坂木司
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(さかき つかさ、1969年[1] -)は、日本の作家。東京都出身[1][2]。作品の基本スタイルは「主人公の成長」と「日常の謎」[9]。日本推理作家協会会員[10]、本格ミステリ作家クラブ会員[11]。
略歴・人物
幼少時代から、活字本は児童書、漫画は『ドラえもん』、テレビアニメは『カルピス劇場』、アニメ版『リボンの騎士』等に親しむ[12]。大学卒業後[4]、気晴らしに池波正太郎の『剣客商売』を読みながらの電車通勤生活中[12]、沢木耕太郎の『深夜特急』に感化されて辞職[12]。その後、当時、東京創元社社長だった戸川安宣と対面し手元にある、後に『青空の卵』に収録された短編4本の書籍化を検討され[12][13]、2002年、『青空の卵』で覆面作家としてデビューする。デビュー作を含む『ひきこもり探偵シリーズ』で注目された[3]。
ペンネームの由来はデビュー作の登場人物から[12]。デビュー前にペンネームが決まっていなかったが、何も思いつかずに登場人物の名前からとった[12]。出生年・生い立ち・学歴は公開しているが他は性別すらも未公表[12]。性別などのプロフィールを公開することによって読者に先入観を与えないためである[注釈 1]。
作風
作品に関しては、隙間産業[14][15] と自身引き出しの事情[15]、天邪鬼な性格[14] から、他人と「被らないこと」を大切にしていると述べている[14]。
何が困るかって
『何が困るかって』収録作品「ぶつり」は「Webミステリーズ!」にてオンライン小説として公開され[16]、後に『何が困るかって』に収録された[17]。POP広告内のイラストは坂木自身が担当した[18]。
作品リスト
要約
視点
ひきこもり探偵シリーズ
→詳細は「ひきこもり探偵シリーズ」を参照
坂木の代表作。日常の謎を扱ったミステリであると同時に、人間関係のあり方を問う青春小説でもある。
- 青空の卵(2002年5月 創元クライム・クラブ / 2006年2月 創元推理文庫)
- 収録作品:夏の終わりの三重奏 / 秋の足音 / 冬の贈りもの / 春の子供 / 初夏のひよこ
- 仔羊の巣(2003年5月 創元クライム・クラブ / 2006年6月 創元推理文庫)
- 収録作品:野生のチェシャ・キャット / 銀河鉄道を待ちながら / カキの中のサンタクロース
- 動物園の鳥(2004年3月 創元クライム・クラブ / 2006年10月 創元推理文庫)
ホリデーシリーズ
→詳細は「ホリデーシリーズ」を参照
二葉と隼人の事件簿シリーズ
和菓子のアンシリーズ
→詳細は「和菓子のアン」を参照
- 和菓子のアン(2010年4月 光文社 / 2012年10月 光文社文庫)
- 収録作品:和菓子のアン / 一年に一度のデート / 萩と牡丹 / 甘露家 / 辻占の行方
- 和菓子のアン - 大活字本
- 上巻(2017年6月 埼玉福祉会)
- 収録作品: 和菓子のアン / 一年に一度のデート / 萩と牡丹
- 下巻(2017年6月 埼玉福祉会)
- 収録作品:甘露家 / 辻占の行方
- 上巻(2017年6月 埼玉福祉会)
- アンと青春(2016年3月 光文社 / 2018年10月 光文社文庫)
- 収録作品: 空の春告鳥 / 女子の節句 / 男子のセック / 甘いお荷物 / 秋の道行き
- アンと愛情(2020年10月 光文社 / 2023年8月 光文社文庫)
- 収録作品: 甘い世界 / こころの行方 / あまいうまい / 透明不透明 / かたくなな / 冬を告げる/ 豆大福
- アンと幸福(2023年10月 光文社)
- 収録先品:江戸と長崎 / 秋ふかし/ 雲の上 / はしりとなごり / お菓子の神さま / 湯気と幸福
読切短編
エッセイ
その他の作品
- 切れない糸(2005年5月 創元クライム・クラブ / 2009年7月 創元推理文庫)
- 収録作品:グッドバイからはじめよう / 東京、東京 / 秋祭りの夜 / 商店街の歳末
- シンデレラ・ティース(2006年9月 光文社 / 2009年4月 光文社文庫)
- 収録作品:シンデレラ・ティース / ファントムvs.ファントム / オランダ人のお買い物 / 遊園地のお姫様 / フレッチャーさんからの伝言
- ホテルジューシー(2007年9月 角川書店[注釈 2]/ 2010年9月 角川文庫)
- 収録作品:ホテルジューシー / 越境者 / 等価交換 / 嵐の中の旅人たち / トモダチ・プライス / ≠(同じじゃない) / 微風
- 夜の光(2008年10月 新潮社 / 2011年8月 新潮文庫)
- 収録作品:季節外れの光 / スペシャル / 片道切符のハニー / 化石と爆弾 / それだけのこと
- 短劇(2008年12月 光文社 / 2011年2月 光文社文庫)
- 収録作品:カフェラテのない日 / 目撃者 / 雨やどり / 幸福な密室 / MM / 迷子 / ケーキ登場 / ほどけないにもほどかある / 最後 / しつこい油 / 最後の別れ / 恐いのは / 変わった趣味 / 穴を掘る / 最先端 / 肉を拾う / ゴミ掃除 / 物件案内 / 壁 / 試写会 / ビル業務 / 並列歩行 / カミサマ / 秘祭 / 眠り姫 / いて
- 大きな音が聞こえるか(2012年12月 角川書店 / 2015年7月 角川文庫)
- 肉小説集(2014年10月 KADOKAWA / 2017年9月 角川文庫[注釈 5])
- 収録作品:武闘派の爪先 / アメリカ人の王様 / 君の好きなバラ / 肩の荷(+9)/ 魚のヒレ / ほんの一部
- 何が困るかって(2014年12月 東京創元社 / 2017年12月 創元推理文庫[注釈 4])
- 収録作品:いじわるゲーム / 怖い話 / キグルミ星人 / 勝負 / カフェの風景 / 入眠 / ぶつり / ライブ感 / ふうん / 都市伝説 / 洗面台 / ちょん / もうすぐ五時 / 鍵のかからない部屋 / 何が困るかって / リーフ / 仏さまの作り方 / 神様の作り方
- 女子的生活(2016年8月 新潮社)
- 鶏小説集(2017年10月 KADOKAWA)
- 収録作品:トリとチキン / 地鶏のひよこ / 丸ごとコンビニエント / 羽のある肉 / とべ エンド
- 楽園ジューシー(2022年2月 KADOKAWA)
- 収録作品:約束 / 風の音 / 境界 / ローリングカラーストーン/ フェア/君ではない/眩しさ
- ショートケーキ。(2022年4月 文芸春秋)
- 収録作品:ホール / ショートケーキ。 / 追いイチゴ / ままならない / 騎士と狩人
アンソロジーその他
「」内が坂木司の作品
- Sweet Blue Age(2006年2月 角川書店)「ホテルジューシー」[注釈 6]
- 名探偵の奇跡 最新ベストミステリー(2007年9月 光文社 / 2010年5月 光文社文庫)「先生と僕」 [注釈 7]
- 旅立ち。卒業、十の話(2008年2月 メディアファクトリー) 「告白の日」
- ピュアフルアンソロジー 片想い。(2008年3月 ジャイブ ピュアフル文庫)「長い片想い」
- きみが見つける物語 十代のための新名作・友情編(2008年8月 角川書店)「秋の足音」[注釈 8]
- 作家の読書道 3(2010年5月 本の雑誌社)※インタビュー収録、作家18人の読書ライフからどんな本を読んで育ち、どんな本に影響を受けたのかを探る。
- 坂木司リクエスト!和菓子のアンソロジー(2013年1月 光文社 / 2014年6月 光文社文庫)「空の春告鳥」[注釈 9]
- 大崎梢リクエスト!本屋さんのアンソロジー(2013年1月 光文社 / 2014年8月 光文社文庫)「国会図書館のボルト」[注釈 10]
- エール!2(2013年4月 実業之日本社文庫)「ジャグジー・トーク」[注釈 11]
- 奇想博物館 最新ベスト・ミステリー(2013年12月 光文社)「国会図書館のボルト」
- 私がデビューしたころ ミステリ作家51人の始まり(2014年6月 東京創元社)「時候の挨拶」
- この部屋で君と(2014年8月 新潮文庫nex)「女子的生活」[注釈 12]
- パレス・メイヂ (4) 同人誌付き特装版(2015年8月 著:久世番子 白泉社 花とゆめCOMICS)[22]「或る休日」
- みんなの少年探偵団2(2016年3月 ポプラ社)「うつろう宝石」
- 自薦 THE どんでん返し(2)(2017年1月 双葉文庫)「勝負」[注釈 13]
雑誌連載中作品
メディア・ミックス
映画
ドラマ
漫画
朗読化
『青空の卵』(2002年5月 創元クライム・クラブ / 2006年2月 創元推理文庫)他「ひきこもり探偵」シリーズ全3作が朗読化されている。朗読者は西山宏太朗。株式会社アールアールジェイにて運営する、スマートフォンサイト『kikubon』にて配信中。
2016年12月15日『青空の卵』、2017年4月20日『仔羊の巣』がオーディオブック配信サイト「FeBe」より配信。朗読者は寺島愛。
脚注
関連項目
外部リンク
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