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第101建設隊(だい101けんせつたい、JGSDF 101st Railway Construction Unit)は、陸上自衛隊で唯一の鉄道部隊である。
発足当初の隊員数は約120名で、本建設隊の目的には鉄道連隊とは異なり、外地での活動は含まれていなかった。主目的は、災害などで被害を受けた鉄道の復旧や自衛隊の補給任務であり、また、国鉄のストライキ時の輸送の確保、日本領土内が戦場となった際の国民への食料輸送であった[1]。
昭和30年代までの日本は道路網が未発達であったが、交通輸送手段としては日本国有鉄道(国鉄)の路線が全国津々浦々に展開しており、有事の際にはこれに依存し最大限活用しなければならなかった。しかし、当時国鉄においては労働運動が活発で、労働争議(ストライキ)が頻発しており、事態を憂慮した陸上幕僚監部は、急遽鉄道専門部隊を設立することを決めた。国鉄から9600形蒸気機関車1両(9677)を購入し、陸軍鉄道連隊が使用していた演習線のうちの、習志野線の一部[2]を取得。列車の運転や整備のみならず、線路の建設・維持、測量・抗朽から架橋、ポイント・信号機の操作等多岐に渡った。島松、霞ヶ浦、古河、桂などの補給処専用線やプラットホームの新設・改修も行った。災害派遣においても国鉄路線の復旧に尽力し、その能力を遺憾なく発揮した。
にもかかわらず僅か6年余りで解隊に至ったのは、急速に進むモータリゼーションに伴う高速道路網の整備と、その趨勢に従い陸上幕僚監部が本隊の意義を予算当局に対し説得出来なかった(下記の通り高額な維持費も一つの要因)といわれている。
動力近代化計画によって国鉄の近代化が進むにつれ、鉄道の動力車の主力は蒸気機関車からディーゼルカーや電車になっていくが、本建設隊の主力機は9600形蒸気機関車であった。電気機関車や電車では架線を攻撃されて破損したときに列車を運行できないことが蒸気機関車を主力機としていた理由である。しかし、9600形蒸気機関車は維持費がかかるため、会計検査院から「防衛費の無駄遣い」と指摘され、本建設隊解散の一つの要因となった。使用していた9600形蒸気機関車は朝霞駐屯地内に保存する話も浮上していたが、輸送費に250万円もかかることがわかり、保存はかなわず、解体された[3]。
第101建設隊
江田島の切串地区にある海上自衛隊の呉弾薬整備補給所には、弾薬類を運搬するための専用軌道が敷かれていた。2010年ごろまでに使用を終了。軌道の撤去も進んだが、2024年3月11日現在も軌道が一部残っている。[10]
車両は小型のディーゼル機関車と貨車を使用。1959年に加藤製作所製のディーゼル機関車を導入した。1992年には堀川工機製のディーゼル機関車(車軸配置B、牽引能力7t)[11]が導入され、加藤製作所製のディーゼル機関車は老朽化のため1994年に処分された。[10]
最後まで使われた車両も老朽化のため2015年に処分が決まったが、海上自衛隊に残る唯一の鉄道車両であることが評価されて静態保存されることになった。保存先は呉弾薬整備補給所ではなく、かつて呉線につながっていた引込線で同型の機関車が導入されていたことや、視察・研修者が多く広報効果が見込まれるといった理由から呉造修補給所に。2017年から展示されている。[10]
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