東京湾フェリー株式会社(とうきょうわんフェリー)は、神奈川県横須賀市に本社を置く海運会社。同市久里浜から東京湾を横断し、千葉県富津市金谷までを結ぶ貨客フェリーを運航している。
概要
東京湾の入口にあたる浦賀水道を横断し、三浦半島と房総半島を約40分で結んでいる。なお、この航路は国道16号並びに太平洋岸自転車道における実質的な海上区間を成している[2][3]。
2008年6月より、乗船券の支払いにクレジットカードのほかに鉄道のIC乗車カード(PASMO等)も利用できるようになった[4]。
沿革
前史
東京湾フェリー
- 1957年(昭和32年)9月27日 - 東亜海運を母体として東京湾フェリーが新規発足[9][7][10]。。
- 1960年(昭和35年)5月3日 - 運行開始(久里浜港 - 金谷港間航路で2隻による自動車航送)[9][10][11][12]。
- 1962年 - 社名を東京湾フェリーに変更。
- 1964年3月28日 - 浦賀港 - 金谷港間航路を廃止。
- 1966年 - 3隻態勢に移行[11]。
- 1966年7月11日 - 横浜港 - 木更津港間航路就航。
- 1972年9月30日 - 横浜港 - 木更津港間航路を廃止。
- 2008年6月 - PASMOが利用できるようになる(2013年3月までに交通系ICカード全国相互利用サービス対応カード9種類が利用できるようになる)。
- 2010年3月 - 利用客の減少に伴い3隻態勢から2隻態勢に変更[11]。
航路
全盛期は3隻による運航を続け、1994年度には年間利用客は約280万人に達した[11]。
その状況を一変させたのが、1997年(平成9年)12月18日に開通した東京湾アクアラインである。翌年度(1998年)の年間利用客は約194万人にまで減少した[11]。
これに追い打ちをかけたのが、2009年8月のアクアライン通行料金のETC普通車800円への値下げで、同年度の年間利用客は約98万人まで落ち込み[11]、輸送車両数も値下げ前の2008年度より約3割減少したため[13]、2010年以降は2隻での運航となっている。
- 所要時間:約40分
- 出航時間:6時20分から19時30分まで
- 運航間隔:約1時間おき(ドック期間を除く)
船舶
就航中の船舶
- 1991年8月竣工、1992年4月就航。3,580総トン、全長79.0m、幅16.7m、出力4,400ps、航海速力13.5ノット(約24km/h)、最高速力15.0ノット。
- 旅客定員580名。車両積載数:トラック36台・乗用車110台・バス16台。新浜造船所(玉野)建造。
過去に就航していた船舶
- くりはま丸 (初代)
- 1960年5月3日就航[12]。497総トン、全長43.70m、幅12.19m、深さ3.7m、最大速力14.0ノット、旅客定員700名、トラック12台、大型バス9台、乗用車35台
- かなや丸 (初代)
- 1960年5月3日就航[12]。496総トン、全長43.70m、幅12.19m、深さ3.7m、最大速力14.1ノット、旅客定員700名、トラック12台、大型バス9台、乗用車35台
- きさらづ丸 (初代)
- よこはま丸
- 492総トン、全長47.28m、幅13.35m、深さ3.4m、最大速力14.0ノット、旅客定員700名、トラック13台、大型バス10台、乗用車45台
- きさらづ丸 (2代)
- 498総トン、全長47.28m、幅13.35m、深さ3.4m、最大速力13.9ノット、旅客定員700名、トラック13台、大型バス10台、乗用車45台
- とうきょう丸
- 584総トン、全長47.31m、幅13.40m、深さ3.5m、最大速力13.9ノット、旅客定員700名、トラック13台、大型バス10台、乗用車45台
- くりはま丸 (2代)
- 新かなや丸
- 888総トン、全長57.41m、幅13.70m、深さ3.96m、最大速力15.7ノット、旅客定員1000名、トラック22台、大型バス15台、乗用車70台。大都会 PARTIII第42話でシージャックされニトログリセリンをセットされた下記しらはま丸 (初代)にブリッジからすれ違い時にサーチライトで停船命令を出したフェリーとして登場。
- くりはま丸 (3代)
- 1017総トン、全長67.5m、旅客定員590名、トラック27台、大型バス16台、乗用車75台
- かなや丸 (2代)
- 1199総トン、全長71.2m、最大速力13.0ノット、旅客定員580名、トラック30台、大型バス16台、乗用車90台
- しらはま丸 (初代)
- 1969年4月就航、田熊造船建造、東京湾フェリー史上、唯一の両頭船。
- 1599総トン、全長77.5m、幅16.4m、深さ4.9m、ディーゼル1基、3,400馬力、航海速力13.0ノット、旅客定員720名、トラック35台、大型バス19台、乗用車90台。交通博物館に船舶模型が展示されていた他、大都会 PARTIII第42話、西部警察 PART-II第1話でシージャックされニトログリセリンをセットされたフェリーとして登場。
- くりはま丸 (4代)
- 1986年1月竣工、同年7月就航、2001年改造。2,796総トン、全長78.8m、幅16.3m、出力3,200ps、航海速力13.0ノット(約24km/h)、最高速力15.0ノット。
- 旅客定員570名。車両積載数:トラック36台・乗用車110台・バス16台。林兼造船(長崎)建造。
- 2009年度決算発表で、くりはま丸は経費節減のため売却する方針となり、2010年からの3隻運航取りやめにより運航から離脱。同年7月に、フィリピンのセブ島にある会社に売船された。
- くりはま丸
- 「くりはま丸」の船内(売店)
- 車輌デッキの様子
本社・支店
- 本社
- 神奈川県横須賀市久里浜8-17-5
- 支店
- 久里浜支店 - 神奈川県横須賀市久里浜8-17-20(久里浜港)
- 金谷支店 - 千葉県富津市金谷4303(金谷港)
アクセス
鉄道・路線バス
久里浜港
金谷港
道路
久里浜港
金谷港
連絡運輸制度
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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