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マイケル・エリス・フィッシャー(英語: Michael Ellis Fisher, 1931年9月3日 - 2021年11月26日[1])は、イギリスの物理学者、化学者、数学者である。統計物理学についての多くの先駆的業績、とりわけ相転移と臨界現象分野での業績で知られる。
マイケル・フィッシャー | |
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生誕 |
マイケル・エリス・フィッシャー 1931年9月3日 トリニダード・トバゴ en:Fyzabad |
死没 | 2021年11月26日(90歳没) |
国籍 | イギリス |
研究分野 | 統計物理学 |
研究機関 | メリーランド大学カレッジパーク校 |
出身校 | キングス・カレッジ・ロンドン |
博士課程 指導教員 | シリル・ドム |
博士課程 指導学生 |
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主な業績 |
相転移の理論 FKTアルゴリズム |
主な受賞歴 |
ウルフ賞物理学部門 (1980) ロイヤル・メダル (2005) |
プロジェクト:人物伝 |
キングス・カレッジ・ロンドンで1951年に学士号(BSc)、1957年に物理学の博士号(Ph.D.)を取得。次の年には講師(lecturer)として教員職を得て、1965年には教授となる。1966年にはコーネル大学に異動し化学、物理学、数学の教授となる。1975年から1978年には化学科の学科長を務める。1971年王立協会フェローに選出。1973年ジャック・キーファーと共にコーネル大学初のホレース・ホワイト冠教授に選出される[2]。1983年、米国科学アカデミー化学部門に選出される。1987年からはen:University of Maryland College of Computer, Mathematical, and Natural Sciencesの一部門である物理科学と技術研究所(Institute for Physical Science and Technology)に所属している。
フィッシャーは現在妻ソレルとメリーランドに居住している。二人には子供は四人おり、そのうち理論物理学者が二人いる。スタンフォード大学応用物理学教授のDaniel S. Fisher[3]とカリフォルニア大学サンタバーバラ校[4]物理学教授のマシュー・P・A・フィッシャーである。
1980年フィッシャーはケネス・ウィルソン、レオ・カダノフとウルフ賞物理学部門を共同受賞する。その際ウルフ財団は[11]「マイケル・E・フィッシャー教授は極めて生産的な科学者であり、その力と創造性は未だに衰えを知らない。フィッシャーの主たる寄与は平衡統計力学にあり、その分野全体にわたるものである。相転移の多岐にわたる問題に取り組んでいた物理学者と化学者は主にフィッシャーのおかげで、共通の言葉を学び共に研究にあたることができるようになった。」とコメントしている。
1983年ボルツマン賞を「過去25年間にわたる多くの目覚しい相転移と臨界現象への寄与について」[12]受賞している。
1995年にラルス・オンサーガー賞を「特に相転移と臨界現象、スケーリング則、臨界指数、有限サイズ効果の理論とくりこみ群のこれらの多くへの応用、またその他の統計力学への多くの先駆的な業績について」受賞した。