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ヨコハマポートサイド地区(ヨコハマポートサイドちく、YOKOHAMA PORTSIDE)は、神奈川県横浜市神奈川区における再開発地区の愛称で、神奈川区栄町(さかえちょう)・金港町(きんこうちょう)の一部・大野町(おおのちょう)の一部からなる。横浜駅の東側に所在し、地区愛称は横浜港に面していることに由来する。
ヨコハマポートサイド地区は、横浜駅「きた東口」A出口からペデストリアンデッキ「ベイクォーターウォーク」経由で徒歩2〜12分の位置にある。
また、1階部分に横浜駅東口バスターミナル(市内各方面への路線バスと全国各地への高速路線バスが発着する)がある横浜新都市ビル(そごう横浜店)と、1階部分が横浜シティ・エア・ターミナル (YCAT) で、マルイシティ横浜などが入居する横浜スカイビルのある出島地区とは、動く歩道が設置された「かもめ橋」で直結している。
新田間川(あらたまがわ、帷子川分水路も兼ねる)と帷子川(かたびらがわ)下流・港湾部(東京湾に接する)、首都高速道路神奈川1号横羽線、国道1号(第二京浜)、国道15号(第一京浜)に囲まれ、横浜市中央卸売市場本場にも比較的近い。港湾部の水際線を挟んで対岸にはみなとみらい地区が望めるほか、地区内の一部からは横浜マリンタワーや横浜ベイブリッジを望むこともできる。
かつてこの一帯は横浜駅に近い立地でありながら、ニチレイやトーヨーカネツなどの工場・倉庫が立ち並ぶ地区であった。しかし、1985年に都市計画道路「栄本町線」の整備計画が決定すると、これを契機として翌1986年には「ヨコハマポートサイド地区第二種市街地再開発事業」の都市計画が決定された[1]。1990年頃より「アート&デザインの街」をコンセプトとする再開発が始まり、幅員の広い歩道が確保された道路やペデストリアンデッキが整備されたほか、地区内の無電柱化が実施され、現在は、電柱・電線の無い広い空間にタワーマンションや高層オフィスビルなどが大空に向かってそびえ立つ光景が広がっている。
帷子川下流・港湾部沿いには、当地区へのゲートウェイ的存在である横浜ベイクォーターをはじめ、シーバス(水上バス)乗降場、ポートサイド公園、横浜ディスプレイミュージアムなどが立ち並び、主軸動線であるギャラリーロードの両側には、主としてタワーマンションが立ち並んでいる。横羽線沿いには主にオフィスビルが立ち並ぶほか、隣接して神奈川公園がある(「#各街区の建物と用途」も参照)。これら各方面に向けて、横浜ベイクォーターの3階から栄本町線(みなとみらい大通り)を横断するペデストリアンデッキ「スカイウェイ」が整備されているほか、みなとみらい大通りを含む2つの道路を跨いで当地区内及び地区外を結ぶ「栄町グリーンウォーク」も設置された。いずれもエレベーターを備えたバリアフリー対応である。さらにポートサイド中央交差点付近から、みなとみらい大通りのみなとみらい大橋が当地区とみなとみらい地区とを結んでいる。タワーマンション群を中心として、生活に必要な様々な施設・機能が徒歩圏内にまとめられており、コンパクトシティ化されていることがこの地区の魅力のひとつである。
前述の開発コンセプトにもあるとおり、当地区内には現代アート作品や意匠を凝らした建造物などが数多く存在する。またマンホールの蓋にはポートサイド地区のロゴマークの入ったものを用いる(近年は交換時に横浜市の通常のマンホール蓋に取り替えられ数を減らしつつある)など、他の地区との差別化が図られている。さらに当地区のタワーマンション群のうち、東京寄りから順にザ・ヨコハマタワーズ タワーイースト、ザ・ヨコハマタワーズ タワーウエスト、ヨコハマポートサイド・ロア壱番館、ナビューレ横浜 タワーレジデンスの4棟は夜間に屋上がライトアップされ、横浜ベイエリアの夜景に彩を添える存在となっている。
詳細は「横浜市都市整備局のページ」も参照。
本節では地区内の建物と用途等を街区ごとに記述する。街区位置や開発状況等の詳細は「横浜市都市整備局のページ」を参照。
各街区は、おおむね横浜駅から近い順にA街区からF街区、栄街区の順となっている。
C-1地区とC-2街区は「ヨコハマポートサイド地区地区計画」の対象外となっている[2][6]。
C街区からD-2街区の港湾部にはポートサイド公園がある[5]。
当街区のみ、無電柱化が実施されていない。
当地区には、以下のような様々なアート作品が設置されている。なお、以下の他にもF-1街区のザ・ヨコハマタワーズに6人の作家による10個のパブリック・アートが設置されている。アート作品の詳細については当地区の街づくり協議会公式サイト内にある「Public Artのページ」を参照。
帷子川下流・港湾部沿いの市道高島台第306号線ほかは、愛称「ギャラリーロード」としてモニュメントやアート作品などが設置され、薄桃色の天然石敷きの歩道が整備されている。また車道と歩道との間に不規則に設置してある様々な形の石(岡本敦生による作品)は、解体された旧・横浜船渠ドックから掘り起こされたものである[12]。みなとみらい地区の辺りにはかつて横浜船渠のドックが複数あり、ランドマークタワーのドックヤードガーデン(第2号ドック)など復元保存されているものもあるが、中には解体されたドックもあった。ギャラリーロードを含む当地区の岡本敦生による石材作品群は、ランドマークタワー(みなとみらい中央地区)の建設時に解体されたドックの廃材を使用している。
道路の両側には、街路樹としてヤマモモが植樹されている。枯死したものが少なからずあるが、管理者である市による再植樹は行われておらず、切り株が放置されていたり、市民によって独自に花壇が作られている箇所もある。
ギャラリーロードの途中から横浜中央卸売場方面へ接続していた市場関係者専用の「市場大橋」は、2011年の東日本大震災の際に損傷したため通行禁止となり、2013年から撤去工事が行われた[16]。元々、臨港大橋(臨港幹線道路のみなとみらい橋やコットン大橋)の完成後には市場大橋を撤去する計画となっていたものが、ようやく実施されるに至ったものである。橋の完全撤去後はギャラリーロードのスペースを十分確保できることから、当地区の開発当初からの地区計画における整備方針[2]どおり、今後は歩行者優先のコミュニティ道路としてギャラリーロードの再整備を行う方針となっている[17]。
2015年には東高島駅北地区の再開発事業に関連して、この道路の整備方針と東高島駅北地区およびコットンハーバー地区方面への延伸計画が公表されており、既存の道路と延伸部分を合わせた延長約1.2kmを都市計画道路栄千若線として整備する[18][19]。
2015年8月時点の計画では、当地区内は現状の片側2車線から片側1車線に変更して自転車も通れるように歩道を拡張するとしており、さらにその先は中央市場通りの上を立体交差して直進し(東高島駅方面へ貨物線である高島線沿いを通る)、東高島駅北地区およびコットンハーバー地区方面と接続、都市計画道路東神奈川線[20]まで延伸し、2014年度に策定された「横浜市都心臨海部再生マスタープラン[21]」における「横浜駅周辺地区」と「東神奈川臨海部周辺地区」を結ぶ地区幹線道路(全線片側1車線道路)とすることを想定している。この道路の整備により、現状では周辺地区とのアクセスに難があるコットンハーバー地区の状況の改善が期待される。
1996年9月の横浜シティ・エア・ターミナル (YCAT) 移転(建物の完全閉鎖は2006年度[22])以来、旧YCAT(C-4街区)の建物がそのまま取り壊されずに残され、公園としての利用が計画されている一部エリアを除く跡地の利用については、公共施設とする整備方針はあるものの具体的な土地活用方法は未定のままであった[17][23]。
2014年12月に実施された民間事業者や学校法人などへのニーズ調査では、カフェやシェアオフィス、住宅展示場などの意見も出されており、横浜市では市民団体の交流の場や防災機能拠点の確保などを前提とした上で、2016年6月から事業者の公募を実施していた[22]。同年12月、市内のインターナショナル・スクール(鶴見区東寺尾にあった学校法人ホライゾン学園によるホライゾンジャパンインターナショナルスクール[注 1]の横浜キャンパス)が当地へ移転することとなり[3]、同年12月1日より22年間の定期借地権設定契約[24]が締結された。
上記の移転計画(新規開発)が決定したことに伴い、翌2017年にこれまで残されていた旧YCATの建物を解体[3]。跡地には地盤を掘り下げた上で3階建ての校舎を建設し[3]、2019年4月に開校した[4]。校舎屋上にグラウンドを整備し、横浜市の方針どおりコミュニティースペースや防災機能拠点として防災備蓄庫なども備える。
なお、前述の「公園としての利用が計画されている一部エリア」については、2020年時点でポートサイド公園の未整備区画となっている。
など
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