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日本の情報処理に関する国家試験 ウィキペディアから
基本情報技術者試験(きほんじょうほうぎじゅつしゃしけん、Fundamental Information Technology Engineer Examination、略号FE)は、情報処理の促進に関する法律第29条第1項に基づき経済産業大臣が行う国家試験である情報処理技術者試験の一区分。対象者像は「高度 IT 人材となるために必要な基本的知識・技能をもち,実践的な活用能力を身に付けた者」。
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基本情報技術者試験 | |
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英名 | Fundamental Information Technology Engineer Examination |
略称 | FE、二種 |
実施国 | 日本 |
資格種類 | 国家資格 |
分野 | コンピュータ・情報処理 |
試験形式 | CBT |
認定団体 | 経済産業省 |
認定開始年月日 | 2001年(平成13年)5月22日[1] |
根拠法令 | 情報処理の促進に関する法律 |
公式サイト | https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/fe.html |
特記事項 | 実施はIT人材育成センター国家資格・試験部が担当 |
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情報処理技術者試験制度のスキルレベル2(スキルレベルは1から4が設定されている。)に相当する。2000年度(平成12年度)までの名称が第二種情報処理技術者試験であったことから二種という略称を用いる人もいる。
「基本情報処理技術者試験」は誤りである[2]。
試験は科目Aと科目Bに分けられている。いずれもComputer Based Testing (CBT) 方式によって実施される。問題数・問題構成等は #形式 を参照。
試験の出題範囲は、「コンピュータ科学基礎・コンピュータシステム・システムの開発と運用・ネットワーク技術・データベース技術・セキュリティと標準化・情報化と経営」など多岐にわたる。また、コンピュータ言語のプログラミングに関する問題が出されることから、主にプログラマ向けの能力認定試験として、情報産業界では古くから重要視される。
情報処理技術者試験の中では、応用情報技術者試験(旧・第一種情報処理技術者試験)と並び、最も歴史の長い区分である。
現在ではシステム開発者側だけでなく、旧・初級システムアドミニストレータ試験(初級シスアド)で対象にしていた利用者側にもある程度対応した試験となっている(例えば、午後試験で簿記や経営に関する内容が出題されたり、プログラミングに関する問題で言語の代わりに表計算ソフトを選択可能になった、など)。しかしながら、午後のアルゴリズムは選択必須であり、依然としてプログラマからシステムエンジニアへの登竜門とされている。情報工学に関連するエンジニアの実務においてもベースとなる。特に大手システム開発会社ではこの試験に合格することが技術者の必要最低限の資格として重要視されることがあり、入社3年程度以内に取得することを推奨されている。その上で、応用情報技術者試験(AP)など、上位の試験合格を目指すキャリアパスになっている。
受験者の年齢層は10代半ばから50歳代と幅広い。近年では、60代や70代など高齢者の受験も僅かながら増加している。受験者のボリュームゾーンは、19 - 21歳(主に情報系の大学生、専門学校生)と、22 - 25歳(主にシステム開発会社の新入社員)にある。合格者の平均年齢は24 - 26歳とボリュームゾーンよりやや高い年齢である。
新卒のIT職の志望者の中での取得率は10%に満たない。大手民間企業や公的機関のIT関連職では基本情報技術者試験 (FE) 以上の合格者しか採用しないケースもある。 公的機関では特に、情報技術の関連職の採用を、基本情報技術者試験 (FE) の合格を基準に行っているところがあり、大学卒業程度に相当する資格と位置づけられるのが一般的である。
受験者の最終学歴の最頻は理工系の情報系専攻の大卒となっているが、近年では文系の大卒が増加している。その背景としては文学部や経済学部といった従来情報系とは関連の乏しい分野にも情報解析、情報処理を応用した講義が増加傾向にあることや、情報メディアといった芸術職や広告業向けの専攻が増加したこと、情報技術の普及とITリテラシーの高度化などが挙げられる。
応募者数に比して実際に受験した受験者数が例年低く(これは応用情報技術者試験 (AP) も同様)、受験率は毎年60パーセントから70パーセント程度である。言い換えれば、3割程度の応募者は受験していない[3]。
年間の受験者数は10万人を超え(2022年度は応募者数約11万人)、情報処理技術者試験の試験区分のなかでITパスポート試験(2022年度は応募者数約25万人)に次いで多い[3]。1985年試験までは年1回の実施だったが、受験者数が増加したため、1986年以降は年2回の実施に変更された。
2006年春以前の被採点者中の合格率は15%前後で推移し、2006年秋試験以降は例年20%台である、2006年春以前の申込者中の合格率は11%前後で推移し、2006年秋試験以降は例年16%前後である。[4][注 1]。
合格率は合格者数を受験者数で割って算出した数値である。なお、この受験者数には「応募はしたものの試験当日に欠席した者」・「途中退室などして採点されなかった者」・「マークシート記入ミスなどして採点されなかった者」・「午後試験を受験せず採点されなかった者」・「不正行為をした者」等は含まれない。先述の通り、全応募者のうち、試験当日に何らかの形で採点されなかった者が例年3割程度存在する。そのため、棄権者を含めた総応募者数から見た実質の合格率は例年10%台になる[3]。
第二種情報処理技術者試験(旧名称)から基本情報技術者試験(新名称)に2001年(平成13年度)に名称変更となったが、旧名称の頃の方が合格率が低く、難関な国家資格であった。
【合格率の推移】
合格者の平均年齢は例年24 - 26歳程度である[6]。これは情報処理技術者試験の各区分のなかで最も若い[注 2]。大学生などの学生や入社3年以内の新人社員の受験者が多いことが関係しているとされる。2019年度(平成31年度)春期試験で9歳の合格者[7]、通期開催となった2023年4月に8歳の合格者が誕生した[8]。最高齢は87歳[9]。
工業高等学校のジュニアマイスター顕彰制度において、基本情報技術者試験はAランク(20ポイント)の区分である[10]。
基本情報技術者試験(FE)の出題範囲を更に詳細化し、スキルレベル2の知識・技能の幅と深さを体系的に整理・明確化した「シラバス」(情報処理技術者試験における知識・技能の細目)が策定され、公表されている[23]。 シラバスは、試験の合格を目指す受験者にとっての学習指針として、また、企業・学校の教育プロセスにおける指導指針として、有効に活用されることが期待されている。 技術動向などを踏まえて、内容の追加・変更・削除など、適宜見直しが行われている。
出題範囲は広く、情報処理に関する総合力を問う試験となっている。所謂テクノロジと呼ばれる領域(情報技術)だけでなく、マネジメント(経営管理)やストラテジ(経営戦略)の知識も必要となる。なお、上位区分の応用情報技術者試験(スキルレベル3)や下位区分のITパスポート試験(スキルレベル1)も、出題範囲としては基本情報技術者試験(スキルレベル2)とほぼ同じである。違いは出題される内容の深さであり、応用情報技術者試験(AP)では基本情報技術者試験(FE)で扱う内容をより深く掘り下げたものが出題される。逆にITパスポート試験では基本情報技術者試験の内容を浅くしたものが出題される。
ちなみに高度情報処理技術者試験(スキルレベル4)は基本情報や応用情報などと異なり、各試験区分ごとに異なる専門分野に特化した試験となっている(例えば、ネットワークスペシャリスト試験はネットワークに、データベーススペシャリスト試験はデータベースに、プロジェクトマネージャ試験はマネジメント領域に、ITストラテジスト試験はストラテジ領域に特化した試験となっている。)。また、情報セキュリティマネジメント試験(SG)も制度上は基本情報技術者試験(FE)と同じスキルレベル2の試験であるが、セキュリティ分野に特化した試験となっている。
ユーザインタフェース ※2024年10月から変更。9月までは「ヒューマンインタフェース」
情報メディア ※2024年10月から変更。9月までは「マルチメディア」
システム開発技術
ソフトウェア開発管理技術
システム企画
経営戦略マネジメント
技術戦略マネジメント
ビジネスインダストリ
情報通信技術全般から基本的な知識を問う問題が出題されるが、プログラマ等の開発者側だけでなく、システムアドミニストレータで対象としていた利用者側にも対応した試験となっている。 そのため、従前の試験の出題範囲に加えて、初級システムアドミニストレータ試験(初級シスアド)の内容であった問題が出題されるようになった。 例えば、午後試験で表計算ソフト(試験用オリジナルソフト)の問題が選択可能となったことである。
科目A・科目B共に正解率60%以上で合格となる。採点は項目応答理論 (IRT) によって実施される。問題は非公開である。
ちなみに、上位区分の応用情報技術者試験や高度情報処理技術者試験では午前で不合格だった場合は午後は採点されないが、基本情報技術者試験では午前が不合格だった場合でも午後も採点自体はされる。
試験時間90分。四肢択一式。出題数60問。評価は56問で行い、残りの4問は今後出題する問題を評価するために使われる。
試験時間100分。多肢選択式。出題数20問。評価は19問で行い、残りの1問は今後出題する問題を評価するために使われる。
試験時間150分。四肢択一式(マークシート使用)で80問出題され全問解答。素点形式で採点され60点以上で合格(満点は100点)。
試験時間150分。素点形式で採点され60点以上で合格(満点は100点)。
2005年度(平成17年度)から、国または情報処理推進機構 (IPA) が認定した講座の修了者は修了日から1年間(本番2回分)、午前の科目が免除される(つまり、本番の試験では午後の科目だけ受験すれば良い)[28]。
※なお、「本番の午前で60点以上取ったが、午後が59点以下だった」という場合の科目免除制度は存在しないため、注意を要する。
午前試験はIRT(項目応答理論)、午後は配点(各大問につき(1) - (1)割程度の配点)をある計算式に導出して採点されていた。午前・午後とも最低200点-最高800点の5点刻みで評価され、その両方が600点以上であれば合格となっていた。
試験時間150分。四肢択一式(マークシート使用)で80問出題され全問解答。
出題範囲は「コンピュータ科学基礎」(現行の「基礎理論」に相当する分野)、「コンピュータシステム」、「システムの開発と運用」、「ネットワーク技術」、「データベース技術」、「セキュリティと標準化」、「情報化と経営」(現行のストラテジ系に相当する分野)であり、情報通信技術全般から基本的な知識を問う問題が出題された。ただし「情報化と経営」に関しては10問程度しか出題されず、現行の試験のストラテジ系(20問)より出題数は少なかった。また、現行の試験とは異なり、「監査」は対象外だった。
以前出題された試験問題が流用されることがあるため、過去問題を参考書などで演習すればまったく解けないことはない。ただ、近年重要な問題として挙げられるようになった著作権や、セキュリティに関して、新しい話題から出題されることもあれば、これまでまったくなかった新しい分野からの出題もまれに見られた。また、ソフトウェア開発技術者試験や情報セキュリティアドミニストレータ試験、上級システムアドミニストレータ試験など、より上位の区分から問題を持ち出してくることもあった。
試験時間150分。より高度な知識を問う問題、擬似言語と言われる簡略化されたコンピュータ言語を用いた応用問題と、4つのコンピュータ言語から1つを選択して解答する。プログラミングの問題が各2問出題される。
以上の分野から5問出題され、多肢選択式(マークシート)で全問回答。
第二種情報処理技術者試験 | |
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英名 |
Programmer Examination[注 5] Class II Information Technology Engineer Examination[注 6] |
略称 | 情報2種、二種 |
実施国 | 日本 |
資格種類 | 国家資格 |
分野 | コンピュータ・情報処理 |
試験形式 | マークシート |
認定団体 | 経済産業省 |
認定開始年月日 | 1970年(昭和45年)[注 7] |
認定終了年月日 | 2000年(平成12年) |
根拠法令 | 情報処理の促進に関する法律 |
公式サイト | https://www.jitec.ipa.go.jp/ |
特記事項 | 実施は情報処理技術者試験センターが担当 |
ウィキプロジェクト 資格 ウィキポータル 資格 |
第二種情報処理技術者試験(だいにしゅじょうほうしょりぎじゅつしゃしけん、略称二種、Class II Information Technology Engineer Examination)は、かつて情報処理技術者試験にあった区分である。
1969年(昭和44年)に第二種情報処理技術者認定試験(だいにしゅじょうほうしょりぎじゅつしゃにんていしけん)として実施され、翌年1970年(昭和45年)より第二種情報処理技術者試験として開始された。
1985年(昭和60年)試験までは年1回の実施だった。受験者数の増加に伴い、1986年(昭和61年)以降は春期(4月第3日曜日)と秋期(10月第3日曜日)の年2回の実施に変更された。2000年(平成12年)秋期まで実施され、2001年(平成13年)春期より後継の基本情報技術者試験(略号FE)に移行した。
1994年(平成6年)春期までの情報処理技術者試験制度では、最も難易度が低い区分とされていた。また、同年秋期以降も、新設された初級システムアドミニストレータ試験[注 8]に次いで2番目に難易度が低い区分とされていた。しかしながら、合格率が20%を上回ることはきわめて稀であり、例年10%台の難関国家資格であった。2009年(平成21年)春期以降の現行FEは合格率が20%を下回ったことがないため、現行FEよりも難易度が高い国家試験であったといえる。
なお、対象者像は高等学校卒業後、実務経験1年以上3年未満の一般常識を有するプログラマとされている[注 9]が、実際の受験者、合格者は大学生および社会人が多く、高校生が合格するのは難しい国家試験として認知されていた。
午前と午後の両方で基準点以上の得点を獲得することで合格となる。
試験時間150分。多肢選択式(マークシート使用)で80問出題され全問解答。
コンピュータシステム、ネットワーク、データベース、離散数学、プログラムなど情報技術全般から基本的な知識を問う問題が出題された。簿記・会計や経営戦略、企業活動に関する内容(現行FEのストラテジ系に相当する領域)も出題された。
1994年(平成6年)春期までは情報技術に関する英語の文献の問題や、情報技術の歴史の問題、また、ITの知識というより一般教養(税金など)を問われるような内容の問題も出題されていた[30]。
試験時間150分。午前の応用問題の他、後継のFEでも出題されているアルゴリズムおよびプログラミング言語に関する問題が出題された。特にアルゴリズムとプログラミングは配点が大きいため、合格するためにはしっかりとした対策をする必要があった。
1994年(平成6年)春期までは第一種情報処理技術者試験(現・応用情報技術者試験)などと同じく記述式だったが、同年秋期よりマークシート使用の多肢選択式に変更された。後継のFEも多肢選択式である。
区分 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) | |
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第二種情報処理技術者認定 | 22,057 | 1,832 | 8.3 | |
第二種情報処理技術者 | 1970年度~1994年度春期 | 2,388,115 | 369,556 | 15.5 |
1994年度秋期~2000年度 | 1,126,503 | 182,432 | 16.2 | |
基本情報技術者 | 2001年度~2008年度 | 1,257,554 | 222,038 | 17.7 |
2009年度~2019年度 | 1,255,137 | 318,810 | 25.4 |
統計資料の応募者・受験者・合格者の推移表[17]において、上記の数値は本試験に計上されている。
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