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メタリックルージュ
日本のテレビアニメ番組 ウィキペディアから
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『メタリックルージュ』(METALLIC ROUGE)は、ボンズ制作による日本のテレビアニメ作品。2024年1月から4月までフジテレビの『+Ultra』枠ほかにて放送された[1][2]。
ボンズ25周年記念のオリジナルテレビアニメであり、ボンズと出渕裕が『ラーゼフォン』以来19年ぶりに再タッグを実現した作品である[3]。
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あらすじ
2128年、世界には人間とネアンと呼ばれる人造人間が混在していた。ネアンの少女である主人公ルジュは、バディのナオミと共に火星で政府に敵対する9人のネアン「インモータルナイン」を殺害する任務に就く[5]。
登場人物
- ルジュ・レッドスター
- 声 - 宮本侑芽[6]
- 本作の主人公のネアンの少女。実年齢は10歳だが外見は17歳ほどである。赤い鎧のような戦闘形態『メタルルージュ』へ変身(ディフォルム)し、インモータルナインや敵性異星人『簒奪者』の戦闘兵器と戦う。好物はチョコレート[7]で、高級品よりもチョコレートを優先する程。
- インモータルナインではないためコード・イヴは無いが、それとは別に「最終コード」とよばれるコード・イヴ起動用のコードが内蔵されており、インモータルナイン側からも狙われている。
- ナオミ・オルトマン
- 声 - 黒沢ともよ[6]
- ルジュのバディ。23歳。『真理部』と呼称されるネアンを管理する政府機関の特務捜査官。ミリタリーおたくを自称する大食漢。
- ルジュに同行できない時は、小鳥型の通信機を使いルジュと通信を行う。
- 実は彼女もネアンであり、「ファースト」と呼ばれる来訪者によって作られた存在である。しかし本人は「ファースト」と呼ばれることを嫌っている。
- ジーン・ユングハルト
- 声 - 武内駿輔[6]
- ルジュ、ナオミの上司。インモータルナインを倒すように指示している。
- サラ・フィッツジェラルド
- 声 - 嶋村侑[6]
- インモータルナインの一人。『煉獄のヴァイオラ』へ変身する事が出来る。
- ジャロン・フェイト
- 声 - 吉野裕行[6]
- インモータルナインの一人。『黄泉のジャロン』へ変身する事が出来る。
- ジル・スタージョン
- 声 - 小倉唯[6]
- フリージャーナリスト。火星の荒野で運行されているバスでルジュと乗り合わせる。
- その正体はインモータルナインの一人。『閃光のシルヴィア』へ変身する事ができる。
- アフダル・バシャール
- 声 - 津田健次郎[6]
- ウェルズタウンのネアン居留地内で働いているネアン専門の医師。上記のバスでルジュと乗り合わせる。
- その正体はインモータルナインの一人。『幻影のヴェルデ』へ変身する事ができる。
- アエス-アリス・マキアス
- 声 - 津田美波[6]
- インモータルナインの一人。『双頭のアルコス』へ変身する事ができる。
- 多重人格者であり、二人の人格が一つの肉体を共有している。
- エデン・ヴァロック
- 声 - 興津和幸[6]
- 戦争遺跡を調べている青年。
- インモータルナインの一人。『漆黒のノアール』へ変身する事ができる。
- グラウフォン・ベルグ
- 声 - 安元洋貴[6]
- インモータルナインの一人。『不動のグラウフォン』へ変身する事ができる。
- アッシュ・スタール
- 声 - 宮内敦士[6]
- 『守護局』の捜査官。各地の殺人現場(インモータルナインの正体は世間に知られていない)で目撃された『赤い人影』(=メタルルージュ)を追っている。
- 捜査官だが、『赤い人影』を追いかけるあまり命令無視や無許可の侵入など、規則違反を多数犯している。
- ノイド262
- 声 - 小林千晃[6]
- アッシュの相棒であるネアンの少年。
- ルジュ達とインモータルナインとの戦いに巻き込まれ、射殺される。
- 人形遣い師
- 声 - 家中宏[6]
- 移動カーニバルの座長。簒奪者と協力関係にあり、本作の騒動を生み出した元凶でもある。
- ネアン開発に携わったことがあり、エヴァと面識があると語る。
- その正体はロイ・ユングハルトのコピーネアン。
- オペラ
- 声 - 伊瀬茉莉也[6]
- 移動カーニバルの団員。
- シアン・ブルースター
- 声 - 白石晴香[6]
- ネアンの少女。ルジュの妹を自称する。当初は人形遣い師に操られてルジュと敵対するが、ルジュに倒された後は正気を取り戻しルジュに協力するようになる。
- しかし後にロイに意識を乗っ取られ再びルジュと戦うことになるが、ロイの操作を拒絶して動きを止め、ロイごとルジュに倒された。
- エヴァ・クリステラ
- 声 - 日笠陽子[6]
- ロイ・ユングハルト博士の弟子。彼と共にネアンを完成させた。
- ロイ・ユングハルト
- 声 - 下山吉光[6]
- ジーンの父でネアンの創造主。
- ジャロンによって殺害されたとされているが、実際には自分の人格をコピーしたネアンがオリジナルを殺害しており、現在はコピーネアンが活動している。
- 「ネアンは人類を超えられるのか」という実験を行うため、インモータルナインに偽の記憶をプログラムし、人形遣い師として事態を裏で操り、更にシアンに自分の人格をインストールし乗っ取る。
- 自分の行動を「愛」と称していたが、シアンに拒絶されてそのままルジュに倒され、ロイの人格は完全に消滅した。
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グラディエーター
ネアンが戦闘時に変身(ディフォルム)する戦闘形態。姿や能力は様々だが、共通して金属質な姿をしている。
- メタルルージュ
- ルジュが変身する赤色のグラディエーター。外見はスタイリッシュなフォルムに各部に緑色の発光部を持つ女性型で、戦闘時に軽快な動きで敵を追い詰める他、緑色のナイフのようなエネルギー弾を放つことも出来る。
- 煉獄のヴァイオラ
- サラ・フィッツジェラルドが変身する紫色のグラディエーター。外見は漆黒の身体に各部に紫色の発光部を持つ女性型で、両腕をイオン加速させることで伸縮自在にしつつ高周波ブレードで敵を切り刻むことを得意とする。
- 黄泉のジャロン
- ジャロン・フェイトが変身する黄色のグラディエーター。外見は黄色の道化師のような姿をした男性型で、戦闘時には腕から黄色のチャクラムのようなエネルギーを自在に操る。擬態能力を持ち、他のグラディエーターや人間、果ては犬などの人以外の生物に擬態することも出来る。ただし体重は偽装できないため、適切に擬態しないと外見からはありえない体重でバレる可能性がある。
- 閃光のシルヴィア
- ジル・スタージョンが変身する銀色のグラディエーター。手甲部から紫色のエネルギーを伸ばして鞭のように振るう事ができる。
- 双頭のアルコス
- アエス-アリス・マキアスが変身するオレンジ色のグラディエーター。氷を生成し操る能力を持つ。
用語
- ネアン
- 異星人「来訪者」から供与された技術を使い、ロイ・ユングハルト博士とエヴァ・クリステラが作り上げた人造人間。
- 通常時は普通の人間と大差無い外見だが、戦闘時には「グラディエーター」と呼ばれる戦闘形態に変身することが出来る。ネクタルというエネルギーを燃料としており、身体の首元付近にネクタルの接種ユニットが存在する。定期的にネクタルを接種しなければ痙攣を起こした後活動停止し、廃棄処分となってしまう。
- 社会での地位は低く人間の奴隷のような生活を強いられている上、人間からは蔑まれる存在でもある。
- ネアンにはロボット工学三原則を強制的に守らせるために、「アジモフコード」と呼ばれるプログラムが施されており、ロボット工学三原則に違反すると強制的に活動停止する。これによって人間の奴隷としての扱いを受けざるを得なくなっている。
- インモータルナイン
- 人造人間ネアンの中でも初期に作られた9人のプロトネアンであり、現在では人類に牙を剥く危険な存在と見なされており、ルジュとナオミは9人の抹殺を命じられる。
- 彼らにはエヴァによってアジモフコードを無効化する「コード・イヴ」というプログラムが施されており、他人を傷つける事ができる。
- 「コード・イヴ」を他のネアンにも提供し、ネアンを自由にすることが目的。
- 来訪者 / 簒奪者
- 地球にやってきた異星人のうち人類に友好的なタイプを「来訪者」、攻撃的なタイプを「簒奪者」と呼ぶ。かつて人類と簒奪者の間で激しい戦闘があり、来訪者の提供した技術によって人類が勝利した。来訪者はネアンの技術を提供しており、金星に移住するためネアンにテラフォーミングさせている。
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製作
要約
視点
企画・スタッフィング
本作は、『ラーゼフォン』以来19年ぶりに出渕裕がボンズと組んだ作品である[5][8]。企画自体は出渕が『宇宙戦艦ヤマト2199』の製作から抜けたあたりから進んでいた[5][8]。ボンズ代表取締役の南雅彦は旧知の仲だった出渕に声をかけ、テーマも自然とSFになった[5][8]。一方で、いつかはボンズの知的財産として共有できる世界観にしたいという思いから、壮大なシェアワールドを作り、新作はその歴史の一片を語るつもりでいた[5][8]。おおまかな歴史や世界観を組み立てた後、3つの物語のアイデアのうち、「アンドロイドの暗殺者による同族殺し」というアイデアを南が気に入り、本作の原点となった[5][8]。この時点で主人公「ルジュ」が「メタルルージュ」に変身するという設定が存在しており、前述の世界観に組み込んだことがきっかけで、一気に制作が現実味を帯びていった[5][8]。
監督は『キャロル&チューズデイ』で知られる堀元宣が、キャラクターデザインは『カウボーイビバップ』などで知られる川元利浩がそれぞれ務めた[8]。また、特撮番組での実績がある竹谷隆之と篠原保がアンドロイド・ネアンの戦闘形態であるグラディエーターのデザイナーとして起用された[8]。うち竹谷は『DUNE/デューン 砂の惑星』の試写会で出渕と会ったことがきっかけで起用されたと『ホビージャパン』とのインタビューの中で話している[9]。
ストーリー・セッティング
本作の大枠は「宇宙人によって超技術が人類にもたらされた」という設定である一方、『ブレードランナー』のような古典SFの雰囲気を出すために細かなところでアナログ要素が強調されている[5]。
初期案では主人公・ルジュが自らの存在意義を問いながら単身で敵を殺していく内容だったが、これではモノローグばかりが続くうえ、主人公の孤独感が強調されて暗い物語になってしまうおそれがあった[5][8]。そこで同世代の女性であるナオミがルジュの相棒として用意された[5][8]。ドラマの根幹にはシリアスな部分があるものの、表面的には女の子同士の何気ない会話が心地よいというバランスが、本作のようなロードムービーに相応しいと出渕はインタビューの中で話している[5][8]。また、ルジュは言われたことを正しいと思って実行してしまうなど内面が幼い人物として描かれた一方、ナオミを軽いノリの理論家として描くことで対比を出した[8]。なお、ルジュが巨大ロボットに変身する案もあったが、日本国外の地域においてはあまりメジャーな題材ではなかったため却下された[8]。
SFかつアンドロイドが主人公という時点で、自然と「格差」や「分断」というテーマが生まれ、作品の方向性も決まっていった[10]。 ロードムービーという作品の性質上、毎回異なる場所が舞台となり、それに伴いキャラクターの役回りも異なってくる[10]。また、どのインモータルナインが生存しているかということと、彼らの狙いが、物語の縦線として組まれているほか、ルジュやナオミの背景も盛り込まれる[10]。第3話の舞台であるネアン自治区は、パレスチナ自治区をモデルとしており、現実世界で2023年パレスチナ・イスラエル戦争が起きた際は衝撃を受けたと出渕は明かしている[10]。
美術
プロジェクト初期からかかわっていた竹谷は、女性体型のロボットが出てくる『キカイダー』のような物語であることを把握しており、番組名に「ルージュ」という単語が入っていたことを踏まえ、女性らしさの記号として顔に唇を描いたデザインを出渕に提出したところ、「唇は不要では?」と指摘されてしまう[9]。このため、シルエットなどほかの要素で女性らしさを出す必要に迫られた[9]。また、主人公のデザインには動植物のモチーフや必殺技などの特徴的な要素がないことが多いことも、竹谷にとって苦労の種の一つとなった[9]。最終的には出渕の案を基にデザインが描き起こされた[9]。また、本編内で使用する3Dデータの雛形としてルジュの立体模型も用意された[9]。竹谷はルジュ以外の一部キャラクターの立体模型も用意しており、篠原によるデザインを模型に起こすこともあった[9]。
キャスティング
ルジュ役の宮本侑芽とナオミの黒沢ともよはそれぞれオーディションで起用された[5]。
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スタッフ
- 原作 - BONES、出渕裕
- 総監修 - 出渕裕[11]
- シリーズ構成 - 出渕裕、根元歳三[11]
- 監督 - 堀元宣[11]
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 川元利浩[11]
- 特技監督 - 村木靖[11]
- メインアニメーター - 柿田英樹[12]、横屋健太[12]、長野伸明[12]
- グラディエーターデザイン - 竹谷隆之、篠原保[11]
- メカニカルデザイン - 平尾朋之[11]
- プロダクトデザイン - 宮武一貴[11]
- セットデザイン - 武半慎吾、石津泰志[11]
- コスチュームデザイン協力 - 山田章博[11]
- プロップデザイン - KURO
- 美術監督 - 海老澤卓也[11]
- 色彩設計 - 梅崎ひろこ[11]
- 編集 - 坂本久美子[12]
- 撮影監督 - 池上真崇[11]
- 3DCGスーパーバイザー - 今義和[11]
- 3DCGディレクター - 内田大樹[11]
- 設定考証 - 堺三保[11]
- 文化考証 - 柴田勝家[11]
- 音響監督 - 山田陽[11]
- 音響効果 - 三井友和[12]
- 音楽 - 岩崎太整、yuma yamaguchi、TOWA TEI[11]
- 音楽制作 - フジパシフィックミュージック
- プロデューサー - 障子直登、南雅彦
- アニメーション制作 - ボンズ[11]
- 製作 - Project Rouge(フジテレビジョン、クランチロール、bilibili、ボンズ、LINE Digital Frontier、ギャガ、電通、ビーエスフジ)
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主題歌
各話リスト
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放送局
BD
ボイスドラマ
ボイスドラマが2023年12月12日から2024年4月5日までフジテレビアニメ公式YouTubeチャンネル、公式X(旧Twitter)、公式TikTokにて配信された[17]。
小説
柴田勝家によるスピンオフ短編小説が『小説現代』(講談社)にて連載されている。
漫画
webtoonが2024年3月7日からLINEマンガ、ebookjapanにて連載開始[18]。東京明花による作画。ネームは鶴嶋チタ、制作はwhomor。
脚注
外部リンク
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