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富久クロス(とみひさクロス、英:Tomihisa Cross)は、東京都新宿区富久町で行われた大規模再開発事業。タワーマンションを中心に約3,000人が暮らす新しい街が整備された。
富久クロス | |
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施設の中核となるコンフォートタワー | |
施設情報 | |
所在地 | 東京都新宿区富久町 |
状態 | 完成 |
着工 | 2012年5月[1] |
竣工 | 2015年9月[1] |
用途 | 共同住宅、保育施設、物販店舗、飲食店舗、事務所[1] |
地上高 | |
高さ | 191.003m[1] |
各種諸元 | |
階数 | 地下2階 地上55階[1] |
敷地面積 | 16,246.97 m² [1] |
建築面積 | 11,325.74 m² [1] |
延床面積 | 138,961.87 m² [1] |
構造形式 | RC造一部S造[1] |
戸数 |
タワー 1,084戸 グリーンレジデンス 138戸 ペントテラス 22棟[2] |
駐車台数 | 480台[1] |
関連企業 | |
設計 |
基本構想、基本設計 まちづくり研究所 実施設計・管理 久米設計 設計協力 戸田建設一級建築事務所 デザイン監修 ミサワアソシエイツ一級建築事務所[1] |
施工 | 戸田建設・五洋建設共同体[1] |
デベロッパー | 西富久地区市街地再開発組合(参加組合員 野村不動産、三井不動産レジデンシャル、積水ハウス、阪急不動産)[1] |
新宿区西富久町は、1980年代のバブル景気時に地上げで地価がつり上がったが[2]、バブル崩壊後、駐車場や空地が虫食い状態のまま放置され、若い世代が多く転出していったことにより、まちの少子高齢化が進み、商店の売り上げも激減する等、地区内のコミュニティは崩壊の危機に見舞われた。また、不審火や泥棒、ホームレスの空き家侵入等、防犯、防災上の問題が地区内の深刻な問題となって取り残されてしまった[3]。
そうした中、1997年(平成9年)に地元住民が地上げ問題に対する勉強会を始め[3]、それを当時、早稲田大学の研究員だった増田由子(現:まちづくり研究所代表)らが支援し、研究テーマでもある「高齢者が元気で暮らせる街づくり」の構想を住民たちと練った[2]。
不良債権化した土地の多くは外資系企業の手に渡っていたが、増田が会社に赴いて構想を説明し「日本の公的機関に売って欲しい」頼み込んだ。1999年(平成11年)には追い風が吹き、都市基盤整備公団(現:都市再生機構)が虫食い地の買い取りを始め、再開発面積の約3分の1を取得。02年には都市再生を掲げた小泉純一郎政権が「緊急整備地域」の一つに選んだ[2]。
2001年(平成13年)に住民は「プロジェクトを市街地再開発事業して進めていくこと」、「高層マンションとペントハウスの複合型開発とすること」の2点を総会で確認し、新宿区西富久地区市街地再開発準備組合を設立。08年に都市計画決定、翌年に西富久地区市街地再開発組合設立認可を受け、 15年9月に全体が竣工し引き渡しを迎えた[3][4]。事業費は約650億円[2]。総合設計制度のために一定規模の公園設置が必要となるが、現在の富久さくら公園を公園として設置。ただし公園の敷地は国有地(かつては法務省官舎があった)を新宿区が借り上げて公園としており、民間の再開発に国有地が一体利用されている点は地元の実力者であり、財務族の与謝野馨の働きがあったとの噂もある。
富久クロスは、約2.6haの開発区域内に超高層分譲住宅(富久クロスコンフォートタワー)、賃貸中心の中層住宅(富久クロスグリーンレジデンス)、権利者向けに3階と中層7階に配置されたペントハウス住宅(ペントテラス)および低層部に配置された大型スーパー、認定こども園、権利者店舗による施設部分で構成され[5]、地区内に計画された外苑西通り(東京都市計画道路幹線街路環状第4号線)の延伸等の整備も一体的に行われた[3]。
山手線内では最高層クラスとなる高さ約190m、55階建て、制振構造による1,084戸の超高層住宅である。縦に伸びる柱をリブ形状とすることで高さ方向への意識付けを行い、よりシャープなデザインとし、頂部に印象的なフレームを設けることにより、ランドマーク性を高めた[5]。2013年(平成25年)9月に販売を始め、販売終了まで約6ヵ月間と、通常のおよそ半分の期間で販売を終える人気ぶりだった[4]。
ワンルーム中心の賃貸住宅。7階建て138戸。従前アパート経営をしていた権利者が従後も同様に賃料収入を得られるよう建てられた[2][6]。
平屋や2階建ての計22棟のペントハウス[2]。元々戸建て住宅に住んでいた権利者が元の生活形態を継続できることを目的にし、路地のある専用庭付き戸建て風住宅を人工地盤上に再現した。なだらかな坂により道路から直接アプローチし、接地性を高める工夫を行っている。この計画における最大の特徴である[6]。
低層部分にヨークフーズ新宿富久店と認定こども園を核として配置し、道路に面して権利者店舗・クリニック等の生活支援施設を並べ、街並みの賑わい創出を図った[5]。
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