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『猫と庄造と二人のをんな』(ねことしょうぞうとふたりのおんな)は、谷崎潤一郎の長編小説。猫のリリーを中心に、2人の女と1人の男の三角関係を描いた物語。
1936年(昭和11年)、雑誌『改造』1月号と7月号に掲載された[1][2]。単行本は1937年(昭和12年)7月に創元社より刊行された[3]
庄造の前妻・品子は現在の妻・福子に対し、雌猫のリリーを譲って欲しいという手紙を出した。福子は夫の庄造に「譲ってあげなさい」と言うが、彼にはそういう意志はない。福子は自分以上にリリーが夫に大事にされている状況に耐えられなかったのだ。夫婦喧嘩の末に、庄造は猫を品子に譲ることに同意する。
リリーは以前にも他人に譲られたことがあったが、その時も自らの意志で庄造のもとに戻って来たので、彼は今回もそうなるだろうと期待していた。リリーが品子の所に移って、庄造は雌猫を思い出しては懐かしんだ。品子のもとに到着したばかりのリリーは品子になつかず、彼女の思った通りに動いてくれない。猫の面倒を診ることがこんなに大変だとは彼女にしてみれば予想外だった。しかし次第に両者ともに打ち解け合い、品子は猫とはこんなにもかわいいものかと思い始める。庄造はリリーが恋しくてたまらず品子の留守中にこっそりと家を訪ねる。虐められていやしないかと心配していたが、意外にもリリーが大切に飼われている痕跡を見つけ、安堵する。リリーと久しぶりに会ったのもつかの間、品子が帰宅し、庄造は見つからないよう慌てて家を後にする。
1956年10月9日「猫と庄造と二人のをんな(映画)」公開。製作は東京映画、配給は東宝。キネマ旬報ベストテン第4位。
かつて会員制ビデオ販売機構キネマ倶楽部から「日本映画傑作全集」としてVHSが発売されていた。
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