Loading AI tools
日本の伝統的な照明器具の一つ ウィキペディアから
灯籠(とうろう)は、東アジアの伝統的な照明器具の一種であり、日本・中国・朝鮮半島・ベトナムなどの国々に広く分布している。
本ページでは、固有名詞を除き、漢字表記は厳格に『常用漢字表』に準拠し、「灯籠」の表記に統一する。
元は文字通り、灯(あかり)籠(かご)であり、あかりの火が風などで消えないように木枠と紙などで囲いをしたものである。木枠で小型のものは神棚などで用いられる。また、寺院の庭園など屋外には堅牢な石灯籠や金属灯籠(銅灯籠など)が設けられる。吊下型の吊下灯籠もある。
灯籠は仏教の伝来とともに渡来し、寺院建設が盛んになった奈良時代から多く作られるようになり[1]、多くは僧侶が用いたとされる。平安時代に至ると、神社の献灯としても用いられるようになる[2]。その後室内で用いるものは行灯(あんどん)、折りたたみ式で携帯も可能なものは提灯と分化した。灯籠と言った場合、神社、寺院や旧街道などに多く存在する屋外の固定式を指すことが多い。また仏具としての室内用の灯籠(置灯籠・釣灯籠)や祭礼用などで移動可能なものもある(青森のねぶた祭り、熊本の山鹿灯籠など)。近代以前は港に設置され灯台(常夜灯)としても使用された。
光源としては、油やろうそくが用いられた。現代では電気やプロパンガスによるものもある。日本庭園における石灯籠のように実用ではなく装飾目的になっているものもある。
灯籠はもともと仏像に清浄な灯りを献じるために仏堂などの前面に配置された。古代寺院においては、伽藍の中軸線上に1基置かれるのが通例だった。そのため、左右非対称の伽藍には灯籠の遺構は見られず、中軸線が確認できる伽藍においてのみ確認されている。これは平安末から中世における浄土寺院においても同様である[3]。
神社では、神前の「みあかし」用、献灯用に灯籠が用いられる。また、庭上用、社頭装飾用等にも使用される。なお、神社での灯籠の種類は、木灯籠、金灯籠、石灯籠、釣灯籠、懸灯籠等に分類される。ところで、神葬祭や夜間の神事では、陰灯(かげとう)を使用する。これは陰灯籠(かげとうろう)とも言う。降神、昇神、遷座の儀など、灯火を消して行う浄暗中の神事に、明かりを隠して、かすかに一方だけを照らすためのもの。陰灯は檜薄板製で長方形の箱状で正面には長方形の小穴があり、明かり取りとし、中で蝋燭をともす。
日本には飛鳥時代に仏教が伝来したのと同時に灯籠が伝来した。初期はその多くが「献灯」と呼ばれ、社寺に設置されていたが庭園文化の発達と共に園内に鑑賞目的で石灯籠が設置されるようになった。石質は花崗岩が主流で、その中でも御影石は石灯籠の中で最も多い。
上からの各部の名称
小堀遠州の意匠によるもので、笠が特徴的で、小堀家の家紋である七宝紋の彫りのあるものもある。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.