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人間の性風俗や生物の性に関する古今東西の文物を収蔵した施設 ウィキペディアから
秘宝館(ひほうかん)は、性風俗や人間の性・生物の性に関する古今東西の文物を収蔵した施設。
この項目には性的な表現や記述が含まれます。 |
元来は性風俗に限らず、歴史的に重要な古今東西の珍品・秘宝を収蔵した施設を表すが、「○○秘宝館」は性風俗に関係する物品を陳列する施設とほぼ同一でおもに性や性風俗を扱う施設を婉曲的に表現する。
日本最初の秘宝館は1969年4月にオープンした徳島県の「男女神社秘宝館」である。1972年に京都科学標本が協力した伊勢の「元祖国際秘宝館」が開業[1]する。後年に温泉街など大規模な観光スポットを中心に全国で作られるようになり、会社などの団体旅行が全盛した1970年代後半から1980年代頃に最盛期を迎えた。1970年代後半以降の秘宝館は、男性客だけでなく女性客も視野に入れたり、東宝などの映像・舞台美術業者の制作によるアミューズメント型の展示を行う施設なども多く見られるようになった[1]。
1990年頃から団体旅行客の減少や社会の洗練により忌避されて次第に入館者が減少し[2]、多くの秘宝館が閉館した。1990年代中頃から都築響一らによって各地の秘宝館が雑誌や番組で紹介され[3]、怖いもの見たさやアウトサイダーアート的な過剰表現など秘宝館を見直す動きもある。東北サファリパークに1980年から併設されていた秘宝館が、2006年に観客からの通報により警察の捜査を受けて経営者がわいせつ図画陳列で逮捕される。
性に関する物品を集めた私設博物館は、1960年代の性の革命やフリーセックスなどの文化や風潮を背景にヨーロッパをはじめ世界各国に開設されており、21世紀に入ってアジア各国などにも広がりを見せている。普通は「飾り窓」など各都市の売春地区やポルノショップの集まる場所に作られ、「セックスミュージアム」(sex museum、Musée de l'érotisme)、「エロティックミュージアム」(erotic museum) などと呼ばれている。
日本の秘宝館は、蝋人形などや大掛かりな機械仕掛けを多用して妄想世界を再現した「エンターテイメント系またはレジャー系秘宝館」と性風俗に関係した物品を収集・展示した「コレクション系秘宝館」がある。エンターテイメント系秘宝館は、蝋人形や機械などの設置と維持に多額の費用を要し、企業体が営利目的で運営していることが多く、採算が合わなければ閉館する事例が多い。エンターテイメント系秘宝館は、「元祖国際秘宝館」(三重県度会郡玉城町)系列など秘宝館を全国で複数運営する事例や、東京ドームの系列会社アタミロープウェイが静岡県熱海市で運営する「熱海秘宝館」などがある。コレクション系秘宝館は、おもに地元の好事家が収集した性風俗品を展示して個人が運営していることが多い。
2019年に、閉館した秘宝館の展示物を譲り受けた個人が、収集品の一部を展示するバー「ニュー秘宝館」を豊島区に開業した。[4]
(済州島)
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