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日本の漫画原作者 (1947-) ウィキペディアから
武論尊(ぶろんそん、本名:岡村 善行(おかむら よしゆき)、男性、1947年6月16日 - )は、日本の漫画原作者。血液型はO型。別ペンネームは史村 翔(ふみむら しょう)。
長野県南佐久郡野沢町(現・佐久市)出身[1][2][3]。貧しい農家の末っ子で佐久市立野沢中学校を卒業後に高校へ進学せず、15歳の時に自衛隊生徒として熊谷基地の航空自衛隊に入隊[4][注釈 1]。自衛隊時代は三等空曹として福岡県と佐賀県の境にある航空自衛隊脊振山レーダー基地に勤務。よど号事件発生時にもレーダーの運用を行っていた。
7年間在職した自衛隊を除隊後、コンピュータの専門学校に通ったが、1971年の暮れ頃、自衛隊生徒時代の同期であった本宮ひろ志の仕事場にアシスタントとして転がり込む。だが、絵は苦手で昼間から麻雀ばかりしていたという。人に好かれる話術に長けていたのと、本宮が『武蔵』[5]を連載する際の資料集めが丁寧だったことから、担当編集者であった西村繁男から指南を受け、漫画原作者への道を紹介される。
1972年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)掲載の『五郎くん登場』(作画:ハセベ陽)で原作者デビュー。しばらくは原作者として成功できず、出す作品も短期打ち切りが続いていたが、1975年、平松伸二と組んだ『ドーベルマン刑事』(週刊少年ジャンプ)がヒット。人気原作者の仲間入りを果たす。
1983年、編集者の堀江信彦に請われ、『北斗の拳』(週刊少年ジャンプ)の原作を担当。大ヒット作となる。
1990年、池上遼一と組み『サンクチュアリ』(ビッグコミックスペリオール)を連載。これ以降、池上の漫画原作を多く手掛ける。
2017年7月20日、「進学が困難な若者に、勉学に励んで夢をかなえてほしい」と、出身地の佐久市に4億円を寄付。これを原資に佐久市は奨学基金を設立する[1][6]。同時に漫画家や漫画原作者を目指す若者らを対象とする「武論尊100時間漫画塾」が開講されることになった。その運営費は武論尊本人が負担する形だった[1]。2022年、奨学金制度を継続するため、更に4億円を寄付した[7]。
『北斗の拳』のパチスロなど、それらに対する版権許諾要望等には柔軟な対応を示す一方、それが台詞の改変を含む「オリジナルの変更」を伴う場合は厳しい姿勢で臨むことでも知られている。この対応には、インタビューで「作画者および読者に対する当然の配慮」であると述べている。
「武論尊」のペンネームは、本宮プロで居候時に映画『さらば友よ』を見に行き、チャールズ・ブロンソンに似ているという話になって本宮プロのスタッフから「ブロンソン」のニックネームで呼ばれるようになり、「ブーちゃん」というニックネームとして定着していたため、デビュー時に漢字を当てて「武論尊」(ぶろんそん)とした。なお似ていると言い出したのは自称らしく、他のスタッフに言わせたのが始まりとのこと[8]。
「史村翔」のペンネームは、1973年に『週刊少年マガジン』でシリーズ連載した『球豪伝』の際に、本名である岡村善行をローマ字「OKAMURA YOSHIYUKI」にして、そのアルファベットから組み替えて作った(いわゆる「アナグラム」)「SHIMURA SYO」(しむら しょう)に漢字を当てたものが初めに考案された。講談社の担当が「し」に当てる漢字を「史」に変更して「ふみ」と読むことを提案して、「史村翔」(ふみむら しょう)に決定された[9]。
作品によって「武論尊」と「史村翔」の名義を使い分ける。これは人気漫画となっていた『ドーベルマン刑事』連載中に『週刊少年ジャンプ』編集部が他誌での連載を許さない「専属契約」締結を求めたが、他誌でもやりたいこと(『ファントム無頼』)があったため拒否して揉めた事が原因である。結局フリーのまま『ドーベルマン刑事』を続けることになり、「武論尊」名義では主に集英社での連載で、「史村翔」名義では集英社以外での連載で使い分けることになった[10]。しかし「strain」執筆時に作画担当の池上遼一よりリクエストを受け「武論尊」名義を使用してからは、アクション系の作品では「武論尊」、それ以外でのコメディー系やシリアス系の作品では「史村翔」と作風によって使い分けている。
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