Remove ads
ウィキペディアから
マルティン・ベック(Martin Beck)は、マイ・シューヴァル(Maj Sjöwall, 1935年 - )とペール・ヴァールー(Per Wahlöö, 1926年 - 1975年)の夫婦[1]が合作した警察小説に登場する架空の警察官である。彼を主人公とした長編10冊からなるシリーズには、「犯罪の物語」というシリーズ名がつけられている。
スウェーデンのストックホルム警視庁の殺人課主任。階級は登場当時警部、のち警視に昇進。42歳という記述が第1作目「ロゼアンナ」(1965年)にあるが、第5作「消えた消防車」(1969年)には1920年代半ばに2、3歳で、第二次世界大戦時には徴兵を避けるため[2]に警察官になったという描写があり、作品内では40代から50代の間の話ということになり、符合する。
ベックの父は大戦前は小さな運送会社を営んでいたが、後に倒産、建設労働者になる。その後、安定した生活を送れるようになる前の2年間は失業していた。また、母は存命で老人ホームに入っており、初期は元気な姿を見せていたが、徐々に弱っていく描写が見られる。一連の作品初期においては妻インガと結婚しており、長女イングリット、長男ロルフという2児の父親であったが、のちに離婚する。
年度 | 年齢 | 職歴 | 個人 | その他 |
---|---|---|---|---|
1922年 | 0歳 | 9月25日、誕生[3][4][5]。 | ||
1943年 | 21歳 | 警察官となる、初勤務地はヤコブ派出所[6][7]。 | ||
1950年 | 28歳 | 警察学校を最優秀で卒業、警部補となる[8]。 | ||
1951年 | 29歳 | 父親が死去し帰郷(スウェーデン南部)、妻インガと結婚[8][9]。 | ||
1952年 | 30歳 | 長女イングリットが誕生[10][11][12]。 | ||
1955年 | 33歳 | 長男ロルフが誕生[13][14]。 | ||
1956年 | 34歳 | 殺人課に異動[15][16][17]。 | ||
1964年 | 42歳 | ロゼアンナ(7月) | ||
1965年 | 43歳 | スウェーデンの警察組織改革、国家警察に統合[18]。 | ||
1966年 | 44歳 | 煙に消えた男(8月) | ||
1967年 | 45歳 | 主任警視に昇進[19]、ヴェストベリヤの南部方面警察本部へ配属[20]。 | バルコニーの男(6月) 笑う警官(11月) | |
1968年 | 46歳 | 消えた消防車(3月) 上司のハンマル警視長が引退[21]。 | ||
1969年 | 47歳 | 長女イングリットが独立、妻と別居[22]。 | サボイ・ホテルの殺人(7月) | |
1971年 | 49歳 | 唾棄すべき男(4月) | ||
1972年 | 50歳 | レア・ニールセンと交際を始める。 | 密室(6月) | |
1973年 | 51歳 | 警官殺し(11月) | ||
1974年 | 52歳 | テロリスト(11月) |
この節の加筆が望まれています。 |
1965年にシリーズ第一作の「ロゼアンナ」が発表され、以後1975年の最終作「テロリスト」発表されるまでの約10年にわたって続いたシリーズ。なお、第四作の「笑う警官」はエドガー賞 長編賞を受賞している。この作品は10年間のスウェーデンの社会の変遷を描いており、スウェーデンで行われた国家警察の統合などでマルティン・ベックの所属する組織の変遷もきっちり描かれている。なお、日本では角川文庫から発売されていたが、第一作の「ロゼアンナ」からではなく「バルコニーの男」から出版され、「笑う警官」が第二作として出版されていたが、最終的には全巻が出版されている。
この節の加筆が望まれています。 |
1965年に第1作『ロゼアンナ』が書かれてから、1975年にペール・ヴァールーの死によりシリーズが終了するまでに、10の長編が執筆された。日本語版は英訳からの重訳として高見浩により角川書店から全作が訳出された。その後北欧ミステリが注目されたことで、2013年より柳沢由実子によって原著から訳出されることになった。
名称 | 原題 | 発売年月 | 発売元 | |
---|---|---|---|---|
1 | 笑う警官 マシンガン・パニック | The Laughing Policeman | 1988年6月 | ビクターエンタテインメント |
1993年、1994年に製作されたヨースタ・エクマン(Gösta Ekman)主演の映画。時代背景は製作されたのと同時期の1990年代となり細部は異なるが、基本的に各作品のストーリーは小説を基に作成されている。特に最終話の「ストックホルム マラソン」は、原作(「テロリスト」)とはかなり異なるエクスプロイテーションとなっている。
番号 | 名称 | 原題 | 製作年度 | 監督 |
---|---|---|---|---|
第1話 | ロゼアンナ | Roseanna | 1993年 | Daniel Alfredson |
第2話 | 消えた消防車 | Brandbilen som försvann | 1993年 | Hajo Gies |
第3話 | サボイホテルの殺人 | Polis polis potatismos! | 1993年 | Pelle Berglund |
第4話 | バルコニーの男 | Mannen på balkongen | 1993年 | Daniel Alfredson |
第5話 | 警官殺し | Polismördaren | 1994年 | Peter Keglevic |
第6話 | ストックホルム マラソン | Stockholm Marathon | 1994年 | Peter Keglevic |
名称 | 原題 | 発売年月 | 発売元 | |
---|---|---|---|---|
1 | マルティン・ベック DVD-BOX | MARTIN BECK THE STORY OF CRIME | 2007年5月 | ジェネオンエンタテインメント |
1997年から2000年代にかけて数回に分けて製作されたペーテル・ハベル(Peter Haber)主演の作品。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.