日本の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』に登場し、『岸辺露伴は動かない』の主人公たる架空の人物 ウィキペディアから
岸辺 露伴(きしべ ろはん、Rohan Kishibe)は、荒木飛呂彦の漫画『ジョジョの奇妙な冒険第四部 ダイヤモンドは砕けない』に登場する架空の漫画家。同漫画のスピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』の主人公。血液型はB型。
杜王町に住む人気漫画家。1979年生まれの20歳(初登場時、1999年時点)。独身。B型。代表作は16歳の時より『週刊少年ジャンプ』にて連載しているデビュー作『ピンクダークの少年』。以前は東京都に住んでいたが、「東京はゴチャゴチャしていて清々しい気分で仕事ができない」という理由により、故郷のS市杜王町に戻ってきたという。
トレードマークはギザギザした形状のヘアバンド。両耳たぶにつけペンのペン先を象った耳飾りを着けている。性格は非常に強引でかつ我侭であり、また自己中心。「自分が一番」で「オレ様」なところがあると評されている。作品のリアリティを何より重視し、創作のために自ら様々な体験をしなければならないという信念を持つ。作品への刺激を探求するあまり、奇矯としか表現しようのない振る舞いを数多く見せ、自分のケガすら作品のネタに活かそうとする。漫画を描く理由についても、ただ一筋に「読んでもらうため」であり、金や地位や名声には興味が無いと公言して憚らない。
下書き無しで直接ペンを入れ、ペン先からインクを飛ばしてはみ出さずにベタを塗り、何本も持ったペンで一気に効果線を描き入れるなど人間離れした描画の技術を持ち、アシスタント無しで毎週19ページの連載を成立させている。「編集者から軽く見られる」との理由により、原稿の書き溜めはしない。人間関係が嫌でアシスタントも雇わない。
デビュー作となる漫画『ピンクダークの少年』は、サスペンス・ホラー的な作品であり、その作風は彼のもとに届くファンレターの内容によるとハッキリと好き嫌いが分かれている。国外でも台湾やヨーロッパでは出版されているが、英訳版は未刊行。このことに本人は「アメリカ人はセンスがダサイから自分の漫画を理解できない」からとジョセフ・ジョースターに対し発言している。
公称プロフィールでは、尊敬している人物はこせきこうじ[注 1]、大切なものは家族と友人としている。だがこれらは読者向けの回答であり、本音では相手が誰であろうと見下しており、自分よりもスゴい人間などいないと考えている。ただし広瀬康一は例外で、彼に対しては友情と尊敬の念を持っている。
癖の強い人物ではあるが、自らの正義に基づく倫理観は持ち合わせており、身内の危機には自分だけ逃げ出すということはせず、敵スタンド使いとも度々戦っている。「この岸辺露伴が最も好きな事のひとつは、自分で強いと思ってるやつにNOと断ってやる事だ」と語っており、自身の代わりに東方仗助の命を差し出すよう取引を持ちかけた敵に対しても「だが断る」と突っぱねている。このように不遜な性格の持ち主ではあるが、「まるで劇画、みたいな根性の持ち主にグッと来る」と称して大柳賢を再起不能にせぬまま見逃したり、自分が窮地に立たされた時に助けに来た広瀬康一に心を打たれ素直に褒めたりと、人物によっては敬意を持って接することもある。顔を公表しており、外出先で出会ったファンに度々サインを求められ快く応じている。
Part4劇中ではグッチの腕時計を身につけていた[注 2]。愛車は日産・300ZX[要出典]。花粉症持ちである。
『岸辺露伴は動かない -六壁坂-』や『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』では27歳。一部エピソード以外では、年齢や年代が明言されない。
第四部本編とは設定などが異なる場合がある。
【破壊力 - D / スピード - B / 射程距離 - B / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 - A】(JOJO A-GO!GO!、JOJOVELLER、Part4テレビアニメ。単行本ではパラメータ無)
露伴のスタンド。対象を「本」にする能力を持つ。能力を受けた者は、基本的に身体のいずれかの部位が薄く剥がれるような形で、「本」のページとなる。「本」には対象の記憶している「人生の体験」が記されており、記述を読むことで相手の記憶や相手の知っている情報を知ったり、さらにはページに情報を書き込むことで相手の行動・記憶を露伴の思い通りに制御することもできる。本にされた者は、ショックで一時的に気を失ったり、身体がスタンドの本状・紙状になり動きづらくなる。また、ページを破り取ると相手はその部分の記憶を失い、体重が激減する。なお、ドラマ版第3話「D・N・A」では対象者を「本」そのものに変えている。
ある程度の知能を持った動物や幽霊、また露伴自身にも能力は有効である。また、相手に文字を書き込むことによって支配する力は絶大で、対象者がどれだけ拒絶しようと逆らうことはできず、「短期間でネイティブ並みの語学力を身に付けさせる」「後方に時速70キロの速度で吹き飛ぶ」など、その人物にも本来は実行不可能な事象を実行させることもできる。
スタンド能力の成長性が高く、作中で頻繁にアップデートされている。
その能力から作中で「無敵」と評されたこともあるが、ヘブンズ・ドアーの一部を吸収した大柳賢のスタンド「ボーイ・II・マン」には書き込んだ命令を書き換えられて取り消されたり、噴上裕也のスタンド「ハイウェイ・スター」と対峙した際には一度は「本」に変えるも本体である露伴が生命力を吸われたことにより命令を書き込めなくなり、能力は解除された。また、本体を殺害して露伴に取り憑いたスタンド「チープ・トリック」に使用した際には自身にその効果がはね返るなど、スタンドの相性によっては能力が通用しない場合もある。また発動させるためには能力を相手に「見せる」必要があり、髪形を馬鹿にされ激怒し、目の前の状況が認識できなくなった仗助のように、能力を認識できない相手に対しては、発動させることができない。パラメータからわかるように、破壊力自体は低く、殴り合いはできない。
露伴自身の遠い過去の記憶や運命は読めない。
死にゆく人間に使用した場合は肉体に存在する「人生の体験」が消えていく様子が見え、それが完全に消えると相手は死亡する(六壁坂の妖怪)。
死人を本にすると、2つの場合がある。生前の記憶が読めるが死んだ後のことは読めない(幽霊の杉本鈴美)、または「死」という文字だけで埋め尽くされており生前の記憶を読むことも命令を書き込むこともできない(ルーヴルの死者)。また死者を蘇生させることもできない。
諸設定がPart4作中と異なっている場合があり、荒木は「Part4とPart8の杜王町は別の町」「ジョジョリオンは一種のパラレルワールド、ジョジョリオンと岸辺露伴は動かないは隣り合わせの世界」と説明している(『ジョジョベラーHISTORY』)。またルーヴルインタビューでも「よそ行き」「Part4とはあえて変えている」と説明されている。
岸辺露伴を主人公としたスピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』シリーズ。一部のエピソードは原作を岸辺露伴が、作画を荒木飛呂彦が手がけたという設定になっている。
2017年以降は、複数の作者陣による短編小説も執筆されている。
現実のコラボ。架空のキャラクターである露伴が、現実の場所へと出かけたことを漫画にする。
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