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『日本人のへそ』(にほんじんのへそ)は、井上ひさし原作による戯曲・演劇・映画である。劇団テアトル・エコー第34回公演のため書き下ろされ、1969年2月に初演された。2幕構成。井上の本格的な戯曲デビュー作としても知られる。2010年の公演にて読売演劇大賞選考委員特別賞を受賞。1977年に映画化された。
とある大学教授の提案から、吃音症治療として浅草のストリッパーの半生を劇中劇で描き、そこから物語は二転三転する。言葉遊びを駆使した喜劇でありながら、日本の社会と精神を風刺し、ミステリー、音楽劇の要素も含む作品である。また、井上自身の経歴や体験が内容に多く反映されている[1]。
NHKの人形劇『ひょっこりひょうたん島』で井上の脚本に感銘を受けた出演者の熊倉一雄が、1967年2月に自身の劇団テアトル・エコーのため井上へ書き下ろし脚本を依頼。完成したのが本作品である。熊倉が当時自ら演出と主演を務め、「日本人のへそ」という題も熊倉が命名している[2]。
1969年2月の初演で成功を収め、しばらく熊倉と井上のコンビによる作品は演劇界の話題となった[3]。また、自分に戯曲の才能はないと思っていた井上はこの成功から、劇作家を一生の仕事にしようと決意したという[4]。
テアトル・エコーでは2度再演されている。2010年の3度目の公演は「目が黒いうちに再演したい」と熊倉の意向で井上本人の快諾の上で企画されたものの、公演前に井上が死去したことから追悼公演となった。また、井上主宰によるこまつ座でも、1985年以降公演が行われている。
初演に出演した山田康雄は本作について、後に「既成の新劇の演技術では処しきれない井上ひさしさんのデビュー作に、役者も演出家も悪戦苦闘していた」と述懐している。なお、山田は役作りの際『ルパン三世』の原作を大きな参考にしたといい、それが縁で代表作となるルパン三世の声優に抜擢されることとなった[5]。
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ヘレン天津役以外の出演者は、基本的に複数の役を演じる。
※熊倉一雄は全公演に教授役で出演。
1977年公開。テアトル・エコー公演を基にしており、熊倉も舞台とは別役ながら出演している。
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