通信に関する規約 ウィキペディアから
通信プロトコル(つうしんプロトコル、Communication protocol)は、通信に関する規格のことである。「通信規約」や「通信手順」ともいう[1][2]。
通信を行うためには、通信に参加するもの同士の間で、あらかじめ通信に関する規格を定めなければならない。
たとえば、江戸時代においては、旗振り通信により、米相場を各地に伝達していたが、旗を振る向きや回数の意味について、事前に打ち合わせて決めておかなければ意味を成さない(上げ相場は左横上で二振、下げ相場は右横下で二振、など)。
プロトコルを定め、それに従うことは、通信を成立させるための基本原理と言える。プロトコルが異なる機器同士で通信を行いたい場合は、プロトコルコンバータ(英語: Protocol converter)のような機器を使用する。
一つの通信でも、役割の異なる複数のプロトコルから成り立っていることも多く、それらをまとめたものは「プロトコルスタック」、「プロトコル・ファミリー」、「プロトコル・スイート」などと呼ぶ。これは、ネットワーク・プロトコルが階層的に定義されているのに対応して、それを実装するソフトウェアも階層的に構築されるためである。また、このことからプロトコルや、プロトコル・スタックは、しばしばそれらのソフトウェアでの実装を指すこともある。
現在広く普及しているプロトコル・スイートとしては、インターネット・プロトコル・スイート(TCP/IP)が挙げられる。インターネットの通信に関するプロトコルは、コンピュータ上で動くソフトウェアに関する取り決めを中心に、伝送路などのハードウェアについての取り決めも含まれ、そのほとんどは、IETFによって定められ、その他のものについてはIEEEやISOなどの組織によって定められている。ITU-Tは電気通信に関するプロトコルの策定を行う。
通信プロトコルは、伝送路の物理条件、伝達、相手の特定、情報表現の4つの基本要素より成り立っている。
以下は各種の通信プロトコルについて、OSI参照モデルの7層のうち最も近い層に分類したものになっている。
HTTP over TLS(HTTPSなどで使われる)やSMTP over SSL、STARTTLSなど、上記のプロトコルにおけるセキュリティ上の欠点を補ったものもある。
通信に関して最初にProtocol(プロトコル)という用語が使われたのは、1968年に稼動を開始したARPANET(アーパネット)である。ARPANETは世界最初のコンピュータ・ネットワークとして、また、現在のインターネットの母体となったネットワークとして知られている。
その後、ARPANETを手本にさらに良いネットワークを構築するために生み出されたX.25という通信手順の登場で、プロトコルという用語が広まり定着した[3]。
CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、FlexRayのような車載機器の通信規格がある。
Echonet、ECHONET Liteのような家電用通信規格がある。
ARCNET(Attached Resource Computer NETwork)のような機器間の通信規約がある。
SpaceWireのような航空宇宙用の通信規約がある。
製造元独自の通信プロトコル(ベンダーロックイン)が多いが、スマートファクトリー、インダストリー4.0といった取り組みにより、異なる製造元の装置が通信できる規格もある。また、OLE for Process Controlのような標準規格がある。
BACnet、LonTalk、X10、ZigBeeのような通信規格がある。
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