弥生賞ディープインパクト記念

日本中央競馬会 が中山競馬場で施行する中央競馬の重賞競走(GII) ウィキペディアから

弥生賞ディープインパクト記念

弥生賞ディープインパクト記念(やよいしょうディープインパクトきねん)は、日本中央競馬会 (JRA) が中山競馬場で施行する中央競馬重賞競走GII)である。1995年から「皐月賞トライアル」の副称がつけられており、競馬番組表での名称は「報知杯弥生賞ディープインパクト記念(皐月賞トライアル)」と表記される[4][3]

概要 弥生賞ディープインパクト記念(皐月賞トライアル)Hochi Hai Yayoi Sho(Deep Impact Kinen) (Japanese 2000 Guineas Trial), 開催国 ...
弥生賞ディープインパクト記念
(皐月賞トライアル)
Hochi Hai Yayoi Sho
(Deep Impact Kinen)
(Japanese 2000 Guineas Trial) [1]
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第60回弥生賞ディープインパクト記念
(2023年3月5日)
優勝馬:タスティエーラ
開催国 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 中山競馬場
創設 1964年3月1日
2024年の情報
距離 芝2000m
格付け GII
賞金 1着賞金5400万円[2][3]
出走条件 サラ系3歳(国際)(指定)
負担重量 馬齢(57kg、牝馬2kg減)
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競走名の「弥生」は、陰暦3月を表す呼称[5]。弥生とは「いやおい」が変化したもので、「弥」は「いよいよ」「ますます」、「生」は「生い茂る」と使われ、草木が芽吹く月という意味で呼ばれるようになったことに由来[6]ディープインパクトは、無敗で牡馬三冠を制するなど史上最多タイ(当時)のJRA・GI7勝を記録し、2008年には顕彰馬に選出され、種牡馬としても2012年以来11年連続リーディングサイアーを獲得するなど輝かしい実績を残した競走馬である[5]

寄贈賞を提供する報知新聞社は、東京と大阪に本社を置き読売新聞グループの朝刊スポーツ紙を発行する新聞社[5]1872年明治5年)に『郵便報知新聞』の名前で創刊し現存する日刊新聞系メディアとしては毎日新聞東京本社版に次いで2番目に長い歴史を持つ。

正賞は報知新聞社賞[2][3]

概説

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ディープインパクト(2002 - 2019)

3着までの馬に皐月賞の優先出走権が付与されるトライアル競走[5]。1982年から1990年までは5着までに優先出走権を付与していたが、1991年から3着までに改められた[6]

1964年に「弥生賞」として創設された4歳(現3歳)馬限定の重賞競走[6]で、当初は中山競馬場、芝1600mの別定戦で行われた[6]。負担重量は1971年より馬齢に変更[6]、施行距離やコースは幾度かの変遷を経て、1984年より中山競馬場、芝2000mに変更[6]。これにより、クラシック戦線に直結する重要な前哨戦として位置づけられた[7][6]

外国産馬は1984年から1996年、及び2002年以降出走可能になった[8]地方競馬所属馬は1993年から出走可能[8]になり、2010年からは外国馬も出走可能な国際競走となった[9]

2020年(令和2年)からは、2019年に死去したディープインパクトの功績を称え、同馬の重賞初勝利となった本競走の競走名を改称、同馬の冠競走「(報知杯)弥生賞ディープインパクト記念」として開催されることになった。令和になってからの新しい馬名冠競走は初で、中央競馬で現存する馬名冠競走はセントライト記念シンザン記念に続く3例目[注 1]で、新たに誕生する馬名冠競走は1974年に改称したアラブ重賞のシュンエイ記念セイユウ記念(いずれも廃止)以来46年ぶりとなる[10][11][4]

競走条件

以下の内容は、2024年現在[2][3]のもの。

出走資格:サラ系3歳

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(後述)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:馬齢重量(牡・せん57kg、牝馬55kg)

皐月賞のステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬は皐月賞の出走候補馬(2頭まで)およびJRAの2歳GI競走優勝馬に優先出走が認められ[12][13]、JRAで行われる芝の3歳重賞競走優勝馬にも出走資格がある[12][13]

賞金

2024年の1着賞金は5400万円で、以下2着2200万円、3着1400万円、4着810万円、5着540万円[2][3]

歴史

要約
視点
  • 1964年 - 4歳馬限定の重賞競走「弥生賞」として創設[6]
  • 1970年 - 名称を「報知杯弥生賞」に変更。
  • 1982年 - 「皐月賞指定オープン重賞」となり、上位5着までに皐月賞の優先出走権を付与[6]
  • 1984年
    • グレード制施行によりGIII[注 2]に格付け[6]
    • 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる(1996年まで)[6]
  • 1987年 - GII[注 2]に格上げ[6]
  • 1991年 - 優先出走権取得条件を上位3着までに変更[6]
  • 1993年 - 指定交流競走となり、地方競馬所属馬が出走可能になる[8]
  • 1995年 - これ以降、「皐月賞トライアル」の副称がつく[8]
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「3歳」に変更。
  • 2002年 - 混合競走に再指定[14]
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIIに変更[15]
  • 2010年
    • 国際競走に変更され、外国調教馬が出走可能になる[9]
    • 格付表記をGII(国際格付)に変更[9]
  • 2015年
    • 出走可能頭数を18頭に拡大。
    • 外国馬の出走枠を9頭に変更。
  • 2020年
    • 名称を「報知杯弥生賞ディープインパクト記念」に変更。
    • COVID-19の流行により「無観客競馬」として開催[16](2021年も同様[17])。
    • ディープインパクト記念の名前が付いた最初の年に亡くなったディープインパクトの産駒が勝利した。

歴代優勝馬

コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

さらに見る 回数, 施行日 ...
回数施行日競馬場距離優勝馬性齢所属タイム優勝騎手管理調教師馬主
第1回1964年3月1日中山1600mトキノパレード牡3JRA1:38.5野平好男田中和夫井口鈴一
第2回1965年2月28日東京1600mキーストン牡3JRA1:36.9山本正司松田由太郎伊藤由五郎
第3回1966年2月27日東京1600mタマシユウホウ牡3JRA1:39.9郷原洋行稗田敏男小川太助
第4回1967年3月5日東京1600mアサデンコウ牡3JRA1:38.7森安重勝藤本冨良手塚栄一
第5回1968年3月17日中山1600mアサカオー牡3JRA1:37.4加賀武見中村広浅香源二
第6回1969年3月2日東京ダート1400mワイルドモア牡3JRA1:25.1森安重勝尾形藤吉吉原貞敏
第7回1970年3月1日東京ダート1600mタニノムーティエ牡3JRA1:38.9安田伊佐夫島崎宏谷水信夫
第8回1971年3月14日中山1800mメジロゲッコウ牡3JRA1:50.7郷原洋行大久保末吉北野俊雄
第9回1972年5月14日中山1800mロングエース牡3JRA1:50.3武邦彦松田由太郎中井長一
第10回1973年3月4日中山1800mハイセイコー牡3JRA1:50.9増沢末夫鈴木勝太郎ホースマンクラブ
第11回1974年3月3日中山1800mカーネルシンボリ牡3JRA1:51.2野平祐二野平省三和田共弘
第12回1975年3月1日中山1800mカブラヤオー牡3JRA1:51.2菅原泰夫茂木為二郎加藤よし子
第13回1976年3月7日中山1800mクライムカイザー牡3JRA1:51.2加賀武見佐藤嘉秋(有)三登
第14回1977年3月6日中山1800mラッキールーラ牡3JRA1:49.8伊藤正徳尾形藤吉吉原貞敏
第15回1978年3月5日中山1800mファンタスト牡3JRA1:51.7柴田政人高松三太伊達秀和
第16回1979年3月4日中山1800mリキアイオー牡3JRA1:51.1星野信幸伊藤竹男高山幸雄
第17回1980年3月2日中山1800mトウショウゴッド牡3JRA1:52.0中島啓之奥平真治(株)トウショウ産業
第18回1981年3月1日中山1800mトドロキヒホウ牡3JRA1:51.1郷原洋行元石孝昭町田圭三
第19回1982年3月7日中山1800mサルノキング牡3JRA1:51.4田原成貴中村好夫中村和夫
第20回1983年3月6日中山1800mミスターシービー牡3JRA1:50.2吉永正人松山康久千明牧場
第21回1984年3月4日中山2000mシンボリルドルフ牡3JRA2:01.7岡部幸雄野平祐二シンボリ牧場
第22回1985年3月3日中山2000mスダホーク牡3JRA2:03.0田村正光古山良司須田松夫
第23回1986年3月2日中山2000mダイシンフブキ牡3JRA2:02.4菅原泰夫柴田寛高橋金次
第24回1987年3月8日中山2000mサクラスターオー牡3JRA2:02.1東信二平井雄二(株)さくらコマース
第25回1988年3月6日東京2000mサクラチヨノオー牡3JRA2:01.1小島太境勝太郎(株)さくらコマース
第26回1989年3月5日中山2000mレインボーアンバー牡3JRA2:07.7増沢末夫鈴木勝太郎(有)イーデン産業
第27回1990年3月4日中山2000mメジロライアン牡3JRA2:05.4横山典弘奥平真治(有)メジロ牧場
第28回1991年3月3日中山2000mイブキマイカグラ牡3JRA2:01.7南井克巳中尾正(有)伊吹
第29回1992年3月8日中山2000mアサカリジェント牡3JRA2:01.5柴田政人河野通文佐久間有寿
第30回1993年3月7日中山2000mウイニングチケット牡3JRA2:00.1柴田政人伊藤雄二太田美實
第31回1994年3月6日中山2000mサクラエイコウオー牡3JRA2:01.3小島太境勝太郎(株)さくらコマース
第32回1995年3月5日中山2000mフジキセキ牡3JRA2:03.7角田晃一渡辺栄齊藤四方司
第33回1996年3月3日中山2000mダンスインザダーク牡3JRA2:02.7武豊橋口弘次郎(有)社台レースホース
第34回1997年3月2日中山2000mランニングゲイル牡3JRA2:02.2武豊加用正高橋秀昌
第35回1998年3月8日中山2000mスペシャルウィーク牡3JRA2:01.8武豊白井寿昭臼田浩義
第36回1999年3月7日中山2000mナリタトップロード牡3JRA2:03.5渡辺薫彦沖芳夫山路秀則
第37回2000年3月5日中山2000mフサイチゼノン牡3JRA2:02.3藤田伸二田原成貴関口房朗
第38回2001年3月4日中山2000mアグネスタキオン牡3JRA2:05.7河内洋長浜博之渡辺孝男
第39回2002年3月3日中山2000mバランスオブゲーム牡3JRA2:02.0田中勝春宗像義忠薗部博之
第40回2003年3月9日中山2000mエイシンチャンプ牡3JRA2:02.3福永祐一瀬戸口勉平井豊光
第41回2004年3月7日中山2000mコスモバルク牡3北海道2:00.5五十嵐冬樹田部和則岡田美佐子
第42回2005年3月6日中山2000mディープインパクト牡3JRA2:02.2武豊池江泰郎金子真人
第43回2006年3月5日中山2000mアドマイヤムーン牡3JRA2:01.5武豊松田博資近藤利一
第44回2007年3月4日中山2000mアドマイヤオーラ牡3JRA2:00:5武豊松田博資近藤利一
第45回2008年3月9日中山2000mマイネルチャールズ牡3JRA2:01.8松岡正海稲葉隆一(株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第46回2009年3月8日中山2000mロジユニヴァース牡3JRA2:03.5横山典弘萩原清久米田正明
第47回2010年3月7日中山2000mヴィクトワールピサ牡3JRA2:06.1武豊角居勝彦市川義美
第48回2011年3月6日中山2000mサダムパテック牡3JRA2:01.0岩田康誠西園正都大西定
第49回2012年3月4日中山2000mコスモオオゾラ牡3JRA2:03.9柴田大知高橋義博(有)ビッグレッドファーム
第50回2013年3月3日中山2000mカミノタサハラ牡3JRA2:01.0内田博幸国枝栄金子真人ホールディングス(株)
第51回2014年3月9日中山2000mトゥザワールド牡3JRA2:01.4川田将雅池江泰寿(有)キャロットファーム
第52回2015年3月8日中山2000mサトノクラウン牡3JRA2:01.8福永祐一堀宣行里見治
第53回2016年3月6日中山2000mマカヒキ牡3JRA1:59.9C.ルメール友道康夫金子真人ホールディングス(株)
第54回2017年3月5日中山2000mカデナ牡3JRA2:03.2福永祐一中竹和也前田幸治
第55回2018年3月4日中山2000mダノンプレミアム牡3JRA2:01.0川田将雅中内田充正(株)ダノックス
第56回2019年3月3日中山2000mメイショウテンゲン牡3JRA2:03.3池添謙一池添兼雄松本好雄
第57回2020年3月8日中山2000mサトノフラッグ牡3JRA2:02.9武豊国枝栄(株)サトミホースカンパニー
第58回2021年3月7日中山2000mタイトルホルダー牡3JRA2:02.0横山武史栗田徹山田弘
第59回2022年3月6日中山2000mアスクビクターモア牡3JRA2:00.5田辺裕信田村康仁廣崎利洋HD(株)
第60回2023年3月5日中山2000mタスティエーラ牡3JRA2:00.4松山弘平堀宣行(有)キャロットファーム
第61回2024年3月3日中山2000mコスモキュランダ牡3JRA1:59.8M.デムーロ加藤士津八(有)ビッグレッドファーム
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脚注・出典

外部リンク

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