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2011年に公開された日本のアニメ映画 ウィキペディアから
『映画 スイートプリキュア♪ とりもどせ!心がつなぐ奇跡のメロディ♪』(えいが スイートプリキュア とりもどせ!こころがつなぐきせきのメロディ)は、2011年10月29日公開の劇場用アニメーション映画。
映画 スイートプリキュア♪ とりもどせ!心がつなぐ奇跡のメロディ♪ | |
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監督 | 池田洋子 |
脚本 | 大野敏哉 |
原作 | 東堂いづみ |
出演者 |
小清水亜美 折笠富美子 豊口めぐみ 大久保瑠美 三石琴乃 工藤真由 日髙のり子 堀内賢雄 小林由美子 南央美 |
音楽 | 高梨康治 |
主題歌 |
『ラ♪ラ♪ラ♪スイートプリキュア♪〜∞UNLIMITED∞ ver.〜』 工藤真由 『♯キボウレインボウ♯』 池田彩 |
撮影 | 渡辺佳人 |
制作会社 | 東映アニメーション |
製作会社 | 2011 映画 スイートプリキュア♪製作委員会 |
配給 | 東映 |
公開 | 2011年10月29日 |
上映時間 | 70分[1][2] |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 8億9000万円 |
前作 |
映画 プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ! 世界をつなぐ☆虹色の花 映画 ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?(シリーズ前作) |
次作 |
映画 プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち 映画 スマイルプリキュア! 絵本の中はみんなチグハグ!(シリーズ次作) |
キャッチコピーは「映画に新しいプリキュアが登場!!」、「音楽の国で希望のシンフォニーが鳴り響く!!」。
プリキュアシリーズ映画作品の第11作目であり、『スイートプリキュア♪』の単独映画作品。テレビアニメ放送開始前から、単独劇場版の制作決定と公開年月が公表されていた[3]。
今までのシリーズの単独映画は、テレビ本編の番外編という位置づけだったが、本作は初めて本編との関連性を明示しており、本編における36話と37話の間の出来事を描き、中盤のクライマックスの展開を補填するサイドストーリーだとされている[1][4]。このような連動を行うことになった背景として、テレビシリーズのプロデューサーで、本映画作品でも企画・プロデュースを担当した梅澤淳稔は、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の発生に伴いテレビシリーズの放送スケジュールにずれが生じ、キュアミューズの正体が判明する時期と映画の上映時期が重なったことを挙げている。このため2月の時点で映画の企画が立ち上がりシナリオも組み上がっていたのを全部白紙にした上で、本編と連動させて盛り上がってしまおうと方針を転換したという[5]。
プリキュアの単独映画は、基本的に本編では登場しない異世界[注 1]を舞台にしているが、本作ではメイジャーランドを舞台としており、そこで暮らす少女の家族の物語となる。これに関連して本作オリジナルのゲストキャラクターには、本編には登場していないメイジャーランドにまつわる人物が登場する[1]。
本作では初めて劇場作品にキュアビートとキュアミューズ、そしてフェアリートーンが登場する[注 2]。特にキュアミューズについては上映直近の話である35話・36話で正体が判明するため、それを秘匿する意味で、特報や予告編、キービジュアルなどではこれまでの黒い仮面姿のミューズを登場[注 3]させる一方で、真の姿のミューズについても、これまでのミューズとは別の、新しいプリキュアの登場を示唆する形でその姿を見せていた。また公式サイトのイラストでもミューズのキュアモジューレを、胸の前で手を組ませたりハミィを抱かせたりして隠したほか、キャスト部分でも役名は一切掲載されていなかった[6]。
本作でも鑑賞者参加型のシステムは継続され、今回は「ミラクルライトーン」というミラクルライトが中学生以下の子供に配布される。それと同時に前作では廃止されたミラクルライトの使用解説が本作では復活、本作ではハミィとフェアリートーン全員の計9名で行う[注 4]。さらにエンディングにはCGダンスが盛り込まれる前にダンスの説明も挿入され、「前説、本編、後説」の構成を70分でまとめている[1]。梅澤は、本作ではミラクルライトに変わるような、主題である音楽を元にした新しい企画を考えていたが、映画館で音を出すのは問題があるとしてライトを継続したとしている[5]。他にも子供の鑑賞者には、「ニャンバイザー」と呼ばれるサンバイザーが配布される[注 5]。
スタッフは、『スイートプリキュア♪』の本編で初めてプリキュア作品に携わるようになった池田洋子を監督に起用、女性監督としては前年の『映画 ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?』の松本理恵に続いて2人目となる[4]。池田曰くプリキュアという「パステルカラーの作品」に携わるのは『スイートプリキュア♪』が初めてであり、同作のテレビシリーズの参加も映画製作当時二回のみで、さらに映画の監督は本作が初めてであった[1]。脚本はテレビシリーズの構成担当の大野敏哉が担当、テレビ本編と連動するに当たって設定に齟齬が生じるのを避けるためにそのまま起用する形となった[5]。作画監督も本作のキャラクターデザインを務めている高橋晃が担当、本作用に響達が着用する映画のための私服を書き下ろしているほか、池田の注文で『水戸黄門』のかげろうお銀の町娘姿(鳥追い姿)をイメージしたエレンのもう一つのコスチュームも描いている[1]。
本作の主題はテレビ本編の主題である友情だけでなく、親子愛、特に父と娘の関係を中心に描いている。池田は「親子愛があり友情があった上で皆の気持ちがひとつになる、という流れになる」としており、「子供のために親が頑張るシーンがあるので、親御さんにはその辺りも見てほしい」と語っている[4]。その一方で本来の主題の友情についても、「響と奏の二人あってこそのプリキュアチーム。二人の心の絆にも注目して欲しい」と語っている[1]。プリキュアという作品の描き方についても「変身してカッコよく戦う行動的なところはあるが、それ以外は普通の女の子と変わらない、ノーマルな普通な女の子の部分もきちんと描きたい。女性スタッフもいるので、女性目線も出していけば作品の幅も広がり、共感してもらえる部分がもっと増えるのでは」としている[4]。
音楽はテレビ本編と同様に高梨康治が担当している。高梨は本作での作曲の特徴として「大きな核になるモチーフがあり、一つの旋律からいろいろなバリエーションを派生させている」としており[4]、メインテーマとなる「心の歌」の制作に取りかかり、Remiによって歌詞が付けられた。この曲は本作の主題である親子の愛、具体的には親が子供に対して「生まれてきてくれてありがとう」という気持ちを込めて作られている。この曲のバリエーションをいくつかの重要な場面で用いており、特にラストバトルのシーンでは、監督の池田の意向で激しい曲を使わずに、この曲を優しい曲調にアレンジしたものを使っている。エンドロールでも、この曲をRemiが歌唱したものが使用されている[7]。
上映の最後には映画情報が流れ、「新しい展開」として『映画 プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち』を制作し、2012年3月に公開する予定であることが発表されている。
全国168スクリーンの公開ながら、2011年10月29、30日の初日2日間で興収1億9,741万8,400円、動員18万1,020人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第3位となった[8]。
父であるメフィストが善の心を取り戻し、アコはキュアミューズの役目も終わったとして父と共にメイジャーランドへ帰ることになった。その時、突然街にハウリング音が鳴り響き、街から音楽が消えてしまう事件が発生する。メイジャーランドに連絡を取ろうとするも、何故か反応が無い。
心配に思った響達はメイジャーランドに向かうが、いつも音楽で満ち溢れていたかつての面影は無く、音楽が消え世界は荒れ果て、人々は石のように無表情となり、音の鳴らない楽器を弾き続けたままだった。唯一動いていたアコの友達のスズは、このようになったのはアフロディテが突如変貌し、音楽を奪ってしまったからだと言う。真相を確かめるべく、アコとメフィストはアフロディテのいる城へ向かうがアコは囚われ、響達は去ってしまったスズを追いかけた先でアフロディテの配下『メイジャー3』と交戦となる。
それぞれの戦いの最中、アフロディテはノイズの部下『ハウリング』によって身体を乗っ取られていたという真相が明らかとなる。選択を迫られたメフィストの命がけの行動によって、ついにハウリングはアフロディテの身体を開放した。
ようやく姿を表したハウリングとプリキュアの戦いが始まるが、ハウリングの強大な力にプリキュア達は為すすべなく倒されてしまう。だが、倒れたメロディにクレッシェンドトーンの力を与えられ、彼女はクレッシェンドキュアメロディとなって復活する。そして仲間達は力を合わせ、ついにハウリングを撃破、メイジャーランドには平穏が戻った。
アコはこの戦いを通じて、まだ自分の使命が終わっていないことを悟る。そして断腸の思いで再び両親と別れ、すべてを終わらせるため響達と加音町へと戻っていった。
ここでは本作での主な役回りなどについて記載する。テレビ本編での基本的な設定は『スイートプリキュア♪』を参照。
ハウリングに仕えている配下の3人組で、表向きはアフロディテに仕えている。
ホストのような雰囲気をした美青年たちで、「メイジャーランド初のアイドル」を自称している。また、奏からは「ちょっとカッコいい」と評されていた。
人間形態と戦闘形態とでは声質や口調が異なり、ふだんはキザな口調で声質も高めなのに対し、戦闘時は声質も野太く低くなり、かなり荒々しい口調に変貌する。また、ネガトーンを召喚する能力をもつ。
物語中盤では、「ヒーリングチェスト」を奪おうとプリキュアたちに襲いかかるが、肝心のヒーリングチェストの詳細を知らないため、ハミィが持っていた木箱をヒーリングチェストと勘違いして奪うという失態をみせる。
物語終盤では、プリキュアたちをたおそうと戦闘形態になり、ひとりずつプリキュアと交戦して追いつめる。しかし、強気になったプリキュアたちの「プリキュア・ミュージックロンド」と「プリキュア・ハートフルビートロック」の必殺技で撃破され、3人ともたおされた。
満身創痍のキュアメロディが、クレッシェンドトーンにその心を認められたことでパワーアップして復活した姿。クレッシェンドトーンいわく「プリキュアを超えたプリキュア」。掛け声は「爪弾くは心の調べ!」。コスチュームが大きく変わっており、全体的に色が薄くなっているほか、肩や頭頂部のリボン状のもの部分が羽のような衣装に変わっている。背中には金色の羽のようなものが追加され、腰の周辺から尾羽根のようなものも見受けられる。4人を相手に圧倒していたハウリングの強大な攻撃を拳で跳ね返してしまうほどの強大な力を持っている。
劇中ではトーンをセットするシーンは描かれておらず、変身の過程は判然としないが、玩具ではヒーリングチェストに付属するクレッシェンドトーンをキュアモジューレにセットすることで専用の変身音声が流れる。
本作で使用される「ミラクルライト」。「音楽」をイメージした作品に因み、先端に「八分音符」型の蛍光部が付いている。劇中ではハウリングとプリキュアの大決戦の最中、スズの呼び掛けに応じ、メイジャーランド国民の手に転送され、国民がライトを振った事で、プリキュア達はパワーを回復した。
「ライトーン」は、「ライト」と「トーン」(声調)の合成語。
本作はオープニング・エンディング共に後期主題歌がそのまま使用された。
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