戸塚ヨットスクール

日本の愛知県知多郡美浜町にあるヨットスクール ウィキペディアから

戸塚ヨットスクールmap

戸塚ヨットスクール株式会社(とつかヨットスクール)は、愛知県知多郡美浜町民間療法胎教乳児教育施設。

概要 種類, 本社所在地 ...
戸塚ヨットスクール株式会社
ヨットスクール校舎(2016年12月)
種類 株式会社
本社所在地 日本
470-2703
愛知県知多郡美浜町大字北方宮東70-1
北緯34度46分45.7秒 東経136度54分54.1秒
本店所在地 464-0858
愛知県名古屋市千種区千種3丁目12番7号
設立 1974年11月26日(株式会社シー・ワイ・シー)
業種 サービス業
法人番号 8180001004842
事業内容 ヨット教室の経営
代表者 代表取締役 戸塚宏
資本金 1300万円
純利益 ▲295万2000円(2018年10月31日時点)[1]
総資産 32万2000円(2018年10月31日時点)[1]
外部リンク totsukayachtschool.com
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概要

1976年、ヨットマンの戸塚宏により「オリンピックで通用するような一流のヨットマンを育てる」という理想の下で設立される。

戸塚ヨットスクール事件

1970年代末から1980年代にかけて、スパルタ式と呼ばれる独自の指導により、不登校引きこもり家庭内暴力などの数多くの非行少年を矯正させたという触れ込みで、戸塚ヨットスクールはマスメディアに登場し話題となる。当時は校内暴力社会問題化していたため、問題行動を繰り返す青少年の矯正を行えると自称した同スクールが注目されたものであった。

しかし、訓練中に生徒が死亡したり行方不明になったりした、いわゆる「戸塚ヨットスクール事件」が明るみに出た結果、1983年傷害致死の疑いで捜査が行われ、校長の戸塚以下関係者15名が逮捕、起訴された。長年に及ぶ裁判の末、戸塚およびコーチらは有罪判決を受けた。校長の戸塚は懲役6年の実刑で服役した後、2006年4月29日静岡刑務所を出所し、スクールの現場に復帰した。

復帰後の事件

2006年10月9日、25歳の訓練生の男性がスクール近くの沖合で水死体となって発見される事件が起きた[2]。この男性は同月6日に失踪し行方不明となっていた。遺体に外傷はなかったため、事故死か自殺とみられている。

2009年10月19日、戸塚ヨットスクールの寮の3階から18歳の訓練生の女性が飛び降りて死亡する事件が発生した。女性は3日前に入所したばかりで、他の寮生・コーチと共に布団干しの作業中に約1.5メートルのコンクリート製の屋上のへりを乗り越え、路上に転落した。愛知県警半田署は自殺とみて捜査している。事件後、戸塚校長は「突発的だった。管理態勢に問題はなかったが、所属した生徒が亡くなったことには責任がある」と話した[3]

2010年12月20日、30代の訓練生の男性がスクール内の寮から転落し重傷を負う事件が発生[4]。愛知県警半田署は事故と自殺未遂で調べていると報じられた[5]

2012年1月9日、スクール内の寮の前で頭から血を流して倒れている21歳の訓練生の男性が発見され、病院搬送後に死亡。「ヨットスクールの生活がつらく、このまま生きていくのもつらい」と書かれたメモがあったことから、飛び降り自殺と考えられている[6]

哲学

  • 理性は創るものであり、あるものではない。『世界人権宣言』の第1条に、「人は生まれながらに…理性と良心とを付与されており…」とあるが、これはとんでもない誤りだ。「自由権利尊厳平等」これらは創るものであって、あるものではない。「」は正義だ。「力」を「暴力」と混同し、力そのものを否定してはいけない。力は群れのためにあり、自分のためにあるのではない[7]
  • 生理学者セリエは、「病気の種類に関係なく、病人には共通する”病人らしさ”がある」と指摘しており、同様に問題児にも共通した”問題児らしさ”がある。”問題児らしさ”は弱さだ。精神が決定的に弱い。トレーニングをしなかったために生じたものだ[7]
  • 「人間は平等ではない」と自覚した時、進歩しようとする。己をまず知らねば、進歩はなく、へたな平等主義は、進歩の芽を摘む[7]
  • 子供は褒めると進歩しない。本当のインテリとは、「」のすべてが人より優れ、特に「知」において抜きん出ている人を指すが、日本の「インテリ」は「情・意」においては人並み以下、「知」は他人の知識の盗み取りに過ぎない。行動力がないのは、「情・意」が弱いためで「褒める教育」が、これに拍車をかけている。「褒める教育」は虚栄心も強くする。マスコミは、「インテリ」の集団だ。浮ついた教育論を人に押し付ける[7]

エセ科学・エセ医学

戸塚は、「ヨットスクールの訓練を受けることによって、パーキンソン病膠原病などありとあらゆる難病が治る」と繰り返し主張しており、戸塚の著書『熱論』には以下のような記述がある[8]

また、 戸塚ヨットスクールを支援する会の会報『ういんど』4号には「戸塚ヨットスクールは、ヨット訓練を通じて、情緒障害(登校拒否、家庭内暴力、非行、無気力など)やストレス症(自律神経失調症、アトピー性皮膚炎、ぜんそく花粉症がんなど)を直してきました。これらの成果はいずれも、これまでの教育学や医学の常識からすれば「信じられない」とされる画期的なものばかりです。このため、その成果を率直に認める人はまだ少数であり、反対に、黙殺したり、潰そうとしたりする人が多数を占めています。」[9]、スクールのホームページには「膝蓋腱反射が出なかったり、瞳孔が縮まらなかったり、免疫が狂ったり、体温が低下しっぱなしだったりという、そういう脳幹で行われる情報処理が既におかしくなっている。それらがヨット訓練で直るならば、癌も直るだろうということで、取り組んだわけです。結果は上々です。」と記述されている[10]

胎児・0歳児への教育

現在の戸塚ヨットスクールでは、家庭内暴力や登校拒否などといった所謂情緒障害児の入校は一切受け付けておらず[11]、代わりに胎児や0歳児への教育を行っている。しかし、その教育方法について聞かれると、戸塚は「企業秘密」だと回答している[12][13]

また、戸塚の教育方針を支持し、ヨットスクールで行われているボードトレーニングを自身のクリニックでも実践している産婦人科医の池川明[14]は、胎内記憶についての研究を行っており、「自分が精子だった時の記憶を持つ人もいる」という非科学的な見解を示している[15]

陰謀論

戸塚は、講演会やYouTube動画などで様々な陰謀論を唱えている。

日本航空123便墜落事故

1985年に発生した日本航空123便墜落事故に関して、「マスコミは機体尾翼が吹っ飛んだと報道しているが、実際に写真を見ると尾翼はついている。誰かが『尾翼が吹っ飛んだことで事故が起きた』と言えば、(マスコミは)それをそのまま事実として載せてしまう」と陰謀論を唱えている[16]

GHQとバブル崩壊

2022年1月22日に行われた講演の中で、「日本を再び強くしないために、GHQが日本人男性の弱体化を図った」との見解を示し、1990年代初頭にバブル景気が崩壊したことに関しても「アメリカの策略」だと主張した[17]

電通

電通から地上波の各局に、『戸塚宏を生で出演させた場合、電通はスポンサーをつけない』とお達しがいった」と主張している[18]

製薬会社・精神科

2009年に、戸塚ヨットスクールに入所していた女子生徒が自殺した際、自殺の原因を向精神薬副作用によるものだとし、「異常行動の場合は必ず向精神薬の副作用として起こりますからその処方を行った精神科医にその責任があります。精神科にかかるのは児童相談所カウンセラーの指示によるものですから彼らにも責任があります。さらにそういう状態の人間を作り上げたのは文部科学省ですから文部科学省にも責任があります。 そして、向精神薬を使うのは製薬会社の為なのですから製薬会社にも当然責任があります。 ここにおいて血液製剤により肝炎HIVが広まってしまった構図と全く同一であることが解ります。 マスコミは当然このことを知っています。それなのになんとか現場の責任にしようとするのは大スポンサーである製薬会社、権威である精神科医、自分たちが作らせたカウンセラーそして教育荒廃の元凶である文部科学省を何とか守りたい、そのためには現場に責任を押しつけたいという願望の表れです。 国民を利する為に反権力であるべきマスコミが親権力となり国民の敵となっているのです。彼らも権力者の一角になってしまったからです。」「薬を処方した精神科医の責任ではないのですか。それなのにマスコミは決して精神科医を追求しようとしません。このマスコミの反国民の態度、親権力の態度が国民に不利益をもたらせます。年間3万人以上の自殺者の中で多数の人間が向精神薬を飲んでいることにより異常行動で死亡したと考えられます。それは遺書を書いていないことによっても推察出来ます。マスコミは必死になってその精神科医を守ろうとしています。それは大スポンサーである製薬会社の為でしょう。」などと主張した[19]

新興宗教・陰謀論者との関係

オウム真理教

戸塚は、2020年オウム真理教の後継団体であるひかりの輪代表の上祐史浩と二度にわたって対談を行った[20][21]ほか、麻原彰晃の教えを「真理」だと評価しており[22]、以下のような見解を示している。

  • マスコミは「麻原彰晃が若者を洗脳した」と主張しているが、実際には、麻原彰晃は若者を洗脳したのではなく、リベラル思想に洗脳されていた若者の洗脳を解いたのである[23]
  • 麻原彰晃は修行をした過程で、真理を獲得している[24]
  • 真理を教えることによって、リベラルに洗脳されている若者を洗脳から解放することができる[25]

また、 「理科系は天下の秀才であり、真理を理解することができる」とした一方、現在は麻原彰晃およびAlephに批判的な上祐氏(早稲田大学理工学部出身)については、「ただの偏差値秀才」「仲間を警察に売った裏切り者」「修行が足りない」と批判した[26]

2020年2月21日、ニコニコ動画に投稿された日本文化チャンネル桜の動画内での我那覇真子との対談の中でも、上記と同様の見解を示し、「オウム真理教は仏教」「仏教は科学」だと主張した[27]

統一教会

文鮮明の指示により、統一教会国際勝共連合が出資して設立した団体、世界日報が発行している月刊ビューポイントの2011年9月号に、戸塚のインタビュー記事が掲載された[28][29][30]

WEB版のビューポイントには、「(ビューポイントの記者が)先日、戸塚ヨットスクールの創立37周年パーティーに出席する機会を得た。」というコラムが2013年11月25日に掲載された[31]

支援する会

戸塚ヨットスクールの教育・更生方針に賛同する支持者は、厳しい教育訓練のあり方、死亡事故の発生、歪曲された報道などのため、スクールが様々な誤解と中傷に曝されてきたと主張[32]。「戸塚ヨットスクールを支援する会」を組織し支援に当たっている。主要な支援者の中には石原慎太郎(会長)や伊東四朗などの著名人が含まれている。

勾留・収監中も戸塚はマスメディアに依頼された原稿の執筆活動や弁論雑誌への投稿、同スクール支援者団体を通じてのインターネット上での意見表明・コラム掲載などを行っており、支援団体サイト『教育再生!』には支援者による資料が掲載されている。

社会的影響

遭難・行方不明・傷害致死事件が報じられてからは、戸塚ヨットスクールは激しい非難を受けたが、テレビのバラエティ番組では「不謹慎ネタ」として扱われる傾向も見られた。山本太郎が、箕面自由学園高等学校在学中に『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の「ダンス甲子園」へ出場した際、参加名を「アジャ・コング&戸塚ヨットスクールズ」としていた。また1983年に放映された「第7回アメリカ横断ウルトラクイズ」の第8チェックポイント・レイクパウエルは、「クイズヨットスクール」と銘打たれていた。

戸塚自身も、『ムハハnoたかじん』や『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』などのバラエティ番組にゲストとして出演したことがある。

講演「私の脳幹論」

要約
視点

戸塚は、2014年11月28日・29日に開催された「第27回日本総合病院精神医学会総会」において、「私の脳幹論」と題する講演を行った。 この中で戸塚は、「脳幹論」と「本能論」について、

  • 「脳の構造が、脳幹部・辺縁系・新皮質と三段だから、やっぱり精神も3つに分かれますね」
  • 「脳幹部で処理された情報が辺縁系へ来て、そこでまた細かく処理される」ことが「本能」
  • 「本能論」とは「理性の目標を本能と一にする」ことであり、「本能と目的を違(たが)えてつくった理性は悪」

と説明し、

  • 「恐怖の使い方が進歩するか落ちこぼれるかの境目」
  • 「恐怖を安定に持っていくトレーニングをする」ことで、子どもに「進歩の能力」が身につく
  • 「人にとって一番大きい恐怖というのは、生きるか死ぬかの時に発生する恐怖であるから、そのときに「生きよう」とする、そういう能力をつけてやればいい」

などと述べ、体罰によって訓練生へ恐怖を植え付けることの正当性を主張した。 また、

  • 「幻覚がある場合、トレーニングをすれば統合失調症の場合は悪くなっていくから、それで判断でき、そのときに初めて、精神病として扱えばいい」

と述べ、精神疾患の診断と治療よりも戸塚の提唱する「トレーニング」が優先し、それによって症状が悪くなってから医療を受ければいいと主張した[33]

これに対して、日本児童青年精神医学会の理事会は、

  • 戸塚氏が、戸塚ヨットスクール事件に至る理論的背景であった「脳幹論」を当時と変わらずに主張し、それがいまだに死傷者を出現させているにもかかわらず、恐怖を与えることの正当性を主張していることを、精神医学に携わる者は無批判のままに放置しておくべきではない。
  • 「脳幹論」(「本能論」)自体が何ら医学的根拠を持つものではないにもかかわらず、医学雑誌である「精神医学」に無批判に「私の脳幹論」が掲載されたことは極めて問題
  • 戸塚氏は、医療を提供する立場ではないが、「脳幹論」(「本能論」)に示される戸塚氏の考え方が、朝田氏が期待するように「これからの皆様の臨床の中で活かされることがあれば」、それは私たち精神医学の臨床現場への重大な破壊行為
  • 戸塚宏氏は、「脳幹論」を掲げ続け、以前の戸塚ヨットスクール事件と同様の「トレーニング」を繰り返し、死傷者を出現させている。戸塚氏の講演録を無批判のまま医学雑誌に掲載することは、子どもの最大の利益に反するものであり、精神医療に携わる者にとって許されるものではない。

などとする声明を発表し[33]、また、本講演の主催者である日本総合病院精神医学会の理事会も、

  • 本学会理事会は、戸塚氏が過去の暴力による体罰とその重大な結果について何ら反省を示していないこと、用いられている疾患概念等は精神医学の正しい理解に基づいたものではないこと、したがってその内容は本学会の見解とは全く相容れないことを全会一致で認定した。
  • このような講演が学会総会のみならず誌上で公にされ、結果として本学会が戸塚氏を支持しているかのような誤解を与えたことを遺憾とし、これまでおよび現在の戸塚氏の主張や立場を断じて容認しないことをあわせて表明するものである。本学会は、これまで通り「子どもたちに対するいかなる虐待も許さず、子どもの人権を守る」立場を堅持することを再確認し、総合病院における臨床実践を通して児童青年の精神健康の増進を図ることを宣言する。

などとする声明を発表した[34]

入校歴のある著名人

関連作品

映画

ドキュメントドラマ形式のものであったが、上映の直前になって戸塚校長が逮捕されたため上映中止。その後戸塚が刑期終了したため、スクールを支援する団体が著作権を取得、2005年にビデオ化
戸塚ヨットスクール事件から26年、現在の戸塚ヨットスクールに密着したドキュメンタリー映画。
2009年10月に屋上から投身自殺をした訓練生の3日前の生前映像と、事件後、ヨットスクール内で行われた葬儀の映像も入っている。
2010年5月東海地方向けに放送されたテレビドキュメンタリー番組を劇場化したもので、未ビデオ化。だが、2015年CSチャンネルNECOにてテレビ初放送された。

脚注

関連項目

外部リンク

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