小林 敬生(こばやし けいせい、本名読み:たかお、1944年1月26日 - )は、日本の版画家。
極薄で半透明の雁皮紙(和紙)に、木口木版で作成した精密な複数の版木を組み合わせた、空間表現が特徴。「鏡貼り」の手法等を駆使することにより、書籍の挿絵や絵本の印刷に用いられていた「木口木版」の作品の大型化を実現した。
- 上野伊三郎、上野リチ(Felice Rix-Ueno)、平田自一郎等に指導を受ける。同期に陶芸の大道正男等。
- 1968年3月:インターナショナルデザイン研究所専攻科を修了。
- 同年12月:上京。
- 版画集『日本之社会運動・明治』(私家本 板目木版)
- 1969年:洋画家 宮永岳彦に師事 油絵や板目木版に取り組む。
- 1975年:独学で「木口木版」による制作を開始。
- 1978年:第2回日本現代版画大賞展にて、「遺された部屋 No.6・A1」「遺された部屋 No.8」で優秀賞を受賞。
- 1979年:版画集『午前3時の無言歌』(10点セット、シロタ画廊)刊行。
- 木口木版作家グループ「鑿の会」(柄澤齊ら)に参加。
- 1981年:日本版画協会会員に推挙される。
- 1982年:第2回ソウル空間国際版画ビエンナーレにて、「夜明け I」「夜明け II」で大賞を受賞。
- 1984年:版画集『静止した刻』(8点セット、シロタ画廊)刊行。
- 1987年:「蘇生の刻 -S62・8-」(タテ90.0xヨコ120.0cm)発表。
- 1989年:第19回現代日本美術展にて、「蘇生の刻 -飛翔・A-」で、ブリヂストン美術館賞を受賞。
- 第3回和歌山版画ビエンナーレにて、「蘇生の刻 -S63・12-」(タテ90.0xヨコ156.0cm)で優秀賞を受賞。
- 1990年:第1回高知国際版画トリエンナーレにて、「蘇生の刻 -飛翔-」が佳作に選ばれる。
- 1991年:第2回大阪トリエンナーレにて、「蘇生の刻 -H3・3-」(タテ110.0xヨコ270.0cm)で特別賞を受賞。
- 1993年1月:個展『小林敬生展-木口木版1977~1992』(於:銀座和光ホール)開催。
- 「蘇生の刻-白い朝(群舞)」(タテ167.0xヨコ260.5cm)が銀座和光に展示される。
- 『小林敬生木口木版画 1977〜1992』(株式会社ギャラリーステーション、ISBN 978-4915478505)刊行。
- 第2回高知国際版画トリエンナーレにて、「蘇生の刻 -白い朝・92-12-」 で大賞を受賞。
- 1997年 多摩美術大学美術学部絵画学科版画専攻教授となる。
- 第8回大阪トリエンナーレにて、「蘇生の刻 -群舞97・3D-」で銀賞を受賞。
- 1998年:「蘇生の刻-S62.8-」を、文化庁が買上げ。
- 2003年:第1回北京国際版画ビエンナーレにて、「蘇生の刻 -群舞97・3B-」で銅賞を受賞。
- メキシコ・グァナファト州立大学で特別講義・実技指導。
- 2005年:滋賀県立近代美術館において、「滋賀の現代作家展 - 小林敬生 木口木版1977-2004」開催。
- 2006年:秋の褒章で、紫綬褒章を受章[1]。
- 2007年:第13回山口源賞にて、「白い朝又は早暁 -塔05・03C-」(木口木版)で大賞を受賞。
- 2011年:中国美術学院で特別講義・実技指導(中国杭州市)。
- 10月『小林敬生-木口木版画全作品1976〜2011-』(阿部出版、ISBN 978-4872423280)刊行。
- 版画集『蘇生の刻 -楽園(エデン)-』(6点セット、シロタ画廊)刊行。
- 1976年から制作を開始した、400点を超える「木口木版」の作品群は、
- 「男たちの肖像」・「遺されたものたち」・「遺された部屋」シリーズ(1976年~)
- 「漂泊」シリーズ(1981年~)
- 「蘇生の刻」シリーズ(1985年~)
- 「饒舌な風景」・「白い朝又は早暁」シリーズ(2000年~)
- 「陽はまた昇る」シリーズ(2008年~)
と続き、一貫して、多様な生命と文明の調和への壮大なストーリーを描き出している。