磐城常葉駅
福島県田村市船引町今泉にある東日本旅客鉄道の駅 ウィキペディアから
磐城常葉駅（いわきときわえき）は、福島県田村市船引町今泉字田中にある、東日本旅客鉄道（JR東日本）磐越東線の駅である[1]。
駅名について
駅名に「常葉」と付くものの、田村市常葉町（旧・田村郡常葉町）には所在しておらず、常葉町の中心へは約4kmの距離がある。これには次の経緯がある。
本来の計画では常葉町七日市場地区に駅が設けられ、同町関本地区を経由して大越駅に抜ける予定であったが、鉄道敷設に反対の声が上がった。それは三春町から物資輸送を担当していた60台からなる馬車組合と農地解放を渋る農民であった。
また、政治的な感情も鉄道敷設問題に影響した。当時、憲政会と立憲政友会の対立が強まりつつあった。常葉町民は明治初期に当地の戸長を歴任した河野広中を絶対支持しており、河野が所属する憲政会の勢力が強い地域であった。そこで憲政会を支持する町民は、この鉄道敷設計画は憲政会と対立する立憲政友会の西園寺公望を総理とする政府の計画であるとして反対運動を展開した。この結果、計画は変更となり常葉町を避けて敷設された。（参考：福島県史17）
常葉町町民は、開通後に鉄道の利便性と重要性に気付き、町から最短距離にある船引町今泉地区に町名を冠した駅の新設を請願した。その際に駅敷地を町民の寄付によって提供することを条件とし、1921年（大正10年）に開設した。当駅が磐越東線全通（1917年）より後の開業であるのも上記の理由による。
なお、常葉町中心部から当駅までは距離があり、客馬車の便がある船引駅へ出る方が容易な位であったため、常葉町民は当駅の設置後も利便性を受益出来ず、省線の町への引込み運動を展開したが不調に終わった。それでも諦め切れなかった町民有志は常葉軌道株式会社を設立し、常葉町中心部と磐城常葉駅を繋ぐ計画を立てた。常葉軌道は軌道敷が竣工し、列車の試運転を行い開業寸前だった昭和8年に経営不振から解散することとなった。（参考：常葉町史）
年表
- 1921年（大正10年）4月10日：鉄道省の駅として新設[1][2]。
- 1962年（昭和37年）3月15日：貨物取扱廃止[3]。
- 1984年（昭和59年）2月1日：荷物扱い廃止[3]。
- 1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化に伴い、JR東日本の駅となる[3][2]。
- 1989年（平成元年）3月11日：全線CTC化に伴い、簡易委託駅化[4]。
- 2007年（平成19年）3月1日：簡易委託解除、無人駅化。農協・簡易郵便局も閉鎖。
- 2012年（平成24年）12月6日：新駅舎完成[1][5]
- 2016年（平成28年）4月1日：三春駅業務委託化に伴い、管理駅を郡山駅に変更。
- 2024年（令和6年）10月1日：えきねっとQチケのサービスを開始[6]。
相対式ホーム2面2線を有する地上駅[1]。両ホームは構内踏切で連絡している[1]。
2007年2月までは、農協・簡易郵便局併設の簡易委託駅となっていたが、現在は郡山駅管理無人駅である。2012年（平成24年）12月6日に落成した駅舎は鉄骨造り平屋建て75.7平方メートルで、背景の山に溶け込むように大きな三角屋根を設け、縦格子状の日除けを備えている[7]。
のりば
（出典：JR東日本:駅構内図）
待合室（2021年10月）
ホーム（2021年10月）
構内踏切（2021年10月）
JR東日本によると、2000年度（平成12年度）- 2005年度（平成17年度）までの1日平均乗車人員の推移は以下の通り。
- 牧野川
- 田村今泉簡易郵便局
- 福島県道19号船引大越小野線
- 福島県道113号常葉芦沢線
- 国道349号
- 旧今泉小学校 ※この前に桜交通の東京駅行き高速バスのバス停が設置されている[14]。
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