咽頭化、南部訛りで軟口蓋化または後部硬口蓋化。子音および休止の前での /l/ の異音。多くの北部訛り話者は、強く咽頭化された母音状音 [ɤˤ] として末尾の /l/ を実現するが、一部の標準ベルギー語 話者は全ての位置で明るい /l/ を使用する。
一部のオランダ訛り
l aten
[ˈɫ̻aːt̻ə]
'させる'
咽頭化舌端音。全ての位置での /l/ の現実態。
英語
オーストラリア
feel
[fiːɫ] [ヘルプ /ファイル ]
'感じる'
ほとんどの場合舌尖音。北米、オーストラリア、ニュージーランドでは常に暗い可能性がある。
カナダ
ダブリン
一般米語
ニュージーランド
容認発音
南アフリカ
スコットランド
l och
[ɫɔx]
'ロッホ、湖'
スコットランド・ゲール語 からの一部の借用語を除いて常に暗い可能性がある。
ギリシア語
北部方言[64] μπάλα báll a
[ˈbaɫa]
'ボール'
/a o u/ の前での /l/ の異音。
クルド語h (ソラニー )
gâl ta
[gɑːɫˈtʲaː]
'冗談'
ルーマニア語
ベッサラビア 方言
cal
[kaɫ]
'馬'
標準ルーマニア語における非軟口蓋化 [l] に相当する。
セルビア・クロアチア語
л ак / l ak
[ɫâ̠k]
'簡単な'
舌尖音。成節的かもしれない。/ʎ / と対立。
ウズベク語
[ 要実例 ]
舌尖音; 円唇非前舌母音と子音または連接 音素間。その他の場所では非軟口蓋化歯歯茎音。
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