小松由佳 (登山家)
日本の登山家・写真家 ウィキペディアから
来歴
秋田県秋田市出身。秋田県立秋田北高等学校に入学してすぐに登山部へ入部[2]。1999年熊本国体、2000年岐阜インターハイに出場するなど競技登山に打ち込んだ[2]。のち東海大学文学部へ進学。山岳部へ入部し、本格的な登山を始める。同部は女性の入部が禁止されていたが、その決まりを知らない部員によって入部が認められた。4年次には同部初の女性主将となり[2]、中国の未踏峰へ海外遠征も行う。
大学卒業後の2006年8月、同大学山岳部創部50年記念事業のK2登山隊へ参加[3]、登頂に成功した(女性としては8人目[2]、日本人女性として初めての成功[3][4]。また、南南東支稜からの登頂は女性として世界初[5])。同年度の植村直己冒険賞を受賞した(女性としては山野井妙子、渡辺玉枝に続く3人目)。 また、同年に秋田県県民栄誉章を受章[6]。
勤務先は、登山用品店ICI石井スポーツを経て東京郊外の牧場、知的障害者の福祉施設、現在は若者の自立支援業務に携わる。
その後、風土と共に生きる人間の営みに魅せられ、東西アジアを旅しながらフォトグラファーに転身。多様な自然環境の中での人間の暮らしを撮影している。写真誌『名のない星』を個人的に発刊し、瀬戸内海の過疎化の進む島の暮らしや、秋田の冬の鮭の遡上の光景をフォトエッセイで表現している。
2012年からシリア難民をテーマに取材を続け、同年シリア人男性と結婚[7][8]。2児の母[2]。 2021年、シリア内戦を描いたノンフィクション『人間の土地へ』にて第8回山本美香記念国際ジャーナリスト賞を受賞[9]。
主な登山歴・取材歴
- 2004年 ルクン・ムスターグ(中国 新疆ウイグル自治区/6500m)初登頂
- 2005年 チョモランマ(中国 チベット/8850m)6500mまで
- 2006年 K2(パキスタン/8611m)南南東支稜より登頂
- 2007年 ヨーロッパアルプス メンヒ北壁(スイス)、モンブラン・デ・タキュール(フランス)など
- 2007年 シスパーレ(パキスタン/7611m)6000mまで
- 2008年 東京から沖縄まで自転車の旅
- 2008年 モンゴルの遊牧民を取材
- 2009年 シリア砂漠の遊牧民ベドウィン族・北イラクのクルド人・イランの遊牧民ゴラッボ族・カシュガイ族を取材
- 2010年 エジプトのオアシスの暮らし・ナイル流域の暮らしを取材。イエメンの山岳民族を取材
- 2011年 シリア砂漠の遊牧民ベドウィン族の取材
- 2012年 シリア内戦下の暮らしを取材
- 2013年 在ヨルダンシリア人難民キャンプを取材、難民への募金を運ぶ
著書
- 『オリーブの丘へ続くシリアの小道で:ふるさとを失った難民たちの日々』河出書房新社、2016年3月。ISBN 978-4-309-24755-7
- 『風土に生きる人々:写文集・生き物との暮らし』(電子書籍) ゼロメガ、2017年1月。
- 『人間の土地へ』集英社インターナショナル、2020年9月。ISBN 978-4-7976-7389-0
テレビ出演
参考資料
- 東海大学K2登山隊編『K2 2006:日本人女性初登頂・世界最年少登頂の記録』(東海大学出版会,2007年) ISBN 9784486037026
脚注
外部リンク
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