概要
『古事記』では豊雲野神、『日本書紀』では豊斟渟尊(トヨクムヌ)と表記される。
『古事記』において神世七代の第二代の神とされ、『日本書紀』では天地開闢に登場する神世七代の第三代の神とされる。また神世七代の最後の独神である。
「豊かな(=トヨ)雲(=クモ、ノ)」の意であり、雲を神格化した存在とされる[1]。
『古事記』原文にはアクセントの注記があり、「雲」は音を上げて発音するため、神名は「豊雲、野」ではない。従って名義は「豊かな野で、雲の覆う野」と考えられる[2]。
記述
『古事記』では、神代七代の二番目、国之常立神の次に化生したとしている。国之常立神と同じく独神であり、すぐに身を隠したとある。
『日本書紀』本文では、天地開闢の後、国常立尊、国狭槌尊の次の三番目に豊斟渟尊が化生したとしており、これらの三柱の神は男神であると記している。
第一の一書では、国常立尊・国狭槌尊の次の三番目に化生した神を豊国主尊(とよくにぬしのみこと)とし、別名がして豊組野尊(とよくむののみこと)、豊香節野尊(とよかぶののみこと)、浮経野豊買尊(うかぶののとよかふのみこと)、豊国野尊(とよくにののみこと)、豊齧野尊(とよかぶののみこと)、葉木国野尊(はこくにののみこと)、見野尊(みののみこと)であると記している。「豊」がつく名前が多く、豊雲野神・豊斟渟尊と同一神格と考えられている。第二から第六の一書には、同一神とみられる神名は登場しない。
『古事記』・『日本書紀』とも、これ以降、豊雲野神が神話に登場することはない。
祀る神社
脚注
参考文献
外部リンク
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